06月1週
【推移】

1日(月):
4週連続週足陽線、5か月連続月足陽線。月間上げ幅は1043円で株価が下げやすいとされ5月としては1994年以来、21年ぶりの大きさ。日経平均の続伸記録はバブル期の88年の13連続に次ぐ27年ぶりの長さ。年初来高値銘柄100以上は15日連続で、2年ぶり。5月営業日は18日で下落した日は2日だけ。しかし騰落レシオは120%以下。25日線からのかい離もプラス2.9%程度。過熱感はほとんどない。因みにTOPIXは4週続伸で累計88.04ポイント、5.6%上昇。
マザーズ指数は4週続伸で累計6.7%上昇。日経ジャスダック平均は4週続伸で累計5.3%%高。東証2部総合指数も4週続伸で累計2.8%上昇。月足ではTOPIXは5か月続伸で累計18.9%上昇。マザーズ指数は5.4%上昇。
日経ジャスダック平均は4か月続伸で13%上昇。東証2部総合指数は7か月続伸で累計20.4%上昇。日経平均株価は6円高の20569円と12日続伸。HIS・インプレスが上昇、ヤフー・JINが下落。

2日(火):
東証1部の時価総額は政府保有株を除いても601兆円。記録となった。NTレシオは12.25。昨年5月の12.20に近づいてきた。
松井証券信用評価損益率速報では、売り方マイナス14.750%。昨年はマイナス15.37%が記録。そして買い方はマイナス1.533%。昨年は2月4日のマイナス1.76%が記録。サイコロジカルは12勝無敗で100%。
図にすれば「●○○○○○○○○○○○○」。
サイコロの100%なんて滅多にお目にかかることはない僥倖。
それでも日経平均株価25日移動平均線からの乖離はプラス2.8%。前日がプラス2.9%だったから、25日線の上昇が大きいということ。
騰落レシオも112.73%と2%の低下。過熱と冷静が微妙の同居した格好。
主力中心の連騰は12でストップ。一方でサイバーセキュリティ関連、MERS(中東呼吸器症候群)関連など材料株が息吹の感。売買が交錯しながら正のスパイラルを描いているような気がする。
海外ではギリシャ問題のゆったりした推移がもどかしさを惹起。ECB理事会が開催予定だが、所詮のらりくらりの逃げ腰ギリシャは変わらないだろう。嘘つきチプラスを信用するのではなく、借金大魔王の手口を傍観するのが一番。市場からの「大変だ」の声はもう聞き飽きた。リーマンショックから7年。「騒がない、踊ろかない」ことの学習効果はもう浸透してもいいだろう。これは週末の雇用統計も同様。中国のGDP同様に所詮幻惑の数字と考えておけば良いだけのこと。報道の口車に乗せられて踊る方が間違っている。
何かイベントやポイントがないと報道も相場読みも難しいから持ち出しているだけのこと。ベージュック(米地区連銀報告)なんか見向きもされなくなった。その時々に都合のよい指標やイベントを持ち出すのは市場の常とう手段。そこに乗るからつけ込まれるし、驚くから宴の後が空しくなる。「その先」と「事の本質」を追求するクセは必要だろう。表面しか見ないから見間違えることが多い。
日経平均株価は26円安の20543円と13日ぶりの反落。エアーテック・ダイワボウが上昇、ブリジストン・テルモが下落。

3日(水):
株価は間違いなく上昇している。それは日経平均とかTOPIXとかの表面の数字だけではない。たとえば東証の1株当たり時価は、昨日1501.80円で1500円台に乗せてきた。東証1部の売買単価は1016円。2000年1月は1800円台→2004年4月300円台→2007年7月1400円台。直近は2013年1月の500円台から上昇してきた。あるいは東証1部の単純平平均株価は342.55円。2013年5月22日の333円はすでに抜いた。昨年10月17日に269,35円まで低下してからの復活。ただし06年2月は579円だったからまだまだ道半ば。次は08年6月の363.26円が当面の目標となる。
日経マーケット面では「株信用売り残拡大」の見出し。5月29日時点の売り残は8683億円。約15年ぶりの水準まで積みあがった。売り残は将来の買い戻し要因という指摘もある。
松井証券経由の信用売り残高は05年12月以来の高水準。このときは07年高値まで売り方の惨敗が続いた。全体では10年4月以来の売りの高水準。このときは売り方の勝利だったから一概に黒白は付けがたいところ。因みに信用買い残は2兆8866億円。直近ピークは今年1月の3兆2310億円。その前が2014年1月の3兆5241億円。ボトムは」2012年2月の1兆1154億円。リーマンショック以降は下限1兆2000億円、上限2兆円のレンジ。
アベノミクススタート以降は下限2兆6000億円、上限3兆5000億円のレンジ。少なくとも買い残は中期的には拡大した。一方の信用売り残。確かに2011年1月の8565億円、2012年4月の8850億円以来の高水準。
ボトムは2012年5月の4294億円、2013年6月の4242億円。これがレンジを抜けるのかどうかは結構興味深い。加えれば新高値更新銘柄は昨日233銘柄。17日連続で100日を越えた。直近の記録は2013年5月23日までの24日連続。13連騰が消えてもまだまだ見たい記録はある。そして今年は2日続落以上の下落はないという記録もある。
日経平均株価は69円安の20473円と続落。新高値は150銘柄。エアーテック・カーボンが上昇。富士通、ファナックが下落。

