10日の東京株式は反発後、もみ合い展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万8000円-3万8500円を想定(9日終値3万8073円98銭)
米国株は上昇。ダウ平均は331ドル高の39387ドルで取引を終えた。
現地9日の欧米株式が上昇した動きを受け、買い先行スタートとなりそう。
ただ、きのう9日に上値の重い展開だったことや、週末要因から、手じまい売りに押される場面も想定される。
5日線(3万8324円、9日時点、以下同じ)や75日線(3万8417円)が意識され、3万8300円〜3万8400円レベルでもみ合う時間が長くなると予想する。
為替相場は、ドル・円が1ドル=155円台の半ば(9日は155円82-84銭)と小動きの一方、ユーロ・円が1ユーロ=167円台の半ば(同167円26-30銭)とやや円安方向に振れている。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、9日の大阪取引所清算値比395円高の3万8435円だった。
【好材料銘柄】
■日東紡績 <3110>
今期経常は23%増で18期ぶり最高益、前期配当を10円増額。
■シュッピン <3179>
今期経常は14%増で2期連続最高益、前期配当を3円増額・今期は4円増配へ。
■ダイトウボウ <3202>
前期経常が上振れ着地・今期は29%増益、前期配当を0.5円増額・今期は1円増配へ。また、発行済み株式数(自社株を除く)の1.0%にあたる30万株(金額で3600万円)を上限に自社株買いを実施する。そのほか、株主優待制度を拡充。新制度では保有株数と保有期間に応じて3000~6000円分のクオカード(現行から1000円増額)を贈呈する。
■じげん <3679>
今期最終は13%増で3期連続最高益、1円増配へ。また、発行済み株式数(自社株を除く)の4.04%にあたる420万株(金額で28億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は5月10日から25年3月31日まで。
■フィックスターズ <3687>
上期経常が19%増益で着地・1-3月期も29%増益。また、乳癌超音波画像AI診断支援ソフトウェア「スマートオピニオン METIS Eye」の医療機器承認を取得。
■セレス <3696>
1-3月期(1Q)経常は3.2倍増益で着地。
■Ubicomホールディングス <3937>
今期経常は62%増で3期ぶり最高益更新へ。
■BASE <4477>
今期経常を一転黒字に上方修正。
■ツムラ <4540>
今期経常は68%増で3期ぶり最高益、前期配当を15円増額・今期は51円増配へ。
■秀英予備校 <4678>
今期経常は69%増益、2期ぶり5円で復配へ。
■日本ハウズイング <4781>
MBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化を目指す。GS傘下の乃木坂ホールディングスの完全子会社であるマルシアンホールディングスがTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOB価格は1株1545円で9日終値を35.8%上回る水準。5月中旬をメドに買い付け開始を目指す。
■有沢製作所 <5208>
前期経常が上振れ着地・今期は2.2倍増益、24円増配へ。
■Arent <5254>
7-3月期(3Q累計)経常が2.3倍増益で着地・1-3月期も2.3倍増益。
■インテグラル <5842>
1-3月期(1Q)最終は7.9倍増益で着地。
■ジャパンエンジンコーポレーション <6016>
今期経常は10%増で2期連続最高益、前期配当を15円増額・今期は実質増配。9月30日現在の株主を対象に1→3の株式分割を実施。
■三精テクノロジーズ <6357>
今期経常は50%増で6期ぶり最高益、10円増配へ。
■水道機工 <6403>
今期経常は66%増益へ。
■トラース・オン・プロダクト <6696>
AI電力削減ソリューション「AIrux8」の技術が日本で特許として登録。
■日本CMK <6958>
前期経常を27%上方修正、配当も8円増額。
■Birdman <7063>
YourTurnを割当先とする140万株の第三者割当増資を実施する。発行価格は743円。
■助川電気工業 <7711>
今期経常を12%上方修正・33期ぶり最高益、配当も1円増額。
■ケーズホールディングス <8282>
今期経常は5%増益へ。また、発行済み株式数(自社株を除く)の10.28%にあたる1800万株(金額で200億円)を上限に自社株買いを実施。取得した自社株は25年3月31日付で全て消却する。
■アルプス物流 <9055>
米投資ファンドKKR傘下のロジスティードがTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指す。TOB価格は1株5774円で9日終値を32.7%上回る水準。8月中旬をメドに買い付け開始を目指す。
■日新 <9066>
今期経常は4%増益、90円増配へ。
■サンウェルズ <9229>
今期経常は36%増で7期連続最高益、前期配当を2円増額・今期は4円増配へ。また、27年3月期に営業利益103億円(24年3月期実績は34.9億円)を目指す中期経営計画を策定。そのほか、在宅療養者向け訪問看護事業を開始。
■NISSOホールディングス <9332>
今期経常は24%増で5期ぶり最高益、1.5円増配へ。
■アイネット <9600>
今期経常は10%増で2期連続最高益、3円増配へ。また、発行済み株式数(自社株を除く)の5.16%にあたる82万5000株(金額で16億5000万円)を上限に自社株買いを実施。うち80万株を5月10日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で取得する。
【主な経済指標・スケジュール】
10(金)
【国内】
オプションSQ
3月家計調査(8:30)
4月景気ウォッチャー調査(14:00)
30年国債入札
《決算発表》
