16日の東京株式市場は、続伸後もしっかりした展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万8400円-3万8800円を想定。(15日終値3万8385円73銭)
米国株は上昇。ダウ平均は349ドル高の39908ドルで取引を終えた。
きのう15日の日経平均株価は朝高後、戻り待ちの売りに押される格好となったが、現地15日の米穀株式市場で、NYダウとナスダック総合指数がそろって史上最高値を更新した動きを受け、買い優勢スタートとなりそう。
高く始まった後は、戻り売りをこなしながらプラス圏でしっかりとした動きが続くだろう。
ただ、為替相場は、ドル・円が1ドル=154円台の後半(15日は156円09-11銭)、ユーロ・円が1ユーロ=168円台の半ば(同168円97銭-169円01銭)と円高方向に傾いていることから、輸出関連銘柄には重しとなる場面も想定される。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、15日の大阪取引所清算値比325円高の3万8705円だった。
【好材料銘柄】
■ジーエヌアイグループ <2160>
1-3月期(1Q)最終は黒字浮上で着地。また、東証プライム市場への市場区分変更申請に向けた準備を進める。そのほか、オルツ、ガバナンス・パートナーズとAI技術を活用した創薬、投資事業の合弁会社を設立する。
■ヒューマンホールディングス <2415>
今期経常は2%増で2期連続最高益、1.5円増配へ。
■スターティアホールディングス <3393>
今期経常は11%増で3期連続最高益、前期配当を9円増額・今期は28円増配へ。
■フェイスネットワーク <3489>
今期経常は2.2倍増で2期ぶり最高益、前期配当を3円増額・今期は51円増配へ。
■ベガコーポレーション <3542>
今期経常は52%増益、1円増配へ。
■エムアップホールディングス <3661>
今期経常は19%増で6期連続最高益、3円増配へ。
■Abalance <3856>
今期経常を30%上方修正・最高益予想を上乗せ。
■レゾナック・ホールディングス <4004>
1-3月期(1Q)経常は黒字浮上・上期計画を超過。
■ヘッドウォータース <4011>
1-3月期(1Q)経常は2.1倍増益で着地。
■児玉化学工業 <4222>
今期経常は13倍増益へ。
■ハイブリッドテクノロジーズ <4260>
上期最終が72%増益で着地・1-3月期も58%増益。
■Institution for a Global Society <4265>
今期経常は黒字浮上で3期ぶり最高益更新へ。
■Kudan <4425>
今期営業は赤字縮小へ。また、日系大手自動車メーカーのプラットフォーム型自律移動モビリティの実証開発に協力。
■Chatwork <4448>
1-3月期(1Q)経常は赤字縮小で着地。
■サイバーセキュリティクラウド <4493>
1-3月期(1Q)経常は2.1倍増益で着地。
■日本精蝋 <5010>
1-3月期(1Q)経常は黒字浮上で着地。
■フコク <5185>
今期経常は17%増で10期ぶり最高益、前期配当を5円増額・今期は15円増配へ。
■冨士ダイス <6167>
今期経常は30%増益、前期配当を10円増額・今期は8円増配へ。
■ブランジスタ <6176>
上期経常が63%増益で着地・1-3月期も32%増益。
■Orchestra Holdings <6533>
1-3月期(1Q)経常は43%増益で着地。
■インターネットインフィニティー <6545>
今期経常は29%増で3期ぶり最高益、3円増配へ。
■ライトアップ <6580>
今期経常は100%増益へ。
■ユー・エム・シー・エレクトロニクス <6615>
前期経常が一転増益で上振れ着地・今期は5%増益、前期配当を5期ぶり10円で復配・今期も10円継続へ。
■大日光・エンジニアリング <6635>
1-3月期(1Q)経常は83%増益・上期計画を超過。
■エスペック <6859>
今期経常は4%増で2期連続最高益、前期配当を5円増額・今期は5円増配へ。
■松尾電機 <6969>
今期経常は2.2倍増益へ。
■アクセスグループ・ホールディングス <7042>
今期経常は3.2倍増で7期ぶり最高益、15円増配へ。
■GMB <7214>
今期経常は100%増益、10円増配へ。
■カクヤスグループ <7686>
今期経常は25%増で2期連続最高益、実質増配へ。また、9月30日現在の株主を対象に1→3の株式分割を実施。
■クレディセゾン <8253>
発行済み株式数(自社株を除く)の15.2%にあたる2500万株(金額で500億円)を上限に自社株買いを実施する。今期最終は29%減益、前期配当を5円増額・今期も105円継続へ
■あかつき本社 <8737>
今期経常は10%増で2期連続最高益、1円増配へ。
■エスライングループ本社 <9078>
MBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化を目指す。山口嘉彦社長が代表を務めるトモエがTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOB価格は1株1460円で15日終値を16.1%上回る水準。買い付け期間は5月16日から6月26日まで。
■和心 <9271>
今期経常を3.5倍上方修正。
【主な経済指標・スケジュール】
16(木)
【国内】
1-3月期GDP速報値(8:50)
20年国債入札
《決算発表》
ヨシタケ、大同信、セキ、イクヨ、ホリイフード
【海外】
米4月住宅着工件数(21:30)
米4月輸出物価指数(21:30)
米4月輸入物価指数(21:30)
