12日の東京株式市場は、堅調な展開か。
日経平均株価の予想レンジは、4万1700円-4万2400円を想定。(8日終値4万1820円48銭)
東京株式市場が休場の間の米国株は、9日は上昇し、11日は下落した。ダウ平均は9日は206ドル高となり、11日は200ドル安の43975ドルで取引を終えた。
現地8日にナスダック総合指数が史上最高値を更新。週明け11日は反落したが、同指数の強い基調を追い風に、東京株式市場も買い優勢スタートとなりそうだ。
為替相場は、ドル・円が1ドル=148円台の前半(前週末8日は147円31-33銭)、ユーロ・円が1ユーロ=172円台の前半(同171円76-80銭)と円安に振れている。輸出関連銘柄を中心にしっかりした値動きも見込まれる。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、同8日の大阪取引所清算値比475円高の4万2295円だった。
【好材料銘柄】
■東亜建設工業 <1885>
4-6月期(1Q)経常は2.6倍増益で着地。
■日本ドライケミカル <1909>
上期経常を30%上方修正・2期ぶり最高益更新へ。
■林兼産業 <2286>
4-6月期(1Q)経常は23倍増益で着地。
■芦森工業 <3526>
豊田合成 <7282> がTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指す。TOB価格は1株4140円で8日終値を43.75%上回る水準。買い付け期間は8月12日から9月24日まで。
■ネクストジェン <3842>
4-6月期(1Q)経常は16倍増益で着地。
■パシフィックシステム <3847>
太平洋セメント <5233> がTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指す。TOB価格は1株6850円で8日終値を30.5%上回る水準。買い付け期間は8月12日から9月24日まで。
■児玉化学工業 <4222>
4-6月期(1Q)経常は黒字浮上で着地。
■クラスターテクノロジー <4240>
上期経常を55%上方修正・14期ぶり最高益、通期も増額。
■アテクト <4241>
4-6月期(1Q)経常は16%増益で着地。
■アンジェス <4563>
HGF遺伝子治療用製品の米国での開発方針を決定。また、独ベーリンガー・インゲルハイム・バイオファーマシューティカルズ社と同製品の原薬供給に関する契約締結に向けた最終調整を進める。上期最終は赤字拡大で着地。
■フォーカスシステムズ <4662>
4-6月期(1Q)経常は2.6倍増益で着地、今期配当を4円増額修正。
■ジャストシステム <4686>
4-6月期(1Q)経常は24%増益で着地。
■サイバーエージェント <4751>
今期経常を57%上方修正。
■STG <5858>
4-6月期(1Q)経常は2.3倍増益で着地。
■サンコール <5985>
今期経常を一転46%増益に上方修正・12期ぶり最高益、配当も5円増額。
■ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ <6090>
今期経常は25%増で4期ぶり最高益、3円増配へ。
■NITTOKU <6145>
今期経常を45%上方修正、配当も8円増額。
■AIメカテック <6227>
今期経常は21%増で2期連続最高益、5円増配へ。また、海外の大手半導体関連メーカーから大口受注を獲得。受注内容はウエハハンドリングシステム(約155億円)、パネルハンドリングシステム(約25億円)。いずれも26年6月期と27年6月期に売上計上する予定。
■テクノスマート <6246>
4-6月期(1Q)経常は3.3倍増益で着地。
■明治機械 <6334>
今期最終を57%上方修正。
■桂川電機 <6416>
MBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化を目指す。田代雅也取締役が代表を務めるLemoがTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOB価格は1株960円で8日終値を32.8%上回る水準。買い付け期間は8月12日から9月24日まで。
■宮越ホールディングス <6620>
中国・深センの「ワールド・イノベーション・センター」プロジェクトに関する実質的な開発許可を取得。26年3月の着工、30年のグランドオープンを目指す。完成後の不動産評価額は約3010億円。
■バッファロー <6676>
発行済み株式数(自社株を除く)の7.86%にあたる100万株(金額で35億円)を上限に自社株買いを実施する。また、株主優待制度を新設。毎年9月末と3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有期間に応じて3000~5000円相当のデジタルギフトを年2回贈呈する。4-6月期(1Q)経常は2.1倍増益で着地。
■シャープ <6753>
今期経常を一転53%増益に上方修正。
■精工技研 <6834>
4-6月期(1Q)経常は2.5倍増益で着地。
■新電元工業 <6844>
上期経常を6.3倍上方修正、通期も増額。
■ジオマテック <6907>
上期経常を一転86%増益に上方修正、通期も増額。
■日本アンテナ <6930>
4-6月期(1Q)経常は黒字浮上・上期計画を超過。
■アルー <7043>
上期経常は黒字浮上・通期計画を超過。
■東京ラヂエーター製造 <7235>
4-6月期(1Q)経常は83%増益で着地。
■ミクニ <7247>
4-6月期(1Q)経常は52%増益で着地。
■オーバル <7727>
4-6月期(1Q)経常は2.9倍増益で着地。また、発行済み株式数(自社株を除く)の9.82%にあたる220万株(金額で8億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は8月18日から26年8月17日まで。
■ヨネックス <7906>
4-6月期(1Q)経常は59%増益で着地。
■セイコーグループ <8050>
今期経常を4%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も10円増額。
■極東貿易 <8093>
4-6月期(1Q)経常は2.1倍増益で着地。
■ミツウロコグループホールディングス <8131>
4-6月期(1Q)経常は3.1倍増益で着地。
■サンリオ <8136>
上期経常を27%上方修正・最高益予想を上乗せ、通期も増額、配当も6円増額。
■ラックランド <9612>
上期経常を一転27%増益に上方修正・最高益、通期も増額。
【主な経済指標・スケジュール】
12(火)
【国内】
7月マネーストック(8:50)
《決算発表》
