Market Data
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【日経平均】
35039円15銭(△170円52銭=0.49%)
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【TOPIX】
2592.56(△8.24=0.32%)
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【グロース250】
659.21(▲0.26=0.04%)
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【プライム売買高】18億8797万株(△7117万株)
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【売買代金】4兆1451億円(▲1463億円)
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【値上がり銘柄数】605(前日:1347)
【値下がり銘柄数】985(前日:244)
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【新高値銘柄数】40(前日:144)
【新安値銘柄数】1(前日:0)
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【25日騰落レシオ】91.96(前日:96.38)
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■本日のポイント
1.日経平均は続伸、終値で3万5000円回復
2.米株大幅高でリスクオン継続も後半伸び悩む
3.米中摩擦に緩和の兆し、ハイテク株に追い風
4.朝方は円安進行、輸出セクターに追い風吹く
5.大型株中心で値下がり銘柄数の多さが目立つ
米中貿易摩擦について、トランプ米大統領は「関税がいつ引き下げられるかは中国次第」と発言するなど、先行きは依然として楽観できない状況だ。また、日米財務相会談では、為替の目標水準について取り上げない見通しにあるが、関税政策の合意に向け強硬姿勢が示される可能性もあるだけに、会談内容には注目が集まるだろう。
国内では主要企業の決算発表が始まっているが、ゴールデンウイークに入ってくることもあり、積極的な売買は手控えられそうである。
■上値・下値テクニカル・ポイント(24日現在)
38109.51 200日移動平均線
37962.17 26週移動平均線
37421.08 均衡表雲下限(日足)
37383.25 75日移動平均線
37272.03 均衡表雲上限(週足)
36870.36 13週移動平均線
36823.25 ボリンジャー:+1σ(25日)
36791.45 均衡表雲下限(週足)
36140.96 ボリンジャー:-1σ(26週)
35617.56 新値三本足陽転値
35595.49 均衡表基準線(週足)
35039.15 ★日経平均株価24日終値
35009.69 25日移動平均線
34930.84 ボリンジャー:-1σ(13週)
34639.35 均衡表転換線(週足)
34586.03 6日移動平均線
34506.72 均衡表基準線(日足)
34473.21 均衡表転換線(日足)
ローソク足は小陰線を引いたが、昨日に続いて、右肩上がりの5日移動平均線を下回ることなく推移。終値は節目の35000円を超え、3月27日以来ほぼ1カ月ぶりに25日線(35009.69円)を上回り、地合い改善を強く示唆した。一目均衡表では転換線が上昇して横ばいの基準線の33.51円下に迫っており、転換線の基準線越えによる三役逆転下の弱気形状解消が接近している。
【大引け概況】
24日の日経平均株価は続伸し、終値は前日比170円52銭高の3万5039円15銭だった。
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前日の米国株市場でNYダウなど主要株価指数が大幅高に買われたことを受け、売買代金上位の主力銘柄に物色の矛先が向かった。米株市場ではベッセント米財務長官が中国との貿易摩擦の緩和を示唆する発言を行ったほか、トランプ米大統領がパウエルFRB議長の解任を否定したことで、FRBの独立性が保たれるとの見方がセンチメント改善につながっている。東京市場でも米株高を引き継ぎ、ハイテク株や自動車株などが買われ全体を牽引した。外国為替市場では朝方に円安方向に振れ、輸出セクター中心に追い風材料となった。しかし、その後は円が買い直され、つれて株式市場も後場に入ると戻り売り圧力が顕在化し上値が重くなった。個別株も中小型株には値を下げる銘柄が多くなり、値下がり銘柄数が値上がり銘柄を大幅に上回っている。
3万5000円台を終値で回復するのは、トランプ米政権が「相互関税」の詳細を発表する直前の2日以来およそ3週間ぶり。米中貿易摩擦が激化するとの懸念が後退し、前日の米株式相場が上昇。東京株式市場はこの流れを引き継ぎ、半導体関連など主力株に買いが先行した。円相場が1ドル=143円台まで下落したことも追い風となり、日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。
