英明コラム 6月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 6月第3週

12日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って小幅続伸。来週のCPI発表やFOMCを控え方向感が薄い展開。テスラが4.06%上昇し2021年1月以来の11日連騰。5月24日以降で約35%上昇した。テスラ株に対する空売りは224億3000万ドル相当で世界最大。
ただ「価格の調整は不可避」との見方を背景に4月以降空売りは積み上がっているという。2023年に新たに積み上がったテスラ株の空売りは1530万株(36億ドル相当)。過去30日間では空売りが130万株(3億0300万ドル相当)増加した。

日経平均株価は168円高の3万2434円と続伸。グロース株の一角に買いが集まり精密機器や電気機器の上昇が目立った」との解釈。TOPIXは続伸し年初来高値を更新。東証プライムの売買代金は3兆422億円。
アドテスト、東エレクが上昇。郵船、ファーストリテが下落。

13日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って大幅続伸。NYダウは4月28日以来の高値。NASDAQは22年4月以来の高値。S&P500節目の4300を上回り22年4月以来の高値。昨年10月安値から21%戻しており「強気相場に入った」との見方だ。空売り比率は45.3%→39.6%に低下。

日経平均株価は584円高の33018円と3日続伸。前日の米ハイテク株高を受け朝方から買い物優勢。心理的節目の3万3000円を超えた。TOPIXは続伸。東証プライム市場の時価総額は802兆円。東証プライムの売買代金は4兆1489億円。ファストリ、SBGが上昇。エーザイ、大ガスが下落。225の予想PERは15倍台

14日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500とNASDAQ総合は終値で1年2カ月ぶりの高値を更新した。「5月CPIの伸び鈍化を受けFOMCでの利上げ見送り」との見方。予定通りの進行という形。5月のCPIは前年比の伸び率が4.0%。4月の4.9%から大きく鈍化し2021年3月以来2年余りぶりの穏やかな伸びとなった。「インフレ率がピークから50%余り低下したことを強気材料とするか。インフレ率がFRBの目標の2倍以上の水準になおあることを弱気材料にするか。どちらにも解釈可能だ」という声もある。

日経平均株価は483円高の33502円と4日続伸。ファストリが株式分割考慮後の上場来高値を更新。トヨタも4%高となり、連日で年初来高値を更新。東証プライムの売買代金は4兆7554億円。SBG、信越化が上昇。第一三共、エーザイが下落。

15日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは一時400ドル近く下落。ただNASDAQとS&P500は5日続伸。NYダウだけを見て「急落」と判断するのは早計だろう。FOMCはFF金利の誘導目標を5.00─5.25%で据え置き昨年1月以来の利上げ見送りとなった。同時に、年末までに合計0.50%ポイントの利上げを実施する可能性を示唆。2023年末の政策金利は予想中央値で5.50─5.75%に引き上げられるとのシナリオ。ヘッジのための姿勢の印象に左右され株式市場は不安定な動きの中、商いが増加した。ドットチャートは言い訳つくりの感。

日経平均株価は16円安の3万3485円と小幅ながら5日ぶりに反落。日経平均は一時200円超上昇した局面もあったが大引けにかけては株価指数先物に散発的な利益確定売りが出た。TOPIXは5日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は4兆3825億円と3日連続で4兆円を上回った。ニコン、クボタは上昇。エーザイ。楽天が下落。

16日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の上昇。S&P500とNASDAQ総合は終値で1年2カ月ぶり高値を更新した。5月の小売売上高は予想外に増加。週間の新規失業保険申請件数は前週から横ばいなったが、市場予想を上回った。
5月の輸入物価指数は前年同月比で3年ぶりの大幅な下落。13日発表の消費者物価指数(CPI)も総合指数の伸び率が予想を下回っていた。
これらを受けて「年内の追加利上げへの懸念が和らいだ」との解釈。「市場はあと2回の利上げが控えているとは考えていない」という見方だ。

日経平均株価は220円高の33706円と反発。前場は反落の動きとなったが必休みに日銀が金融政策決定会合の結果を公表。現行の金融緩和策を維持。これを好感したような格好で切り返した。東証プライムの売買代金は5兆5600億円。キヤノン、三菱商事が上昇。積水ハウス、ソシオネクストが下落。



(2) 欧米動向

米国市場の週末は強烈な商いだった。
事前にブルームバーグが報じていた記事。
かなりの玉移動だった。

極めて多くのオプションが16日に期限を迎え、投資家は新たな難題に直面する。
強気のデリバティブ(金融派生商品)で利益を追求するか、値下がりを見越しヘッジするかを迫られる。
株式や指数に関連する契約約4兆2000億ドル(約589円)相当が満期を迎える予定。
1年前より20%多い。

(3)新興国動向

中国国務院(内閣に相当)は16日の会合で、経済成長を促進するための方策を議論。
コロナ後の景気回復に失速の兆候がみられるなか時宜を得た政策措置を打ち出す方針を示した。
会合では、テクノロジー企業への融資支援を強化する計画や、民間ファンドを監督するための規則案も承認。


【展望】

【6月】(5勝5敗:勝率50%)
上旬は買い方針。中旬から買い警戒。夏至節を目途に売りに転ずべし。

19日(月)首都圏マンション発売件数、米NAHB住宅市場指数、奴隷解放記念日でNY休場
20日(火)米住宅着工件数、建設許可件数
21日(水)通常国会会期末、日銀金融政策決定会合議事要旨 上げの特異日
22日(木)米1−3月経常収支、中古住宅販売、英金融政策委員会、ゴルフ全米女子プロ(→25日)、端午節(→6月23日)
23日(金)消費者物価、au自分銀行製造業PMI、米S&Pグローバル製造業PMI
24日(土)G7男女共同参画・女性活躍相会合(日光→25日)
27日(月)米耐久財受注、S&P住宅価格指数、 FHFA住宅価格指数、CB消費者信頼感
28日(水) e スポーツビジネス EXPO(→30日東京ビッグサイト)
 国内最大級のスタートアップイベント「IVS」(京都→30日)、大幅高の特異日
29日(木)消費動向調査、米1−3月GDP確定値、EU首脳会議(ブリュッセル→30日)、上げの特異日、変化日、東証REITCore指数パッシブ売買インパクト
30日(金)失業率、東京都区部消費者物価、米個人所得、中国コンポジットPMI、製造業PMI、6月最強の日

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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