英明コラム 10月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》10月 第4週

 
23日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅続落。S&P500とナスダック総合は1%超の大幅安。週間ではNYダウは1.6%、S&Pは2.4%、ナスダックは3.2%下落。恐怖指数(VIX)は21%台で3月24日以来の高値を付けた。国債利回りが低下。中東情勢の悪化が懸念される中、資金が安全資産を求めたとの解釈。
 
日経平均株価は259円安の3999円と3日続落。前週末の米株式相場下落に日銀が金融政策を再修正するとの思惑が加わった格好。10年国債利回りの上昇も嫌気された。東証プライムの売買代金は2兆8792億円。8月29日以来の3兆円割れ。第一三共、資生堂が上昇。大平金、京成が下落。プライム市場の騰落レシオは75.07(前日81.49)。大発会が75.90%だったから今年最低。
 
24日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは4日続落、S&P500は小幅安。S&P500は200日移動平均を終値で2日連続下回った。一方、ナスダック総合は金利動向に敏感なモメンタム銘柄が主導して反発。8月のシカゴ連銀全米活動指数はプラス0.02。市場予想はマイナス0.14だった。
 
日経平均株価は62円高の31062円と4日ぶりに反発。一時下落幅が400円を超える場面があったが後場切り返した。前日までの3日続落で1000円あまり下落しており、下値では自律反発を見込んだ買いも見られた。「決算を発表したニデック株の急落は投資家心理を冷やした」という見方もある。東証プライムの売買代金は3兆7241億円。テルモ、資生堂が上昇。ダイキン、中外薬が下落。
 
25日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。「堅調な企業決算や業績見通しの上方修正が相次ぎ、投資家のリスク選好意欲が高まった」との解釈。株価が上がればこういう声が聞こえてくる。時間外取引ではマイクロソフトが上昇、アルファベットが下落。これまで決算発表を終えたS&P500構成企業118社のうち81%が市場予想を上回った。10月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.0。7月以来、3カ月ぶりの高水準。9月確定値は50.2だった。
 
日経平均株価は207円高の31289円と続伸。投資家のリスク回避姿勢が和らぎ幅広い銘柄で買いが優勢となり、前引けにかけて上昇幅を拡大したが大引けにかけて上昇幅は縮小。東証プライムの売買代金は3兆1379億円。信越化、トヨタが上昇。第一三共、ファナック下落した。
 
26日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。債券利回りの上昇を受け、金利が長期にわたり高水準に据え置かれるという懸念が再燃。所詮債券先か株が先かのニワトリとタマゴの状態。アルファベットが決算を受け急落。S&P500は終値で4200の節目を割り込んだ。ナスダック総合は2月21日以来の大幅な下落率。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)4.1%安。2022年12月22日以来の大幅安。一方、マイクロソフトは3.1%上昇。
 
日経平均株価は668円安の30601円と反落。米長期金利の上昇が相場の重荷との解釈。日経平均の下落幅は700円に迫った。東証プライムの売買代金は3兆2880億円。テルモ、郵船が上昇。ニデック、三菱重が下落。
 
27日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続落。業績見通しの視界不良や高金利長期化を巡る懸念が拡大。巨大テクノロジーなど超大型7銘柄から成る「マグニフィセント・セブン」が大幅安。FANG+インデックスは2.7%安。メタ・プラットフォームズは3.7%下落。キオクシアホールディングスとの経営統合交渉を打ち切ったと伝えられたウエスタンデジタルは9.3%急落。
 
日経平均株価389円高の30991円と反発。先物中心に買い戻しの動きとなった。東証プライムの売買代金は3兆5583億円。富士通、東エレ上昇。武田、キャノンが下落。
 