トランプ大統領は23日、関税強化策を巡って、中国との交渉次第で累計145%の対中追加関税を下げ、中国に対する新たな関税率を今後2〜3週間で発表する可能性があると示唆した。24日に予定される日米の財務相会合を前に、ベッセント米財務長官が「特定の通貨目標を求める考えはない」と述べたと伝わった。日本政府に対し円安是正を迫るとの思惑がしぼみ、円相場の上昇に一服感が出たことも株買いを誘った。
ただ、積極的に上値を追う動きは限られた。心理的な節目の3万5000円近辺での動きが続き、上値では戻り待ちや利益確定目的の売りが出た。23日に開かれた国連安全保障理事会の非公式会合で、中国が米関税政策を巡って米国側を非難したと伝わった。米中貿易摩擦への過度な懸念は和らいでいるものの、関税交渉の先行きはなお不透明との見方が上値を抑えた。
国内では3月期企業の決算発表シーズンを迎えた。ファナックは米関税政策の影響を慎重に見極めるとの理由で、今期業績予想について23日に「未定」とした。大規模な自社株買いを発表したこともあり、ファナックは上昇して終えたが、市場では「会社側の業績予想は投資家にとって『道しるべ』のようなもの。業績予想を未定とする企業が相次げば、当面、積極的な買いを控える動きにつながりかねない」と警戒する声も聞かれた。
さて、東京株式市場は外部環境の一段の改善から本日も戻りを試す展開。米財務長官の「米中の高関税は持続不能」や「日本との通商協議に為替は絡めない」などの穏当な発言が好感されている。思い付きによるトランプ暴言が出なければ米国市場も底打ちから一定の水準まで大きく戻す流れとなりそうだ。特に中国との通商交渉が始まればマーケットはそれだけで好感して上げてくるかもしれない。
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸した。終値は8.24ポイント(0.32%)高の2592.56だった。JPXプライム150指数も3日続伸し、5.70ポイント(0.50%)高の1139.75で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1451億円、売買高は18億8797万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は605。値下がりは985、横ばいは45だった。
個別では、断トツの売買代金をこなしたディスコが高く、東京エレクトロン、SUMCO、アドバンテスト、ソシオネクスト、ルネサスエレクトロニクスなど半導体株の一角が上昇したほか、米国による自動車に対する関税方針の緩和観測が伝わったことで、トヨタ自、三菱自、SUBARUなど自動車株の一角も買われた。このほか、フジクラ、住友電工、安川電機、ジェイテクト、SMC、荏原製作所、太陽誘電、ソフトバンクGなどが買われた。任天堂が大きく値を上げた。三菱重工業、川崎重工業など防衛関連が買われ、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも上値を追った。野村マイクロ・サイエンスが値上がり率首位となったほか、大阪チタニウムテクノロジーズ、東京エネシス、レノバなどが値を飛ばしている。
一方、ファーストリテイリングが冴えず、円高メリットなどの側面から足元買われていたニトリホールディングス、ニチレイ、イオン、サッポロHD、良品計画などは売り優勢となった。また、小田急、JR東日本、JR西日本、JR東海、京成などディフェンシブ関連もさえない。フジ・メディア・ホールディングスが下落、神戸物産は大幅安となった。GMOインターネット、クオールホールディングスが急落、トーメンデバイス、KOAも大きく水準を切り下げた。東京地下鉄の下げも目立つ。このほか、東宝、コナミグループ、明治HDなどが売られた。
24日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比375円78銭(1.08%)高の3万5244円41銭だった。
前日に続きリスク選好の地合いが続き、日経平均株価は3万5000円台を回復した。前日の欧州株市場が全面高だったほか、米国株市場でもNYダウが一時1100ドルを超える上昇をみせるなど買い戻しが加速したことで、この流れを引き継ぎ、大型株中心に幅広い銘柄が買われた。東京株式市場はこの流れを引き継ぎ、半導体関連など主力株に買いが先行した。
ただ、外国為替市場では取引時間中にドル高・円安が一服しており、その分全体相場の上値を重くした。
トランプ米大統領は23日、関税を巡って中国と「公正な取引をする。全てが活発に進む」と話し、関税交渉に応じるよう中国に呼びかけた。トランプ氏は交渉次第で累計145%の対中追加関税を下げ、中国に対する新たな関税率を今後2〜3週間で発表する可能性があるとも示唆。米中貿易戦争が激化するとの懸念が和らいだ。米政権が自動車メーカーの関税の一部免除を検討していると報じられたことも追い風になった。
ベッセント米財務長官は23日、日本経済新聞など一部メディアに対して、関税を巡る日米交渉で「特定の通貨目標を求める考えはない」と述べた。24日に日米の財務相会合が予定されるなか、日本側が円安是正を迫られるとの思惑が後退し、株買いを後押しした。