4日(木):
楽天が2000億円の公募増資を発表した。今年はJパワーやSUMCO、大成建設などが相次いで増資をしてきた。ここで考えておくべきは増資に対する規制概念の反転であろうか。バブル崩壊以降、特に21世紀は増資=1株利益の希薄化が常識となり公募増資は悪材料だった。しかし、本筋は増資=成長への道標。
日経でも指摘しているが「増資で財務戦略の自由度は高まり、将来のM&Aなど成長投資に、機動的に打って出る準備が整う。資本に厚みが増せば格付けの向上につながり今後の資金調達がしやすくなる」。本来、企業は資金調達の手段として上場しているのだから、増資は当たり前のこと。以前は増資資金で株式投資なんていう「財テク」増資もあった。まさに証券会社のやらずぶったくりみたいな増資だったかも知れない。しかし、今の増資は成長期待の増資。十年一日のごとく「増資は1株当たり利益の希薄」と言っていると取り残されようか。資金調達のスピード感の早さは、実は世界で動く企業にとっては当たり前。日本のように会議稟議で時間をかけているとそれこそ取り残される。戦っている企業にとって時間の遅さは致命的であることも間違いない。そして、株価は高値圏。当然ながら企業は資金調達に走ることは容易に想像できる。そうでなければ財務担当の能力は疑われるに違いない。
3日続落を避けるかのような日経平均14円高。これで今年は年末年始を除いて「3日続落なし」を継続。13日続伸だとその後の反動懸念が残るが、3日続落なら2日続落で買えばいいだけのこと。わかりやすい話でもある。ギリシャや上海や雇用統計といった可変動向よりもよほどリズムは取りやすそうな気がする。日経平均株価は14円高の20488円と3日ぶりの反発。新高値は200銘柄。ボルテージ・第一生命が上昇、楽天・三井ハイテクが下落。

5日(金):
日経1面では(2025年の東京圏、介護施設13万人分不足」の見出し。これをネガにとらえれば恐れられている介護難民は間違いなく登場するということに他ならない。一方でポジにとらえれば増資が相次いで軟調な値動きのREITが狙い目ということだろうか。今年1〜6月の累計調達額は約4700億円。昨年の同時期が3600円億円だったから3割増となっている。ホテル・物流センターそしてヘルスケアがターゲット。この問題を不動産業界が黙ってみている訳がなかろう。
連動するように、登場した「骨太の方針」。財政健全化が悲願なのは理解できる。しかしその対案は「後発薬の促進」とか「配偶者控除の見直し」。あるいは「高所得者の基礎年金の支給の一部停止」。年金をたくさん払った人の年金を一部減少。あまり払わなかった人は一応もらえるという方向。これはどう考えても不公平に思えるが違うのだろうか。そして登場したマイナンバー制度の本質。「個人の金融資産を把握し資産が多いほど医療や介護の自己負担を増加」。結局マイナンバーは所得と資産の把握と課税の強化というのが本質でしかない。「国滅びて山河なし」ではあるが「清き水では魚は住みにくい」になるのではなかろうか。高所得者、高資産家が棄民では、どこかおかしくなる。自助論との整合性はどこにあるのだろうか。
日経平均株価は27円安の20460円と反落。東電・ダイヘンが上昇。三菱UFJ・クミアイが下落。

(2) 欧米動向
IMFの面白い提言。
「米経済に著しい不確実性があり、FRBは利上げを2016年前半まで待つべき」。
背景としてアメリカそのもの経済への懸念をまとっている。
しかし実は利上げがもたらす国際金融市場への影響への懸念。
これを素直にFRBが聞くとは思えない。
FRBがIMFに言わせた訳でもなかろう。
日本の財務省マターだとしたら、余計なおせっかいでもあろう。

NYダウの夏相場のパフォーマンス。
過去20年間の騰落率では・・・。
6月マイナス0.6%(勝率45%)、
7月プラス1.5%(同65%8)、
8月マイナス1.04%(同55%)。
過去50年間。
6月マイナス0.36%(勝率46%)、
7月プラス0.75%(同55%)、
8月マイナス0.19%(同57%)。
過去100年間。
6月プラス0.41%(勝率49%)、
7月プラス1.51%(同62%)、
8月プラス0.91%(同61%)。