米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(21:30)
米4月鉱工業生産(22:15)
《米決算発表》
アプライド・マテリアルズ、バイドゥ、ウォルマート、ディア
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
15日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比349ドル89セント(0.88%)高の3万9908ドル00セントで終えた。3月28日以来、約1カ月半ぶりに最高値を更新した。
米労働省が朝方発表した4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.4%上昇と、伸び率は予想と一致、前月(3.5%)から3カ月ぶりに減速した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が年内2回の利下げに踏み切るとの期待が維持されたため、長期金利が低下。相場をけん引してきたエヌビディアをはじめとした半導体株など幅広い銘柄に買いが入った。
市場では「利下げの時期を見極めるには今後の経済指標を考慮する必要があるものの、ひとまずCPIの上振れが避けられたことから投資家心理が上向いた」との声が聞かれた。15日発表の4月の米小売売上高が低調な結果となり、需要の伸び悩みが物価上昇率の低下につながるとの見方もあった。
米債券市場では、長期金利が4.3%台半ばと前日終値(4.44%)を下回っている。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に相対的な割高感が薄れたとみた買いが入ったのも相場を押し上げた。ダウ平均の構成銘柄では、セールスフォースやマイクロソフト、アップルが上昇した。
そのほか、ホーム・デポやアムジェン、メルクも上昇した。半面、ウォルト・ディズニーやナイキは下落。ボーイングにも売りが出た。米司法省が同社製航空機の墜落事故を巡る和解事項に違反しているとの判断を示し、嫌気された。
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比231.210ポイント(1.40%)高の1万6742.390と連日で最高値を更新した。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の上昇が目立った。
S&P500種株価指数は前日比61.47ポイント(1.17%)高の5308.15で終えた。3月28日以来の最高値更新で、初めて5300台に乗せた。
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比115円高の3万8705円で終えた。
4月の米消費者物価指数(CPI)がインフレ鈍化を示す内容だったことが好感され、米ダウ工業株30種平均が約1カ月ぶりの最高値を更新した。投資家心理が強気に傾き、日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38705 ( +325 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38720 ( +340 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
15日のFTSE100種総合株価指数は続伸し、3営業日ぶりに最高値を更新した。終値は前日比17.67ポイント(0.20%)高の8445.80だった。決算など個別の材料を受けた銘柄への買いが指数を支えた。15日に発表された米経済指標で市場予想より弱い内容があり、米利下げ観測が強まったのも投資家心理を支えた。
FTSEの構成銘柄では、信用リスク管理サービス会社エクペリアンが8.13%高と大幅高となり、15日に増収増益決算とあわせて2025年3月通期の明るい見通しを公表したことを受け、同社株に買いが集まった。23年10月〜24年3月期の決算とあわせて増配計画を示した、たばこ大手インペリアル・ブランズが5.75%高、物流施設大手セグロが5.52%高で続いた。一方、高級衣料のバーバリーは7.28%安と急落。給食サービス大手コンパス・グループは2.97%安、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールも2.44%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
15日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、終値は前日比152.94ポイント(0.81%)高の1万8869.36だった。3営業日ぶりに最高値を更新した。15日発表の米経済指標を受けて米利下げ期待が広がり、運用リスクをとりやすくなるとの見方から株式への買いが強まった。
電力株や、テクノロジー関連の銘柄に買いが優勢だった。一方で、高級車のポルシェなど自動車株には売りが出た。
個別では、不動産大手ボノビアが6.74%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが6.46%高、15日公表した2024年1〜3月期決算が市場予想を超える増益となったコメルツ銀行が5.13%高だった。
半面、高級車メーカーのポルシェは1.70%安、商用車大手ダイムラー・トラックは1.36%安、防衛大手ラインメタルは1.19%安で引けた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場で、フランスの代表的な株価指数であるCAC40は続伸した。終値は前日比0.17%高の8239.99と、連日で最高値を更新した。