【どう見るこの相場】米中貿易協議は綱渡り長期化でも

■ウルトラCでも取り敢えず株主厚遇株に究極のディフェンシブ株投資
 
 一体全体、何が起こっているのか、起ころうとしているのか、一般の投資家には到底理解できないに違いない。トランプ米大統領が、「中国はディール(約束)を破った」とツイッターに投稿したことが、何を指していたのか意味不明だったが、それ以上に分からないのが、米国が、閣僚級の米中貿易協議中にもかかわらず2000億ドルの中国製品に対して10%から25%に引き上げた制裁関税を発動したあとも、貿易協議を継続すると表明した両国の真意である。しかも、米国は、さらに残りの3000億ドルを含めてすべての中国製品に制裁関税を課税する準備に入り13日にその詳細を公表すると報道されている。綱渡りの協議が長期化、泥沼化するのか、それとも急遽、合意形成のウルトラCとなるかは、何でもお見通しの神様のほか、トランプ大統領と中国の習近平国家主席の胸の内にあるということだろうか?
 
 株価感応度は、トヨタ自が決算と同時に自己株式取得を発表し急伸したものの、ほぼ往って来いとなったのが代表で共通しているが、今後も下値硬直性の需給要因として機能するはずであり、個別株物色のベースを形成することが見込まれる。(本紙編
 直近のマーケットでも、世界の株価が、追加関税発動とともに逆に株高に動いたことは少なからずサプライズとなった。日経平均株価は、下げ幅を縮めた程度にとどまったが、中国の上海総合株価指数は世界トップの上昇率と急反発して引け、米国のニューヨークダウ工業株30種平均も急反発した。マーケットコメントでは、昨年7月、8月、9月と米国が制裁関税の第1弾、第2弾、第3弾を発動したときと同様に悪材料出尽くし感を強めた結果として一致している。ただこれも、確か10連休前には米中貿易協議合意期待の株高シナリオが市場コンセンサスになっていたが、トランプ大統領のツイート以来、令和相場入りした4日間に手痛いしっぺ返しを喰らい、日経平均株価が、900円超安もした前例もある。「株価は株価に聞け」という相場セオリーはあるものの、週明け以降に何が起こるか予見不可能で、この株高に追随すべきかどうか迷いが生じて当然だろう。
 
 さらに株高継続に追随するとしても、どのような銘柄をターゲットとするかも悩ましい。折から発表ラッシュとなっている3月期決算会社の企業業績も芳しいものではない。日本経済新聞の10日現在の決算集計では、前2019年3月期純利益は、前期比1.8%の減益で、今2020年3月期の純利益は、4.2%増益にとどまり、主力株の動向は、市場コンセンサス対比でポジティブ・サプライズよりネガティブ・サプライズが多い印象である。令和相場入りとともに逆行高した銘柄は、好業績銘柄を中心とした個別物色にとどまっている。
 
 そこで令和相場第2週目の当コラムでは、消去法的に究極のディフェンシブ銘柄として株主還元政策を積極化し株価意識を高めている株主厚遇銘柄へのアプローチを提案することとした。今月5月末に株式分割の権利付き最終売買日が迫っている株式分割株や、決算発表とともに大規模な自己株式取得を発表した主力銘柄で、この銘柄なら、綱渡りの米中貿易協議の先行きが合意、決裂のどちらに転んでも、下方硬直性を発揮してディフェンシブ株投資のベースを形成し、独自人気をキープすることが想定される。
 
■業績が好調でテーマ性を内包する8銘柄に株式分割の権利取りが再燃し再騰期待
 
 株式分割を発表した銘柄は現在、6月27日を基準日にするソフトバンクグループ<9984>(東1)を含めて14銘柄を数えるが、まず5月末に権利付き最終売買日を迎える8銘柄が対象になる。コード番号順にあげると東証1部銘柄ではエレマテック<2715>(東1)、オロ<3983>(東1)、乃村工藝社<9716>(東1)、新興市場株ではスタジオアタオ<3550>(東マ)、エクスモーション<4394>(東マ)、チームスピリット<4397>(東マ)、レアジョブ<6096>(東マ)、識学<7049>(東マ)となる。
 
 いずれも業績は好調でテーマ性を内包しており、オロ、乃村工藝、識学、チームスピリットが働き方改革関連株の一角を占め、エクスモーションは、「つながる車」のCASE関連株で、レアジョブは、新学習要領の英語教育義務化の関連需要の恩恵を享受する。またエレマテックは、株式分割とともに配当政策の基本方針を変更し連結配当性向を引き上げ、株式分割権利落ち後の配当の連続増配幅を拡大させる。いずれも株価は、分割歓迎でストップ高をするなど急伸したが、令和相場入りとともに往って来いとなっており、再度の急伸展開が想定される。
 
■取得総額3000億円に3社が並びDeNAは業績不調も発行済み総数の26%を取得
 
 決算発表とともに自己株式取得を発表した銘柄が続出したが、取得金額の大きさで目立ったのは日経225採用の主力銘柄である。取得金額上限が3000億円で並んだのがトヨタ自動車<7203>(東1)、三菱商事<8058>(東1)、NTTドコモ<9437>(東1)の3社で、これに取得金額2500億円のNTT<9432>(東1)が続く。400億円〜600億円レベルでは、DeNA<2432>(東1)、花王<4452>(東1)、ファナック<6954>(東1)、HOYA<7741>(東1)、キヤノン<7751>(東1)、JR東日本<9020>(東1)が顔を並べる。
 
 発行済み株式総数に対する取得割合は、DeNAが26.14%と出色で、これに続くのが三菱商事の7.5%、NTTドコモの3.85%、大成建設の3.81%(取得金額280億円)で、セイコーエプソン<6724>(東1)、ニコン<7731>(東1)、HOYAの精密機器株は、取得金額はセイコーエプソン、ニコンとも100億円だが、取得割合は3社揃って2%台で揃っている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 

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