浜ゴム、上組、GMOインター、GMO、ワコールHD、ショーボンド、ミライト・ワン、サワイGHD、マイクロニクス、JACR、Tナカヤマ、丸全運、カバー、松屋フーズ、Pウォーター、片倉、大和冷、建設技研、スター精、K&Oエナジー、応用地、ケイアイスター、サトー、ザ・パック、Finatext、NJS、フジオフドG、VTHD、LINK&M、じげん、アイスタイル、Ciメディカル、寺崎電気、バンクイノベ、コプロHD、アイコム、ソラスト、長野計器、エクサウィザー、アジアパイル、岩塚菓、コメ兵HD
【海外】
独8月ZEW景況感指数(18:00)
米7月消費者物価指数(CPI)(21:30)
米7月財政収支(8/13 3:00)
《アジア決算発表》
テンセント
《米決算発表》
カーディナルヘルス
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
11日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比200ドル52セント安の4万3975ドル09セントで終えた。金融政策を見極める上で重要な物価指標が発表されるのを前に、高値圏にあったハイテク株などに利益確定売りが出た。トランプ米大統領の関税政策を巡る不透明感も投資家心理の重荷だった。
12日に7月の米消費者物価指数(CPI)が発表されるのを控え、11日は様子見の投資家が多かった。ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想によると、前年同月比の上昇率は6月を小幅ながら上回る見通しだ。市場では「関税の影響が足元から年末にかけて加速する」との指摘がある。
インフレ圧力の根強さが示されれば米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が薄れる可能性がある。ナスダック総合株価指数が前週末に最高値を更新した後で、一部の主力ハイテク株には持ち高調整や利益確定の売りが出やすかった。
米中が互いに課す関税の一部停止措置が12日に期限切れとなるのを控え、トランプ大統領はこの日、措置を90日間延長する大統領令に署名したと報じられた。ただ、市場の先行きに対する不安は払拭されず、報道後に主要株価指数は下落した。12日に発表される米インフレ指標への警戒感も重荷となった。
米政府に対し、中国向け半導体の売上高の15%を支払うことに同意したと伝えられた米半導体大手のエヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は、いずれも一時プラス圏に浮上したが、値下がりして取引を終了。それぞれ0.4%安、0.3%安だった。
ただ、トランプ氏は10日、自身のSNSで中国に対して大豆の輸入拡大を求めた。米中の貿易交渉の行方はなお不透明で、関税停止の延長を好材料視する動きは目立たなかった。
ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやアップル、アマゾン・ドット・コムが下げた。中国向けに販売した人工知能(AI)向け半導体の収入の15%を米政府に支払うことで合意したと伝わったエヌビディアも売られた。半面、スリーエムやプロクター・アンド・ギャンブルは上昇した。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前週末比64.618ポイント(0.30%)安の2万1385.404で終えた。メタプラットフォームズやアルファベットが下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
11日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比15円高の4万2295円で終えた。この日は日本の株式市場が休場だった。米株式相場は下落したものの、外国為替市場での円安・ドル高を受けて輸出関連が買われたのもあり、シカゴ市場の日経平均先物には買いがやや優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
42295 ( +475 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
42325 ( +505 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
11日の英FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前週末比33.98ポイント(0.37%)高の9129.71で終えた。8月に入ってから株価水準を切り下げていた英アストラゼネカなど、時価総額が大きい製薬株に買いが入った。
英イングランド銀行(中央銀行)による利下げの道筋が見通しにくくなっている。12日以降に発表される英経済指標の内容を見極めたいとして、FTSE100種指数が上値を追う勢いは限られた。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)といったたばこ株や食品スーパー、銀行に買いが優勢だった。ロシアとウクライナの停戦交渉の成り行きに関心が高まるなか、英BAEシステムズなど防衛関連の一部銘柄が売られた。不動産投資信託(REIT)が下げた。
FTSEの構成銘柄では、流通大手マークス&スペンサーが2.95%高、産金大手フレスニロが2.47%高、通信大手エアテル・アフリカが2.42%高と上昇をけん引。一方、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルは3.54%安、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループが2.52%安と上値を抑えた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
11日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前週末比81.52ポイント(0.33%)安の2万4081.34で終えた。米ロ首脳会談を15日に控え、ロシアとウクライナの停戦交渉の成り行きを見極めたいとの雰囲気が広がった。米関税政策が欧州景気の逆風になるとの警戒も根強かった。
米金融政策を予想する材料となる7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を12日に控え、積極的な買いが手控えられた面もある。
個別では、防衛大手ラインメタル(4.63%安)やセメント大手ハイデルベルク・マテリアルズ(2.70%安)、通販大手ザランド(2.09%安)が売られた半面、コメルツ銀行(3.86%高)やエネルギー大手シーメンス・エナジー(3.67%高)が買われた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は4営業日ぶりに反落し、前週末比0.57%安で終えた。