東エレク、NTT、KDDI、ホンダ、三井不、菱地所、クボタ、大和ハウス、オリンパス、セコム、住友電、資生堂、アシックス、ミネベアミツミ、島津製、ダイフク、SBI、千葉銀、マツダ、東洋水産、明治HD、マツキヨココカラ、KOKUSAI、ダイブ、イシン
【海外】
米5月ミシガン大学消費者態度指数(23:00)
米4月財政収支(5/11 3:00)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
9日のNYダウ工業株30種平均は7日続伸し、前日比331ドル37セント(0.84%)高の3万9387ドル76セントで終えた。4月1日以来の高値を付けた。7連騰は昨年12月以来。
米労働省がこの日発表した新規の失業保険申請件数が市場予想を上回る増加を見せ、雇用の逼迫(ひっぱく)が和らぐ兆しが示された。米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げを行うとの見方が強まって米長期金利が低下し、幅広い銘柄が買われた。
米金融市場では、景気があまりに強いためにFRBが利下げに踏み切れず、金利の高止まりによる悪影響が広がることへの懸念が強い。このため、失業者の増加といった「悪いニュースが良いニュースとして受け取られる状態」が続いている。
9日発表の週間の米新規失業保険申請件数は23万1000件と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(21万4000件)を上回った。労働市場の過熱感が薄れ、FRBが利下げに動きやすくなるとの観測を誘った。米長期金利が4.4%台半ばと前日終値を下回る水準で推移し、株式の相対的な割高感が薄れた。
ダウ平均は午後に上げ幅を広げた。前日までの6営業日で1200ドルあまり上昇し、利益確定売りが出やすい中での株高とあって、市場では投資家の買い意欲が回復しているとの見方が増えている。Bライリーのアート・ホーガン氏は「主要企業の2024年1〜3月期決算が総じて堅調なことが投資家心理を支えている」と話す。
ホーム・デポやキャタピラー、ゴールドマン・サックスなど景気敏感株の上昇が目立ち、ダウ平均を押し上げた。ダウとシェブロン、アムジェンも高かった。
半面、セールスフォースとIBMは売られた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、英半導体設計のアーム・ホールディングスが下落した。8日夕に発表した四半期決算と同時に示した業績見通しが慎重と受け止められた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比43.509ポイント(0.26%)高の1万6346.265で終えた。メタプラットフォームズとアルファベットが上昇した。一方、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株の下げが目立った。テスラも安かった。
【シカゴ日本株先物概況】
9日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比10円高の3万8435円で終えた。
NYダウ平均は、米労働市場の落ち着きを示す経済指標を背景に早期利下げに対する期待が高まり、7営業日続伸した。
この日は米連邦準備理事会(FRB)による年内利下げ観測が一段と強まって米主要株価指数が上昇し、日経平均先物にも買いがやや優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38435 ( +395 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38460 ( +420 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8381.35(+27.30)
9日のFTSE100種総合株価指数は5日続伸し、前日比27.30ポイント(0.32%)高の8381.35で終えた。5日連続で最高値を更新した。英イングランド銀行(中央銀行)が9日公表した金融政策委員会の結果を受け、英国での利下げ開始時期が近づいているとの見方が広がり、投資家心理の支えとなった。
英アングロ・アメリカンなどの資源株に買いが優勢だったほかエネルギー、製薬株も上げた。半面、前日まで買いが目立っていた英HSBCホールディングス株には売りが出た。不動産投資信託(REIT)や空運株も下げた。
FTSEの構成銘柄では、鉱業大手アングロ・アメリカンが3.09%高と上昇率トップ。小売り大手JDスポーツ・ファッションが2.91%高、オンライン食品販売大手オカド・グループが2.28%高と続いた。一方、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループが5.18%安、金融大手HSBCホールディングスが4.15%安と低迷した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18686.60(+188.22)
9日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸し、前日比188.22ポイント(1.01%)高の1万8686.60で終えた。前日に続き、最高値を更新した。英国での利下げ観測や、米国でも年後半に利下げが始まるとの見方が、投資家心理を強気に傾けた。
欧州株式市場で欧州主要600社の株価指数であるストックス600は続伸し、終値は前日比0.19%高の516.77と最高値を更新した。
個別では、前日に好決算を公表したエネルギー大手シーメンス・エナジーが3.28%高、電力大手RWEが2.51%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが2.41%高だった。自動車大手メルセデス・ベンツが5.82%安、保険大手アリアンツが3.76%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 8187.65(+56.24)
フランスCAC40種指数は0.69%高だった。イングランド銀行(中央銀行)は政策金利を据え置いたものの、政策担当者らが利下げに前向きな姿勢を示したことで、上昇した。