22日の東京株式市場は、上値の重い展開となりそう。
日経平均株価の予想レンジは、4万2300円-4万2900円を想定。(21日終値4万2610円17銭)
NYダウ平均は152ドル安の44785ドルで取引を終えた。
日経平均株価はきのう21日に3日続落となり、終値ベースで1100円を超える下落となった。また、25日移動平均線とのかい離率も18日の6.4%から2.7%まで縮小。短期的な過熱感が和らぎ、押し目買いが相場を支えるとみられる。
為替相場は、ドル・円が1ドル=148円台の前半(21日は147円58-59銭)と円安方向にある一方、ユーロ・円が1ユーロ=172円台の前半(同172円04-08銭)と小動き。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、21日の大阪取引所清算値比40円高の4万2650円だった。
【好材料銘柄】
■アイビーシー <3920>
(株)光通信 <9435> グループ会社の光通信(株)が21日付で大量保有報告書を提出。光通信(株)のアイビーシー株式保有比率は5.12%となり、新たに5%を超えたことが判明した。
■シンプレクス・ホールディングス <4373>
ステーブルコイン発行・償還システム「Simplex Stablecoin」と米Ava Labs が提供するブロックチェーンインフラサービス「AvaCloud」を組み合わせ、金融サービス水準の可用性と低レイテンシの実現に向けた実証実験を実施。
■アクリート <4395>
先端的な量子暗号通信技術に強みを持ち、公共の安全と国家安全保障のためのAIソリューションを開発する米Forward Edge-AIと資本業務提携に向けて基本合意。ソリューション事業の一環としてセキュリティ分野への本格参入を図る。
■トビラシステムズ <4441>
株主優待制度を新設。毎年10月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、迷惑電話・迷惑SMS対策アプリ「トビラフォンモバイル」を1年間無料で利用できる株主優待を実施する。
■トーソー <5956>
発行済み株式数(自社株を除く)の0.56%にあたる5万株(金額で3000万円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は8月22日から26年3月31日まで。
■カネミツ <7208>
今期配当を5円増額修正。
■W TOKYO <9159>
定款の一部を変更。事業目的に「暗号資産の売買、保有、投資、運用」を追加する。
【主な経済指標・スケジュール】
22(金)
【国内】
7月全国消費者物価指数(CPI)(8:30)
【海外】
パウエルFRB議長講演(23:00 ジャクソンホール会議)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
21日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比152ドル81セント安の4万4785ドル50セントで終えた。四半期決算を発表したウォルマートが大幅に下落した。ほかの消費関連株も連れ安して相場の重荷となった。半面、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演を控えて様子見の投資家も多く、下値は限られた。
カンザスシティー連邦準備銀行が主催する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」は21~23日に西部ワイオミング州で開催される。投資家らは22日のパウエル議長の講演を注視しており、積極的な取引が控えられた。同氏が利下げ再開時期についてどの程度示唆するのか関心が集まっている。
またカンザスシティー連銀のシュミッド総裁は21日、CNBCテレビのインタビューで、9月半ばの連邦公開市場委員会(FOMC)までに発表される経済指標を見極める考えを示した。
ウォルマートは4.4%安で終えた。21日発表の2025年5〜7月期決算で1株利益が市場予想を下回った。トランプ米政権による関税引き上げを背景に輸入品の値上げ圧力が強まるなか、低価格を維持するために一部を自社で吸収した。貿易政策が利益を圧迫しているとの見方が広がり、嫌気された。
一方、ウォルマートの売上高は前年同期に比べて増加した。市場では「中所得者層が(低価格戦略を掲げる)ウォルマートに流れている可能性があり、消費の弱含みを示唆している」との見方があった。ホーム・デポやウォルト・ディズニーなど消費関連株が下げ、ダウ平均を下押しした。
ダウ平均の構成銘柄では他にIBMやシャーウィン・ウィリアムズ、アマゾン・ドット・コム、キャタピラーが下げた。半面、メルクやシェブロン、ユナイテッドヘルス・グループは上昇した。
ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比72.545ポイント(0.34%)安の2万1100.312で終えた。メタプラットフォームズやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下げた。FRBの金融政策が不透明ななか、相対的に割高感のあるハイテク株が売られやすかった。
S&P500種株価指数は5日続落し、前日比25.61ポイント(0.40%)安の6370.17で終えた。5日続落は24年12月〜25年1月以来、約8カ月ぶりとなる。
NYダウ 44785.50 ( -152.81 )
S&P500 6370.17 ( -25.61 )
NASDAQ 21100.31 ( -72.54 )
米10年債利回り 4.328 ( +0.033 )
NY(WTI)原油 63.52 ( +0.31 )
NY金 3381.6 ( -6.9 )
VIX指数 16.60 ( +0.91 )
【シカゴ日本株先物概況】
21日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比185円安の4万2650円で終えた。この日は日米で株式相場が下げており、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
42650 ( +40 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
42670 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
21日の英FTSE100種総合株価指数は4日続伸し、前日比21.06ポイント(0.22%)高の9309.20で終えた。9300台で終えるのは初めてで、2024年末と比べ約14%高い水準となる。21日に発表された英景気指標を受け、英景気減速への懸念が後退した。
英統計局が21日公表した7月の公的部門の純借入額が市場予想より少ない水準に抑えられ、財政悪化への警戒感がやや和らいだのも投資家の安心感につながった。英航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスなど、前日まで利益確定売りに押されていた航空・防衛関連の銘柄が買われた。
FTSEの構成銘柄では、産金大手エンデバー・マイニングが2.33%高、航空・防衛大手BAEシステムズが1.88%高、同業バブコック・インターナショナル・グループが1.74%高と上昇。半面、再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルは2.38%安、資産運用大手シュローダーは1.86%安、住宅大手パーシモンは1.82%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
21日のドイツ株価指数(DAX)は横ばい圏で終えた。終値は前日比16.37ポイント(0.06%)高の2万4293.34だった。市場の関心は21日から米ワイオミング州で開かれる経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」に集まっている。同会議に出席する各国中銀トップらの発言内容を確認したいと、投資家の様子見姿勢が強かった。
米国と欧州連合(EU)は21日、貿易協議に関する共同声明を公表した。7月の合意内容を明確にするもので、米関税政策を巡る先行きの不確実性が薄れるとの安心感につながった。
個別では、防衛大手ラインメタルが3.52%高、コメルツ銀行が2.83%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが1.37%高となった一方、郵便・物流大手ドイツポストは2.07%安、化粧品大手バイヤスドルフは2.06%安、医療機器のザルトリウスは1.82%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数であるCAC40は続落し、前日比0.43%安で終えた。