
前日の米国株市場がレーバーデーの祝日で休場だったことで手掛かり材料難のなかも、前日の急落の反動でリバウンド狙いの買いを誘導し、日経平均、TOPIXともに上昇して取引を終えた。
半導体関連は冴えない値動きの銘柄が多かったが、一方で商社株や海運株などバリュー株に強い銘柄が目立ち、全体相場を支える格好になった。日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。
取引時間中に石破茂首相の自民党両院議員総会での発言を受け、退陣の可能性が低くなったとの見方が広がり、全体相場が軟化する場面もあったが、引けにかけて買い直された。売買代金上位の主力銘柄は値を下げる動きが目立ったものの、プライム市場の値上がり銘柄数は1000を上回り全体の63%を占めた。なお、売買代金は盛り上がりを欠き8月22日以来7営業日ぶりに4兆円台を下回った。
1日の米市場がレーバーデーの祝日休場で手掛かり難の中、同日の欧州株式相場の上昇を支えに、日本株には自律反発を見込んだ買いが入った。三菱商や三井物、伊藤忠が買われたほか、郵船などの上昇が目立った。相対的に配当利回りが高い銘柄の一角には月末の配当の権利取りに向けた買いが活発になっているとの見方があった。
外国為替市場で円相場が対ドルで弱含み、自動車株の一角にも買いが優勢だった。
前日に大幅安となったハイテク株では、東エレクやフジクラが小幅に上昇したが、ディスコやレーザーテクは下げて高安まちまちだった。これまでの株価の上昇で人工知能(AI)関連を中心に過熱感が強く、これら銘柄には前日の急落を受けた自律反発狙いの買いの勢いは限られた。
石破茂首相は2日、自民党の両院議員総会で参院選大敗について陳謝した。自身の責任について「責任から逃れず、しかるべき時にきちんとした決断をする」と述べた。市場の一部では石破首相が退陣して、次の首相がより財政拡張的な政策を打ち出せば、株高につながるとの思惑があったため、株式には売りが強まる場面があった。
日経平均は下値支持線として意識される25日線を割り込むと、押し目を拾う動きが見られ、同線を維持して終えたことは評価できよう。また、米著名投資家の株式買い増しが判明した商社株が堅調なうえ、国内長期金利を背景にした利ざや改善期待から金融株も値を上げるなどバリュー株物色が旺盛で、全般は底堅い展開だった。
PER面から見た割安感の乏しさなどから勢いよく上げる展開は望みにくいが、9月相場は安定的かつ緩やかな上昇基調を描きそうだ。