12月2週
今週の相場感
(2) 欧米動向
米投資雑誌「バロンズ」の2つのコラム。 一つ目は株式に関して「株高の季節到来か」。

多くのプロの投資家は年末までに株式市場の調整があるとみている、 予想というよりも望んでいるのかも知れない。 しかしその隔離はどんどん低くなっているようだ。 今年のクリスマスは空売りのポジションを建てたままの投資家を除けば (悪い子に石炭を配ると言われる)ブラックサンタからプレゼントをもらう人はいない。

あるインベストオフィサーのコメント。 「より多くの機関投資家が2013年の終了前に株を買う地合になった。 来年初めに第4四半期の投資家向けレターを出す際に 「株式に強気だったポートフォリオを投資家に示したいはずだ。 今年の雇用統計に関して、市場は弱いデータに対して上昇の反応を見せ、 強いデータに対して下落の反応を見せて投資家を困惑させてきた。 これはFRBによるQEが「良いニュースは悪材料」というひねくれた見方を育てたからだ」。 別の投資会社のコメント。 「株式市場は市場最高値にあるということ以外に懸念材料は見当たらない」。 1929年にも聞いたようなセリフだが・・・。

もうひとつは「金利は現在の水準で安定」という債券市場関係のもの。

夏も今も全く変わらないものは10年債券の利回り。 独立記念日明けの7月5日に2.74%でピークをつけ先週金曜m所2.74%。 その間横ばいだった訳ではなく9月2日に3%でピーク、10月31日に2.47%で底打ち。 レーバーデイとハロウインで反転した。 投資家は5月のバーナンキ発言にびっくりして市場から逃げ出した。 しかし今後緩和縮小は始まっても大きなショックは起こらないだろう。 突然の経済ショックによるインフレが起こらなければ問題ない。

株式畑も債券畑も強気の見方。 必ずどちらかが間違っている筈なのだが・・・。

(3)アジア・新興国動向 中国の各種経済統計の発表がある週。メキシコ経済の好調に注目する向きもある、
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
 9日(月)7〜9月GDP改定値、景気ウォッチャー調査、中国消費者物価、生産者物価
10日(火)法人企業景気予測、マネーストック、米3年国債入札、中国各種経済指標、EU財務相理事会
11日(水)機械受注、企業物価指数、米財政収支、10年国債入札
12日(木)都心オフィス空室率、米小売売上高
13日(金)メジャーSQ、日ASEAN特別首脳会議、米卸売物価


11月は月足陽線で着地。 日経平均は9.3%高で2ヶ月ぶりの反発。 TOPIXは5.4%高で3ヶ月続伸。 マザーズ指数は9.3%高で2ヶ月ぶりの反発。 日経JASDAQ平均は2.2%高で3ヶ月続伸。 東証2部指数は1.7%%高で2ヶ月ぶりの反発。 月間で見ると日経平均とマザーズ指数の上昇が目に付いた11月。 ということは・・・。 TOPIXの追撃があるのかどうかが今後の行方の鍵のはず。 日経平均株価が数字上NYダウを抜くかどうかなんていうのは瑣末な問題。 因みに日経平均の時価総額は445兆円。 こちらの500兆円台乗せの方が気にかかる。 あるいは単純平均株価は318.04円。 5月22日の333円を抜けるかどうか。 そして06年2月の579円に挑戦できるかどうか。 03年3月が308円だった。 当時の日経平均株価は7000円台後半。 ということは体感的には日経平均はまだ1万円にも届いていないというのが現実。 IT指数化したトガメでもあるのだろうが・・・。

東京市場。 年間上昇率は50%超。 戦後1位の上昇率は1952年の118%。 以下1972年91.9%→1951年62.9%→1960年55.1%。 日本列島改造論の昭和47年以来の上昇率。 課題はSQまでに16000円コールが踏まされるかどうかという声も聞かれる。 それでも自信がつかない不思議な市場。 そしててドル円相場は15.8%の下落で歴代2位。 1位は1979年の第2次オイルショック時の18.7%。 年末までの106.14円よりも円安ならば変動相場移行後のトップとなる。

メリルの「2014年日本株見通し」。 メインシナリオとしてはTOPIX1420ポイント、PER16倍程度、 ブルシナリオとしてはTOPIX1680ポイント、PER18倍程度。 ブリシナリオで33%の上昇、メインシナリオで13%の上昇を想定している。 今年の日経平均の上昇率は50%超。 日経平均の年間上昇率が40%を超えたのは1980年以降2回(1986年、2005年)だけ。

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