OECDは世界経済見通しを3.7%→3.1%に下方修正した。
背景は米国と中国。
ただし米国の低迷は一過性。
中心は中国の6%台への減速。
日本の2015年成長率も0.7%へと0.1%引き下げられたが2016年は1.4%。
0.4%の引き上げとなっている。
主要国の共通課題は「生産性の伸びの鈍化」と指摘されている。
そのために設備投資の増加が必要という論調。
しかし生産よりも需要の惹起の方がどう考えても必要だろう。
無理筋の論理のような気がする。
ECB理事会は量的緩和継続で着地。
失業率も11.1%で3年ぶりの低水準。
もっとも過去最高が2012年の12%台。
良くなったのかまだ悪いのかは微妙でもある。
しかし市場では金融緩和縮小観測が台頭し始めた。
アレッという感じで欧州までも病み上がりから健康体になったら、それこそ日本だけがジャブジャブ。
取り残されてマネー供給を継続していると、それこそバブルになるのではなかろうか。
ギリシャや雇用統計だけの狭い視点で見ていると間違えるのかも知れない。

(3)アジア・新興国動向
OECDの世界経済見通しで中国の成長率は6%台に低下。それでも見えないふりの構図。
少し注意が必要かもしれない。

【展望】
スケジュールを見てみると・・・
週末:G7サミット(ドイツ)
8日(月)1〜3月GDP改定値、景気ウォッチャー調査、中国貿易収支
9日(火) マネーストック、中国消費者物価、生産者物価
10日(水)機械受注、企業物価指数、米財政収支
11日(木)4〜6月法人企業統計調査、都心オフィス空室率、中国各種経済指標
12日(金)メジャーSQ、米ミシガン大学消費者信頼感、生産者物価

6月月足陽線基準は20569円(6月1日終値)
12月SQ値は17281円。
3月SQ値は19225円。
4月SQ値は20008円。
5月SQ値は19270円。

高値を目で追うのが習性だが、安値を目で追ってみると・・・。
5月7日19257円。
4月20日19474円。
4月1日18927円。
3月1日18577円。
2月3日17271円。
1月16日16592円。
昨年12月17日16672円。
そして10月7日14529円。
しいて言えば昨年9月25日16374円→10月17日14529円が押し目だったというのが結果論。
この間せいぜい10日ほどしか下げ相場がなかったのですから、押し目に出会わない確率は高かったようだ。
「常の相場に向かえ、乗るは大相場のみ。
通いの相場が逆張り、運びの相場は順張り」。
通いのレンジを超越して、まさに運びの相場になってきている。

1989年昭和バブルはNTTの上場がきっかけ。
2000年ITバブルはドコモの上場がきっかけ。
そして今年はJPの上場予定。
不思議な縁。

《年末へかけ相場を動かしそうなイベント》

6月:石油輸出国機構(OPEC)定例総会、主要7ヵ国(G7)首脳会議、FOMC、日本政府が成長戦略と財政健全化計画策定
7月:BRICS首脳会議、FOMC
8月:米カンザスシテイー連銀経済シンポジウム(ジャクソンホール)
9月:国連総会、米連邦公開市場委員会(FOMC)、自民党総選挙、日本郵政、ゆうちょ銀、かんぽ生命3社が東証上場見通し
10月:IMF・世界銀行年次総会、FOMC

11月:20ヵ国・地域(G20)首脳会議
12月:FOMC、スペイン総選挙、ASEAN経済共同体(AEC)発足

《過去の株価高値時との比較》

東証1部時価総額:
バブル高値(1989年12月)606兆円
ITバブル高値(2000年4月)466兆円
2015年5月606兆円
時価総額上位3銘柄:
89年 NTT、日本興業銀行、住友銀行
00年 ドコモ、NTT、トヨタ
15年 トヨタ、三菱UFJ、NTT
PER(株価収益率):89年61.7倍 00年132.5倍 15年17.6倍
PBR(株価純資産倍率):89年5.5倍 00年2.6倍 15年1.4倍
ドル=円:89年143.40円、00年105.47円、 15年123.47円
長期金利:89年5.62%、00年1.82%、15年0.39%
実質GDP:89年402兆円、00年474兆円、15年532兆円
日経平均:89年3万8915円、00年2万0833円、15年2万655円。

来週はメジャーSQ。
アベノミクススタート以降SQ値は切りあがってきた。
今の水準の2万円台を振り返ってみると4月が20008円。
これは抜けそうな気配。
その前は2000年4月の20305円。
その前は1997年6月の20838円。
2000年をキープして1997年に挑戦というところだろうか。
一方でTOPIXのSQ値。
1600ポイント台で決まれば07年10月(1671ポイント)以来のこと。


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