15日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比190ドル89セント(0.49%)安の3万8714ドル77セントで終えた。
米長期金利が上昇し、ハイテク株を中心に株式の相対的な割高感が意識され、売りが出た。
インフレの根強さを示唆する直近の米経済指標を受け、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが長引くとの観測が浮上した。米長期金利が4.3%台に上昇したことが重荷となり、これまで相場をけん引してきたIBMやマイクロソフト、アップルやアマゾン・ドット・コム、セールスフォースなど、ハイテク株への売りが目立った。ダウ平均の下げ幅は290ドルに迫る場面があった。
一方、米景気の楽観論が支えとなり、相場が持ち直す場面もあった。
格付け大手フィッチ・レーティングスに格付け見通しを引き下げられたボーイングは0.8%高。このところ売りが先行していた反動から買い戻された。慎重な業績見通しを示したアドビは13.7%安と急落した。
市場では、「エヌビディアなどの大手ハイテク株はこのところ続く上昇を受け『フロス(小さい泡)』の状態になっているため、短期的には慎重な見方もある」との声も聞かれた。
来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える。米金利先物の値動きから市場が織り込む政策金利予想を算出する「フェドウオッチ」では、政策金利を据え置く確率は9割を超えている。ただ、FOMC後に公表される政策金利見通し(ドットチャート)やパウエル議長の記者会見で今後の政策の方向性を見極めようと、市場の関心は高い。
IBMやビザ、アムジェンが下落した。半面、スリーエム(3M)やキャタピラー、メルクは買われた。
ダウ平均は週間で7ドル安だった。3週連続での下落で、2023年10月以来の長さとなった。
ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比155.356ポイント(0.96%)安の1万5973.174で終えた。メタプラットフォームズやエヌビディアが売られた。
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比335円高の3万8625円で終えた。
NYダウ平均は、米長期金利の上昇を受けてハイテク株が売られ、続落した。
外国為替市場で円安・ドル高が進んだ。輸出関連株などへの業績面の恩恵が意識され、日経平均先物が買われた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
38625 ( +235 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
38690 ( +300 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
15日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比15.73ポイント(0.20%)安の7727.42で終えた。米国子会社が手掛ける粉ミルクを巡り、米イリノイ州の陪審団に賠償支払いを命じられたと伝わった日用品のレキットベンキーザー株が急落し、指数を下押しした。他の日用品関連の銘柄も下げたほか、医薬品にも売りが出た。
その他のFTSEの構成銘柄では、たばこ大手インペリアル・ブランズが2.56%安、製薬大手GSKが2.26%安と続いた。一方、一部金融機関が投資判断を引き上げたと伝わった、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などを傘下に抱える航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は6.18%高、イタリア事業をスイスの通信大手スイスコムに売却すると発表した通信大手ボーダフォンが5.69%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
15日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に3日続落し、前日比5.39ポイント(0.03%)安の1万7936.65で終えた。前日終値を上回って推移する場面もあるなど、下値は限られた。防衛・航空関連や自動車関連の銘柄への買いが優勢だった。
個別では、2023年に過去最大の損失を計上したことで、不動産大手ボノビアが10.55%安と大きく売られ指数の重荷となった。ほか、特許侵害を理由に、子会社を通じて中国の英諾賽科(イノサイエンス)を提訴したと前日に公表した半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが6.02%安、医薬大手メルクが1.85%安だった。反対に、防衛大手ラインメタルが3.0%高、商用車大手ダイムラー・トラックは1.92%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの主要な株価指数であるCAC40は小幅ながら4日続伸し、連日で最高値を更新した。終値は前日比2.93ポイント(0.03%)高の8164.35だった。