(2) 欧米動向
 
第3四半期の米国実質GDP速報値は年率換算で前期比4.9%増。
21年第4四半期以来約2年ぶりの高い伸びとなった。
景気後退懸念にもかかわらず、底堅い労働市場を背景に堅調な個人消費が主導。
市場予想の4.3%増も上回った。
経済活動の3分の2超を占める個人消費は4.0%増。
前四半期の0.8%増から大きく加速。
GDPで物価と可処分所得の伸びの鈍化が示されたことから政策金利はピークに近い水準との見方。
 
(3)新興国動向
 
先週の中国株は4日続伸。
中国工業部門の企業利益が2カ月連続で増加したことが好感された。
「政策措置も地合いの改善につながった」との解釈。
海外投資家はストックコネクト(株式相互取引)を通じて中国株を46億元(6億2860万ドル)買い越し。
買い越し額は2週間ぶりの大きさ。
 
【展望】
 
【10月】(6勝4敗:勝率60%)
戻り売り一貫。新安値は買い。
 
30日(月)日銀金融政策決定会合(→31日)、欧州冬時間入り、TOPIXパッシブ売買インパクト、株高の日L
31日(火)日銀展望リポート、失業率、鉱工業生産、消費動向調査、米FOMC(→11月1日)、S&Pコアロジック住宅価格指数、FHFA住宅価格指数CB消費者信頼感、ユーロ圏GDP速報値、中国製造業非製造業PMI、10月のアノマリーは「ハロウイーンに買って5月に売る」。
 
【11月】(過去10年は9勝1敗、勝率90%)
押し目買い人気と戻り売り人気の競合から下旬安。
アノマリーは「11月は中間決算ラッシュで大化け銘柄多数出現」。
 
1日(水) 米ISM製造業景況感、パウエルFRB議長会見、JOLTS求人件数、中国財新製造業PMI、株安の日、変化日
2日(木) マネタリーベース、米製造業受注、耐久財受注
3日(金) 文化の日で東京休場、米雇用統計、ISM非製造業景況指数、
5日(日) 米冬時間入り(→3月
6日(月) 11月3連休明けは株高の特異日
7日(火) 毎月勤労統計、家計調査、米消費者信用残高、貿易収支、中国貿易収支、下げの特異日、11月最弱の日
8日(水) 景気動向指数、株安の日
9日(木) 都心オフィス空室率、景気ウォッチャー調査、中国消費者物価、株安の日
10日(金)マネーストック、オプションSQ、米ミシガン大学消費者信頼感、財政収支、変化日、MSCI日本株指数リバランス発表
11日(土)中国独身の日
13日(月)国内企業物価、株安の日、11月最弱の日
14日(火)米消費者物価指数、独ZEW景況感、株高の日L、変化日
15日(水)実質GDP速報値、鉱工業生産、米小売売上高、生産者物価、NY連銀製造業景況感、中国各種経済指標、APEC首脳会合(→17日、サンフランシスコ)
16日(木)機械受注、米輸入物価、鉱工業生産、フィラデルフイア連銀景況感
17日(金)米NAHB住宅指数、住宅着工件数、ウィッチング
20日(月)変化日
21日(火)景気先行指数、株高の日L
22日(水)米中古住宅販売、中古住宅販売件数、耐久財受注、株高の日L、11月最強の日
23日(木)勤労感謝の日で東京休場、米感謝祭
24日(金)全国消費者物価、米製造業PMI、サービス業PMI、コンポジットPMI、ブラックフライデー、独IFO景況感、株安の日L
27日(月)11月最終日を含む週は株高アノマリー、米新規住宅販売、サイバーマンデー
28日(火)ケースシラー住宅価格、株高の日L
29日(水)国際ロボット展(ビッグサイト→12月2日)、CCB消費者信頼感、実質GDP改定値、株高の日L
30日(木)鉱工業生産、住宅着工件数、米ベージュブック、個人所得、PCEデフレーター、シカゴ購買部協会景気指数、COP28(UAE→12月12日)、変化日、MSCI日本株パッシブ売買インパクト
 


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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