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《Eimei「みちしるべ」》
(4月11日から4月15日の週)

新年も新年度も下落からのスタート。
エンジンのかかりは良くないし、惹くべきチョークも今はない。
言えるのは95年も同様の動きだったが、夏以降は明るい展開になったこと。
渦中にいると物事は見えないが、一歩後退してみれば、過去の踏襲もあり得るに違いない。
市場でささやかれるのは「森よりも木を見ること」。
言い古された言葉だが、東証マザース指数は8週続伸。
この間累計で56.1%上昇しており市場が求めているのが成長性であることの裏返しだろう。
日経225はシニア、マザーズはヤング。
そんな言葉も聞かれる。
成長性とテーマ性でいけば、バイオ、IoTというセクターは今年の主役であることは間違いなし。
立ち位置や相場シナリオの設定で、相場は良くも悪くも見えるものだ。


日経平均想定レンジ

下限15243円(2月15日安値)〜上限16775円(25日移動平均線)

日経新聞左肩の連載「市場の力学」のスタートは月曜日。
第1回目は「荒れる相場、変動率が支配」。
変動率をモノサシに投資するファンドも資産総額は約130兆円に及ぶ。
日本の公募投信の残高を上回る規模だ。
金融危機をきっかけに急速に普及したリスク管理手法。
「これがかえって市場を不安定にした」。
安全志向の高まりが不安定な相場を生む皮肉。
投資手法の高度化が進んでも、リスクは形を変えて市場につきまとう。
第2回目は「熟練トレーダーAI参上」。
株価が適正価格以下になったと判断したら、
自動で株式を買うシステムを開発したSMBC日興。
同社のエクイティ本部長のコメント。
「機械が支配する市場で先を行くには機械が必要」。
機械が支配し始めた投資の世界の先がけが超高速取引。
米投資会社の1238日の取引で1237勝1敗という数字。
99円の買いと100円の売りの同時商い。
スピードだけが左右するが論理は昔の場立ちの商いみたいなもの。
まだ相場観というには遠いのだろうか。
3日目は「スター銘柄どこ行った」。
「成長への夢よりも、配当を通じたリターンを追う時代が訪れようとしている」。
ストラテジストのコメント。
しかし・・・。
「マイナス金利下で投資先をみつけにくい時代。
原石を見抜く目が一般の投資家に求められる」。
論理は機械とヒューマンに平等になっているが、どうも洗脳されそうな特集である。

バックミラーのように過去の結果論を遡れば・・・。
日経平均の25日移動平均線は3月14日にプラス5.49%。
日経平均は17233円だった。
その後の安値は昨日の15698円で下落幅1535円。
その前は11月9日にプラス5.89%。
日経平均は19642だった。
その後の安値は2月12日14952円で下落幅4690円。
結局25日線のプラス5%以上のかい離で売るというセオリーは今のところ効いている。
次に5%プラスかい離したときの教訓になるかも知れない。
「呪縛解放投資戦略」の第1鉄則?
しかし5%もかい離すると心理は「ホッ」ではなく「イケイケ」になっているのだろう。
この心理の綾が相場観を間違えさせてくれるから厄介なもの。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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