4月4週
今週の相場感
(2) 欧米動向
米投資雑誌「バロンズ」のコラムもややネガティブ。 題名は「日本の財政破綻はあるか、アベノミクスへの懸念」。

まだ4月にしか過ぎないが、投資家は今年最良の取引、 つまり日本当局が作り出した円の急落を利用する日本株投資から得られる最大の利益を

もう稼ぎ出してしまったかも知れない。 バンカメメリルのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏のコメント。 「安倍は資産バブル経済学(Asset Bubble Economics)の略ではないのか?」。 あるファンドマネージャーのコメント。 「円安になったら株は買い、と単純に考える『マクロ観光客』」。 日本の機関投資家は、海外に目を向け、外債に投資している。 日本国債の低い利回りを前にして、より高いリターンを求めて円建て資産の目減りを ヘッジしようとしている。 そしてあるファンドマネージャーのコメント。 「シナリオの終わりの始まり。 政府が大量国債の購入を発表した際よりも、国債利回りは上昇している。 日本の10-兆ドルあまりの債務は基本税収の4710億ドルの約24倍。 アメリカは6倍でしかない。 日本の税収は政府支出の半分しか賄えない。 これは年間4000億ドルのペースで債務が増えていることを意味している。 日本の利払い負担は年間1000億ドル程度。 しかし金利が1ポイント上昇すれば、利払い負担はさらに1000億ドル増加する。 日本はいずれアルゼンチンやユーロ圏危機も霞むほど深刻な危機に見舞われるかも知れない」。 結論=もしこれが現実化すれば1ドル=250円、金利は2ケタ。

圧倒的なネガティブ論理。 手放しの強気論に満ちるよりも市場の健康には良さそうだが・・・。 この国はそんな事態をまねくほど愚かではないと信じたいもの。

(3)アジア新興国動向
中国、ブラジルと新興国の株式は先進国株式と逆行しての軟調。マネーの流れの象徴のような印象。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
22日(月):コンビニ売上高、米中古住宅販売、シカゴ連銀全米活動指数
23日(火):米新築住宅販売、2年国債入札、中国HSBC製造業PMI
24日(水):3月企業向けサービス価格、米耐久財受注、5年国債入札、独IFO景況感指数
25日(木):米7年国債入札、韓国1〜3月GDP、英1〜3月GDP
26日(金):日銀金融政策決定会合、展望レポート、日銀総裁会見、全国消費者物価、米1〜3月GDP、個人消費、ミシガン大学消費者信頼感指数

NYは国債入札週。 週末の米GDPを待つという口実が多様されるのだろうか。

今後の新規投信設定を見てみると・・・。
22日国際「リスク、パリティ」、24日JPモルガン「JPM世界債券」、 メロン「米国投資適格社債」、グローバル「GSエマージング社債」 野村「カルミニヤック」、25日岡三「シェール関連株オープン」 東京海上「ジャパン・オーナーズ株式」、26日「カナダ高配当ツイン(毎月分配)」、 JP「環太平洋ディスカバリー」、三井住友「米国バンクローン」、 新光「日本株アクティブオープン(煌きの矢)」、 30日アムンディ「日本株成長戦略(りそなミクスはチカラもち)」、 1日明治安田「シェール関連日本株」、7日三井住友「総合債券型」。 依然として海外債券が目立つのと日本株はなぜな「シェールガス」の大流行。

日経の「わかる投資、相場用語のイロハ」。 昨日の第1回は「押し目買い」だった。 その解説。 「押し目を待っていても、自分より先に他の人に買われてしまえば、狙った価格で買うことは出来ない。 特に相場の勢いが強いと、そうなりがちで『押し目待ちに押し目なし』という格言もある」。 まさにこれを地で行く展開だった。 「おかしい。怪しい。変だ。に買い向かえ」という格言はないが・・・。

結局起こったことは債券でも株でもなく商品の世界の金の急落。 金を買い戻したかったり、投げたかったりした人たちの思惑だったという解釈になるのだろうか。 株は規制が厳しく為替は嘘をついてもいい世界。 商品は何をやっても許されるというのが妙に甦る。

各社の日経平均見通し。 大和16800円、野村16000円、日興15500円、GS16000円、 パリバ15000円、メリル13400円。

TOPIX見通し。 大和1400、野村1350、日興1350、GS1350、 シティ1100〜1400台、パリバ1300、MUFJ1270、メリル1120。 それぞれとってつけたような根拠はあるが、面白いのは大和。 為替の前提が1ドル95→100円に引き上げPERを14→15倍に引き上げている、。 ただしドル円が110円まで下落すれば日経平均見通しは19000円まで上昇するとのコメント。 相場見通しの根拠は自由。 それぞれのシナリオの違いに苦心の沙汰が見られる。 香港のヘッジファンドの連中ですらドル円120円、日経平均12000円といい始めているという。 根拠も自由なら、目標も自由。

※ 株式投資は全て自己責任でお願いします。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。