【寄り付き概況】
10日の日経平均株価は、前日比53円87銭高の4万3513円16銭と反発して取引を開始。
前日の欧州株市場では各国の株価が高安まちまちとなり、仏CAC40が続伸したものの、独DAXは反落となった。欧州各国の長期金利が軒並み上昇する展開で警戒されている。一方、米国株市場ではNYダウが続伸し史上最高値を更新、ナスダック総合株価指数は連日の最高値更新となっており、これは東京株式市場にも追い風となる。
この日発表された雇用統計の年次改定が大幅に下方修正され、FRBによる早期利下げ思惑が高まるとともに来週行われるFOMCで0.5%の利下げの可能性も意識され、全体相場の押し上げ材料となった。
ただ、今週は米国で10日に8月の生産者物価指数、11日に消費者物価指数の発表が予定されており、これを前に日経平均の上値も重そうだ。
東証株価指数(TOPIX)は小幅に上昇している。
個別では、東エレク、コナミG、フジクラが高い。一方、ファストリ、ダイキン、テルモ、トヨタが安い。
10日の東京株式市場は、もみ合い展開となりそう。
日経平均株価の予想レンジは、4万3200円-4万3800円を想定。(8日終値4万3459円29銭)
米国株は上昇。ダウ平均は196ドル高の45711ドルで取引を終えた。
きのう9日の日経平均株価は、取引時間中の史上最高値を更新したものの、短期的な過熱感が警戒されるなか、利益確定売りに押された。現地9日の米国株高を背景に押し目を拾う動きが想定されるが、急ピッチな上昇の反動も警戒され、売り買いが交錯する展開が見込まれる。
為替相場は、ドル・円が1ドル=147円台の半ば(9日は147円22-24銭)と小動きの一方、ユーロ・円が1ユーロ=172円台の半ば(同173円00-04銭)とやや円高方向にある。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、9日の大阪取引所清算値比65円安の4万3495円だった。
【好材料銘柄】
■SHIFT <3697>
日本経済新聞社が日経平均株価の構成銘柄の定期入れ替えを発表。10月1日からSHIFTを新規採用する一方、シチズン時計 <7762> を除外する。
■アクシージア <4936>
前期経常を61%上方修正。
■コンヴァノ <6574>
新たに総額200億円のビットコインを購入することを決定。また、東証が9日売買分から信用取引の臨時措置を解除する。日証金も増担保金徴収措置を解除。
■京都きもの友禅ホールディングス <7615>
アトス・キャピタルが8日付で大量保有報告書を提出。アトスキャピタルの京都友禅HD株式保有比率は9.08%となり、新たに5%を超えたことが判明した。
【主な経済指標・スケジュール】
10(水)
【国内】
5年国債入札
《決算発表》
ANYCOLOR、テンポスHD、サトウ食品、pluszero、サムコ、あさくま、ステムリム、トビラシステム、神島化、Casa、浜木綿、ギグワークス、ユークス、モイ、ベストワン、ハウテレビ
【海外】
中国8月生産者物価指数(PPI)(10:30)
中国8月消費者物価指数(CPI)(10:30)
米8月生産者物価指数(PPI)(21:30)
米10年国債入札
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
09月09日 NY株/欧州株概況
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【市況】196ドル高と続伸、利下げ観測で最高値 |
・・・続き
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9日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比196ドル39セント(0.43%)高の4万5711ドル34セントで終え、過去最高値を更新した。最高値の更新は8月28日以来。米雇用統計の年次改定を受けて9月の米利下げ再開がほぼ確実視されたことが買い安心感につながった。値がさ株のユナイテッドヘルス・グループも指数を押し上げ、ダウ平均は午後に上げ幅を広げた。
米労働省は、雇用統計の年次改定で、基準となる2025年3月時点の非農業部門就業者数を従来から91万1000人下方修正したとの暫定的な見直し結果を発表した。労働市場の勢いがこれまで公表されていたよりも弱かったことが浮き彫りとなり、米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決め、0.25%の利下げを年内合計2〜3回を実施するとの観測が強まった。
利下げを再開するとの期待を下支えした。
主要株価指数は下げに転じる場面もあった。雇用統計の改定値を受けて米景気懸念が強まった一方、0.5%といった大幅利下げ観測は広がらず、投資家心理を冷やした。主要指数は高値圏で推移しており、主力銘柄には利益確定売りが出やすかった。
午後にかけては買いの勢いが強まり、ダウ平均は引け間際に250ドル近く上げる場面があった。ユナイテッドヘルスが8%あまり上昇し、ダウ平均を約170ドル押し上げた。投資家向け説明会にあわせて今期の収益見通しを据え置くと米証券取引委員会(SEC)に届け出た。公的医療保険事業の加入者構成についても言及があり、同事業の先行き不透明感が和らいだとの見方もあった。
ダウ平均ではゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株も買われた。シェブロンやIBMも高かった。一方、シャーウィン・ウィリアムズやキャタピラー、ホーム・デポなど景気敏感株が売られた。同日開いたイベントで「iPhone17」を発表したアップルも下げた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比80.790ポイント(0.37%)高の2万1879.489で終え、連日で最高値を更新した。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが高い。マイクロソフトに人工知能(AI)インフラを供給する契約を結んだオランダのネビウス・グループが急伸し、AI向けクラウドのコアウィーブなども買われた。
S&P500種株価指数は続伸した。前日比17.46ポイント(0.26%)高の6512.61で終え、4日以来、3営業日ぶりに最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
9日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比475円安の4万3495円で終えた。この日は米3主要株価指数が最高値を更新したものの、日経平均株価が利益確定の売りに押されて下落したため、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
43495 ( -65 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
43495 ( -65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
9日の英FTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比21.09ポイント(0.22%)高の9242.53で終えた。資源大手の英アングロ・アメリカンが前日比9%高と大幅に上昇するなど資源の関連銘柄に買いが優勢で、指数を支えた。石油株も上昇した。
FTSEの構成銘柄では、アングロ・アメリカンは9日にカナダの鉱山会社テックリソーシズとの合併計画を公表したことが支援材料となった。成長期待に加え、特別配当の実施方針を示したことも好感され9.07%高と急伸し、グレンコアが5.29%高、通信大手エアテル・アフリカが3.71%高で続いた。一方、ロンドン証券取引所グループは4.69%安、システムキッチンメーカーのハウデン・ジョイナリーは2.92%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションは2.18%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
9日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比88.68ポイント(0.37%)安の2万3718.45で終えた。持ち高調整などを目的とした売りに押された。企業のM&A(合併・買収)案件をきっかけとした英国株相場の上昇が投資家心理の支えとなりDAXは前日終値を上回って推移する場面があるなど、明確な方向感を欠く展開だった。
個別では、医療機器のザルトリウスが1.92%高、ドイツ銀行が1.68%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが1.65%高と買われた半面、自動車大手BMWは4.16%安、化学品商社ブレンタークは2.64%安、コメルツ銀行は2.32%安と全体を押し下げた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は小幅に続伸し、前日比0.18%高で終えた。フランスでは前日の国民議会(下院)での信任投票の結果を受けてバイル首相が9日、辞表を提出した。政治や財政の先行きに懸念は根強いものの、おおかたの市場参加者が想定していた通りだとの受け止めが聞かれる。いまのところフランスの株式や国債などを積極的に売る展開とはなっていない。9日、BNPパリバやソシエテ・ジェネラルといった仏金融機関の株価は上昇した。