ただ、上値では戻り待ちや利益確定目的の売りに押された。23日に開かれた国連安全保障理事会の非公式会合で、中国が米関税政策を巡って米国側を非難したと伝わった。赤沢亮正経済財政・再生相が30日から5月2日まで訪米し、日米関税交渉の2回目の協議に臨むと日本経済新聞電子版などが24日午前に報じた。市場では「米関税政策は二転三転する状況が続いており、具体案が米国側から示されない限り、日経平均が積極的に上値を追う雰囲気にはなりにくい」との声が聞かれた。
前場の日経平均は、25日移動平均線が位置する3万5017円を終始上回っている。日米財務相会合を前に積極的な買いは手控えられて上値の重さが感じられる状況ではあるが、25日線を上回ったまま取引を終えれば、約一カ月ぶりのこととなる。日経平均VIが29ポイント台と高い水準で推移していることで、リスク管理の観点から機関投資家はまだ買いに動けないと考えるが、25日線水準の回復などを考慮すると、徐々に投資環境は改善しつつあると言えよう。後場も引き続き様子見姿勢が強い地合いとなりそうだが、日経平均3万5000円台維持に期待したい。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは26.12ポイント(1.01%)高の2610.44だった。JPXプライム150指数も続伸した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆597億円、売買高は9億381万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は897。値下がりは697、横ばいは41だった。
業種別では、非鉄金属、輸送用機器、その他製品、保険、海運などが上昇した一方、陸運、小売、食料品、不動産、パルプ・紙などが下落した。
個別ではディスコ、SUMCO、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソシオネクストなど半導体株の一角も上昇。フジクラが高く、米国が自動車産業を対象とした関税軽減を検討と報じられたことから、SUBARU、マツダ、日産自、トヨタ自動車、三菱自など自動車株が総じて買われた。ソフトバンクグループも値を上げた。三菱重工業、川崎重工業など防衛関連が上昇、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも上値を追った。このほか、野村マイクロ・サイエンス、レノバなどが値を飛ばしている。
半面、ニトリホールディングスが安くも軟調。一方、足元円高メリットなどの側面から買われていたニトリホールディングス、ニチレイ、イオン、サッポロHD、良品計画などは売り優勢となった。フジ・メディア・ホールディングスも下落。クオールホールディングスが急落、KOAも大幅に水準を切り下げた。
また、小田急、JR西、JR東海、京成などディフェンシブ関連もさえない。このほか、東宝、良品計画、明治HDなどが売られた。
東証スタンダード市場は米中貿易摩擦への警戒感が緩和し、米国株が上昇したため、買いが先行した。ただ、先行き不透明感は残り、買いが一巡すると、売りも出て株価の上値を抑えた。
スタンダードTOP20は小幅高。出来高2億0158万株。
値上がり銘柄数803、値下がり銘柄数523と、値上がりが優勢だった。
個別では大豊建設、nms ホールディングス、中村屋、ブルボン、カンロなど28銘柄が年初来高値を更新。キーウェアソリューションズ、日本金属、ビューティカダンホールディングス、靜甲、精工技研は値上がり率上位に買われた。
一方、TONE、ReYuu Japan、FDK、アールシーコア、アルファは値下がり率上位に売られた。
東証グロース市場は前日の米ハイテク株高を受けて高く始まったが、プライム市場の大型株に個人投資家の資金が流れて新興市場の主力銘柄は総じて軟調だった。
グロースCoreは小幅安。東証グロース市場250指数も反落した。前引けは前日比1.29ポイント(0.20%)安の658.18だった。市場関係者は「トランプ米政権の関税政策に端を発する足元の下落相場では、内需株の多い新興市場の銘柄が相対的に堅調だった。きょうは日経平均が上昇するなかで投資家の一部が大型株に資金を振り分けた」とみていた。
グロース市場ではサンバイオやトライアルが下落した。一方、フリーやアストロHDは上昇した。
値上がり銘柄数301、値下がり銘柄数253と、値上がりが優勢だった。
24日に東証グロース市場に新規上場したLクリエイトは9時に公開価格(1250円)を上回る1280円で初値を付けた。利益確定の売りに押されて公開価格を下回る場面もあったが、前引けは1265円だった。
個別ではラクオリア創薬がストップ高。イシン、ラキール、AI CROSS、マクアケ、ウィルズなど9銘柄は年初来高値を更新。ココナラ、TWOSTONE&Sons、ミライロ、TalentX、noteが買われた。
一方、ロゴスホールディングスが年初来安値を更新。サンバイオ、ジェリービーンズグループ、ファンデリー、サイバートラスト、アーキテクツ・スタジオ・ジャパンが売られた。
【寄り付き概況】
