英明コラム 6月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 6月第2週
 
5日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅続伸。上院は債務上限停止法案を63対36の賛成多数で可決。デフォルト(債務不履行)を土壇場で回避。5月の雇用統計で非農業部門雇用者数は33万9000人増。市場予想の19万人増を大幅に上回った。一方、失業率は3.7%と7カ月ぶり高水準を記録。
NASDAQは取引時間中に13カ月ぶりの高値を更新。2020年1月以降で最長の6週連続高を記録した。
 
日経平均株価は693円高の32217円と高値引けで3日続伸。米連邦政府の上限を停止する法案が上下両院で可決したことを好感。1ドル140円台の円安トレンドも好材料視された。東証プライムの売買代金は3兆8712億円。ファストリテ、ファナックが上昇。楽天、東電が下落。
 
6日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って3日ぶりに反落。アップルは年次開発者会議を控え取引時間中に最大2.2%上昇し過去最高値を更新。ただ、終値は0.8%安と結局マイナス圏で引けた。ISM非製造業総合指数は50.3と、4月の51.9から低下。新規受注が鈍化し、支払い価格指数が3年ぶりの低水準となった。「FRBが利上げを停止する可能性がある」との見方が高まった。日経平均株価は289円高の32506円と4日続伸。前日に今年最大の上げ幅を記録した反動で利益確定目的の売りが先行。すぐに下げ渋り、上昇に転じた。後場は一段高。日中値幅は約600円で1月18日の604円以来の大きさ。
東証プライムの売買代金は3兆4501億円。三菱商事、東エレが上昇。アドバンテスト、オリンパスが下落。
 
7日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って小幅反発。FOMCでの金利据え置き予想を背景に落ち着いた展開。「誰もが上位7銘柄程度に集中していたような状況は少し解消され始めた」との声もある。債券市場は来週の消費者物価指数(CPI)とFOMC待ちの状態。FRBが政策金利を据え置く確率は79.4%。
 
日経平均株価は593円安の31913円と安値引けで5日ぶりに反落。下落幅は今年2番目の大きさ。日経平均は朝方に200円超上昇した後、9時半頃に下落に転じると急速に売りが膨らんだ。日中値幅(高値と安値の差)は794円で日中値幅として今年最大。東証プライムの売買代金は4兆3061億円。スズキ、川重が上昇。ダイキン、HOYAが下落。
 
8日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは続伸したがS&P500とナスダック総合は反落。「CPIやFOMCを控え利益確定の動き」との解釈だが事実は不明。大型グロース株が軟調な中、小型株で構成されるラッセル2000指数は1.78%上昇。
 
日経平均株価は272円の31641円27銭と続落。日中値幅は615円。グロース(成長)株を中心に売り物優勢の展開。東証プライムの売買代金は3兆7169億円。エーザイ、ルネサスが上昇。レーザーテック、キーエンスが下落。
 
9日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。ハイテクセクターが上昇をけん引。恐怖指数(VIX)は13.65とコロナ後の最低水準を更新した。国際通貨基金(IMF)は「金融政策の軌道を維持し、インフレとの戦いで引き続き油断しないように」と世界各国の中銀に対して要請。
 
日経平均株価は623円高の32265円と3日ぶりに反発。「SQ後に相場が下落するとみていた向きが前々日あたりから売りを出していた。想定よりも相場が強く買い戻しを迫られた」との解釈。暫定SQ値は32018円38銭で「幻」脱却。東証プライムの売買代金は4兆3608億円。第一三共、ダイキンが上昇。NTN、積水ハウスが下落。
空売り比率は45.3%(前日42.2%、13日連続で40%超)。5月11日の48.3%以来の高水準。空売り規制なしの銘柄の比率16.1%(前日10.2%)と上昇。2日連続2ケタ。3月10日が18.4%だった。売り方も相当頑張ったがココが限界だった印象。
 
(2) 欧米動向
 
世界銀行は世界経済見通しを発表。
2023年の実質GDP(国内総生産)成長率予測は2.1%。
今年1月公表の前回予測の1.7%から上方修正した。
一方、24年の成長率見通しは2.4%と前回予測の2.7%から下方修正。
主要中央銀行による政策金利の上昇が予想されていたよりも大きく足を引っ張ると分析。
金融引き締めの強化の影響で、特に企業の設備投資や住宅投資が減っていると指摘した。
25年の成長率は3.0%に回復すると予測。
米国の23年の成長率見通しは1.1%。
前回予測の0.5%から引き上げた。
24年見通しは0.8%と、前回予測の1.6%から半減した。
ユーロ圏の23年成長率見通しは0.4%。
前回予測の横ばいから引き上げた。
日本の23年成長率予測は0.8%と0.2%引き下げ。
24年予測は0.7%、25年予測は0.6%。
 
(3)新興国動向
 
世界銀行の経済予測で中国の23年の成長率予測は5.6%。
前回予測の4.3%から上方修正。
24年見通しは5.0%から4.6%へ引き下げた。
 
【展望】
 
【6月】(5勝5敗:勝率50%)
上旬は買い方針。中旬から買い警戒。夏至節を目途に売りに転ずべし。
 
 
12日(月)国内企業物価指数、工作機械受注、米財政収支
13日(火)4−6月法人企業景気予測調査、米FOMC(→14日)、消費者物価、独ZEW景況感、ゲーム見本市「E3](ロスアンゼルス→16日)
14日(水)米パウエルFRB議長会見、生産者物価、「サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム」(ロシア→17日)、変化日
15日(木)日銀金融政策決定会合(→16日)、機械受注、貿易統計、第三次産業活動指数、 米輸出入物価、NY連銀製造業景況感、フィラデルフィア連銀製造業景況感、鉱工業生産、 対米証券投資、ECB理事会、中国各種経済指標、ゴルフ全米オープン(→18日)
16日(金)植田日銀総裁会見、「骨太の方針」閣議決定予定、NY連銀ビジネスリーダーズサーベイ、ミシガン大学消費者信頼感、クアドラプル・ウィッチング、G7交通相会合(志摩→18日)、株安の日L、FTSE日本指数パッシブ売買インパクト
19日(月)首都圏マンション発売件数、米NAHB住宅市場指数、奴隷解放記念日でNY休場
20日(火)米住宅着工件数、建設許可件数
21日(水)通常国会会期末、日銀金融政策決定会合議事要旨 上げの特異日
22日(木)米1−3月経常収支、中古住宅販売、英金融政策委員会、ゴルフ全米女子プロ(→25日)、端午節(→6月23日)
23日(金)消費者物価、au自分銀行製造業PMI、米S&Pグローバル製造業PMI
24日(土)G7男女共同参画・女性活躍相会合(日光→25日)
27日(月)米耐久財受注、S&P住宅価格指数、 FHFA住宅価格指数、CB消費者信頼感
28日(水) e スポーツビジネス EXPO(→30日東京ビッグサイト)、国内最大級のスタートアップイベント「IVS」(京都→30日)、大幅高の特異日
29日(木)消費動向調査、米1−3月GDP確定値、EU首脳会議(ブリュッセル→30日)、上げの特異日、変化日、東証REIT Core指数パッシブ売買インパクト
30日(金)失業率、東京都区部消費者物価、米個人所得、中国コンポジットPMI、製造業PMI、6月最強の日


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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