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【大引け概況】


10日の日経平均株価は6営業日ぶりに反落し、大引けは前日比479円18銭(1.67%)安の2万8143円97銭だった。下げ幅は今年最大で、日銀が金融緩和策の修正を決めた2022年12月20日(669円61銭安)以来の大きさ。

 
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前日の米株式市場では、NYダウが543ドル安と3日続落した。銀行・金融サービス持ち株会社のSVBファイナンシャルグループ<SIVB>が急落するなか銀行株などを中心に大幅安となった。これを受けた東京株式市場も売り先行の展開だった。日経平均株価は前日まで5日続伸していたこともあり、利益確定売りも膨らんだ。
正午前には、日銀金融政策決定会合で現状維持の結果が発表された。この発表を受け、日経平均の下落幅は一時縮小したが、買い一巡後は売り直され、結局プライム市場の9割超の銘柄が下落する全面安となった。今晩は米2月雇用統計の発表が予定されており、その結果が注目されるなか、いったん持ち高を縮小する動きも出ていた。
投資家のリスク回避姿勢が強まり、幅広い銘柄に売りが出た。大引け間際には下げ幅を500円超に拡大する場面もあった。
 
市場では「米金融のSVBファイナンシャル・グループが大規模な資金調達計画を発表したことをきっかけとした米株安が尾を引くとの警戒が強まっている」(みずほ証券の三浦豊氏)との声が聞かれた。2月の米雇用統計の発表を控え、米利上げの継続に対する警戒感から買い持ち高を手じまう動きも目立った。
 
日経平均は前日までの5日続伸で1100円あまり上昇していたため、高値警戒感を背景とした利益確定目的の売りが出やすかった。このところ買われていた低PBR(株価純資産倍率)銘柄を中心とするバリュー(割安)株も売られ、午前は堅調に推移していた海運株の一角が後場急落したことも相場全体の地合いを冷やした。
 
日銀はきょうまで開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の現状維持を決めた。決定直後は株価指数先物に買い戻しが入る場面もあったが続かなかった。
 
東証株価指数(TOPIX)も6営業日ぶりに反落し、39.51ポイント(1.91%)安の2031.58で終えた。
 
株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出に絡んだ現物株売買が膨らみ、東証プライムの売買代金は概算で4兆1566億円と、22年11月11日以来およそ4カ月ぶりの高水準だった。売買高は16億9375万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1673と、全体の約9割を占めた。値上がりは125、変わらずは37銘柄だった。
 
なお、3月限の株価指数先物・オプション取引の特別清算指数(SQ)確定値は28377.34円。

 
 
業種別株価指数(33業種)では銀行業、海運業、保険業の下落が目立った。上昇はゴム製品、パルプ・紙のみだった。
 
個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが安く、レーザーテックや東京エレクトロンが値を下げた。日本郵船が6%超と大幅安となり、ソフトバンクグループ(SBG)やファーストリテイリングが値を下げた。リクルートホールディングスやオリエンタルランド、メルカリも軟調だった。
 
半面、大規模な自社株買いを発表した大日本印刷が逆行高となり、決算発表とともに増配や自社株買いを発表した積水ハウスが買われた。ブリヂストンや凸版印刷、味の素も値を上げた。
 
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