24日の日経平均株価は続伸で始まった。始値は前日比326円08銭高の3万5194円71銭。
前日はアジア株市場に続いて欧州株市場も全面高に買われており、世界的な株高局面となっている。米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が大幅続伸、ナスダック総合株価指数の上昇率は2.5%に達した。これを受け東京株式市場でもリスクオン環境が維持されている。米中間の貿易戦争に対する警戒感が和らいでいることや、トランプ米大統領がパウエルFRB議長の解任を否定したことでFRBの独立性が確保され、金融市場の混乱が回避されるとの見方が引き続きポジティブ材料となった。
また、外国為替市場では足もとでドルの買い戻しが進み一段と円安方向に振れていることから、輸出セクターを中心に追い風が意識されやすいだろう。
東証株価指数(TOPIX)は続伸している。
個別では、東エレクやアドテスト、ソフトバンクグループ(SBG)が高い。ファナックや任天堂、トヨタが上昇した。一方、KDDIやニトリHD、三井不が安い。バンナムHDやコナミGが下落した。
04月24日 相場展望(寄り付き前)
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【オープニングコメント】
堅調展開か |
・・・続き
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24日の東京株式市場は、続伸後もしっかりした展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万5200円-3万5600円を想定。
(23日終値3万4868円63銭)
米国株は上昇。ダウ平均は419ドル高の39606ドルで取引を終えた。
現地23日の米国株式は、NYダウ、ナスダック総合指数がそろって続伸。SOX(フィラデルフィア半導体株)指数も上昇しており、半導体関連を中心に買い先行が見込まれる。
為替相場は、ドル・円が1ドル=143円台の前半(23日は141円86-88銭)、ユーロ・円が1ユーロ=162円台の前半(同161円51-55銭)と円安に振れている。ベッセント米財務長官は関税を巡る日米交渉で、特定の通貨目標を求めない考えを示したと報じられたことから、過度な円高・ドル安への警戒感が後退した。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、23日の大阪取引所清算値比435円高の3万5355円だった。
【好材料銘柄】
■東京エネシス <1945>
前期経常を2.2倍上方修正。
■ミライロ <335A>
23日のテレビ東京・Newsモーニングサテライト「IPO、その次の一歩」でミライロの取り組みが紹介。また、鉄道事業者向けの特化型カリキュラム「ユニバーサルマナー検定(鉄道)」が京阪電気鉄道の駅係員・乗務員対象に導入。
■ケイブ <3760>
株主優待制度を変更。新制度では毎年5月末時点で100株以上を1年以上継続保有する株主を対象に、継続保有期間に応じて500~2000円分のQUOカードを贈呈する。また、5月末に100株以上を保有する株主の中から抽選でオリジナル限定グッズを贈呈する。
■キーウェアソリューションズ <3799>
株主優待制度を導入。毎年9月末と3月末時点で300株以上を6ヵ月以上継続保有する株主を対象に、QUOカード3000円分を年2回贈呈する。なお、初回の25年9月末基準日に限り、継続保有の条件は設けない。
■ココナラ <4176>
筆頭株主である南章行氏がnote <5243> に219万株(議決権割合9.3%)を譲渡。新たに筆頭株主となるnoteとさまざまな分野で協業を推進し、新たな価値創出に取り組む。
■野村マイクロ・サイエンス <6254>
前期配当を10円増額修正。
■正興電機製作所 <6653>
上期経常を一転15%増益に上方修正・最高益更新へ。
■イクヨ <7273>
5月31日現在の株主を対象に1→10の株式分割を実施。
■レノバ <9519>
前期最終を80%上方修正。
【主な経済指標・スケジュール】
24(木)
【国内】
3月企業向けサービス価格指数(8:50)
2年国債入札
《決算発表》
中外薬、富士通、キヤノン、ルネサス、NRI、ニデック、新電工、野村不HD、スタンレ電、アマノ、日野自、エクセディ、東海理化、愛三工、信越ポリ、ホギメディ、未来工業、メタウォーター、カワチ薬品、フタバ、不二家、SBIGアセット、ステップ、中発条、トーメンデバ、ジェコス、キングジム、高度紙
【海外】
独4月Ifo景況感指数(17:00)
米3月耐久財受注(21:30)
米3月中古住宅販売件数(23:00)
米7年国債入札
《米決算発表》
プロクター&ギャンブル、インテル、ペプシコ、サウスウェスト航空、メルク
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
04月23日 NY株/欧州株概況
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【市況】ダウ419ドル高と続伸、米中関係改善期待で |
・・・続き
