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【どう見るこの相場】


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■重要イベントを通過して焦点は企業業績

 今週1月23日〜27日は、前週末20日のトランプ米大統領の就任演説という重要イベントを通過して、焦点は企業業績、特に17年3月期業績予想の増額修正に移る。ただし当面はトランプ米大統領の「米国ファースト」に対する期待感と警戒感が交錯し、全体としては方向感に欠ける展開となりそうだ。

 トランプ米大統領は20日の就任演説で「米国民の利益を最優先に考える」「米国ファーストの政策を実行する」「米国を再び偉大な国にする」と決意表明した。法人税減税や財政支出拡大といった具体的政策には言及しなかったものの、経済政策面では「米国製品を買い、米国人労働者を雇用する」という基本ルールを強調した。そして就任式直後には早くも6項目の政策方針を発表し、通商政策ではTPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱、およびNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を表明した。

 こうしたトランプ米大統領の動きに対して、20日の米国市場で米国株は上げ幅を縮小し、ドル・円相場はドル安・円高方向に傾いた。ただし就任演説の内容に具体性が欠けていたこともあり、特筆するほどの動きではなく、どちらかと言えば落ち着いた動きだった。重要イベントを波乱なく通過した形だ。

 既にトランプノミクスに対する過度な期待感が後退し、トランプ・ラリーの高揚感も沈静化している。そしてトランプ新政権の減税政策、財政支出政策、通貨政策、さらに規制緩和政策の具体化を見極める必要があり、暫くの間は「米国ファースト」が世界経済に与える影響を巡って期待感と警戒感が交錯しそうだ。

 日本株の動きは基本的には米国株と為替次第であり、日銀のETF買いへの期待感が下値を支えるが、全体としては方向感に欠ける展開となりそうだ。そして重要イベントを通過したことで、次の焦点は企業業績、特に17年3月期業績予想の増額修正に移る。

 増額修正を発表した銘柄を個別物色する動きが強まるのは当然だが、自動車セクターや電機・精密セクターなどの主力銘柄がドル高・円安を背景として、どの程度の増額修正に踏み切るのかが注目される。それが市場予想を上回るのか下回るのかによって、市場全体に与える安心感や失望感も大きく変化することになる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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