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23日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比419ドル59セント高の3万9606ドル57セントで終えた。米中貿易摩擦の緩和期待のほか、トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の解任を否定したことを受け、主力株に買いが広がった。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は関係筋の話として、トランプ米政権が対中追加関税の引き下げを検討していると報道。およそ50〜65%に引き下げられる可能性があるという。またベセント米財務長官は一部記者団に対し、「米中とも緊張を緩和する必要がある」と説明。まずは双方が高関税を引き下げ、その後で貿易交渉に入る「2段階方式」を提示した。
トランプ大統領は22日には記者団に、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を「解任するつもりはない」と言明していた。FRBの独立性や米中貿易戦争を巡る懸念が和らぐ中、幅広い銘柄に買いが入り、ダウは一時約1190ドル上昇し、4万ドルの節目を回復した。買い一巡後は伸び悩んだ。
トランプ大統領は対中追加関税についてゼロにはならないものの、現状の145%からは下がるだろうとの見解も22日夕に示した。
ベッセント米財務長官は23日、トランプ大統領は対中関税の引き下げを一方的な形で提案したことはなく、貿易の完全なリバランスには2〜3年かかるだろうとの見方を示したと米ブルームバーグ通信が伝えた。関税政策を巡る不透明感は根強く、相場の重荷となった。
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングが大幅高となった。23日に発表した2025年1〜3月期決算で売上高などが市場予想を上回った。アマゾン・ドット・コムやエヌビディアなどのハイテク株も買われた。半面、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などディフェンシブ株は売りが優勢だった。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比407.632ポイント高の1万6708.050(速報値)で終えた。テスラへの買いが目立った。22日夕に発表した25年1〜3月期決算は市場予想を下回ったものの、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が米政府効率化省(DOGE)に費やす時間を減らす見通しを示したことが好感された。
【シカゴ日本株先物概況】
23日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比510円高の3万5355円で終えた。この日は米中摩擦の緩和期待などから日米株式相場がともに上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
23日のFTSE100種総合株価指数は8日続伸し、前日比74.58ポイント(0.89%)高の8403.18で終えた。米中の貿易摩擦が激化するとの警戒感と、米連邦準備理事会(FRB)の独立性を巡る懸念がともに後退し、投資家心理を支えた。
FTSEの構成銘柄では、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが8.19%高、産銅大手アントファガスタが7.03%高、金融大手スタンダード・チャータードが6.36%高と急伸。一方、生活用品大手レキット・ベンキーザーは5.70%安、産金大手エンデバー・マイニングは5.65%安、同業フレスニロは5.20%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
23日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比668.44ポイント(3.13%)高の2万1961.97と2日以来3週間ぶりの高値で終えた。米中の貿易摩擦が激しさを増すとの懸念が和らぎ、投資家心理が上向いた。決算など個別の支援材料を受けた買いも相場を押し上げた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版が23日、トランプ米政権が中国からの輸入品に対する高関税の引き下げを検討していると報じると、DAXは上げ幅を広げた。
個別では、22日に公表した2025年1〜3月期決算で収益が市場予想を上回った。好決算を受けて業務用ソフトウエア大手SAPが10.62%高と大きく買われ、ドイツ銀行が4.50%高、医療機器のザルトリウスが4.36%高で続いた。半面、防衛大手ラインメタルは2.98%安、エネルギー大手イーオンは2.42%安、電力大手RWEは1.61%安で終了した。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比2.12%高の7482.36と約3週間ぶりの高値で終えた。