
前週末の米国株市場でNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価指数が大きく上昇したことを受け、再びリスクを取る動きが強まった。日経平均は11日に1000円超下落したため自律反発狙いの買いも入り、上げ幅は一時700円を超えた。
ただ、トランプ米政権の打ち出す関税政策の内容が目まぐるしく変わり、相場も消化難に陥っているきらいがある。米国では半導体関連株への買い戻しが顕著だったが、これを受けて東京株式市場で同関連株が戻り足をみせたものの、主力銘柄については上値の重さが目立った。足もと外国為替市場で進むドル安・円高が自動車やハイテク株には買いを手控えさせる要因となったもようだ。値上がり銘柄数は後場に入り大分減ったが、それでもプライム市場全体の8割強の銘柄が上昇した。一方、売買代金は4兆円台に届かなかった。4兆円台を下回ったのは3月25日以来となる。
ラトニック米商務長官は13日、トランプ米政権が11日夜に相互関税の対象から除外したスマートフォンなど電子関連製品について、半導体関連に焦点を絞った新たな分野別関税の対象になると明らかにした。1〜2カ月後に打ち出される可能性が高いという。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.5%高となったため、ひとまず東エレクやアドテストなどの半導体関連が軒並み買われた。村田製やTDK、京セラなどの電子部品株の買いも目立った。
日経平均は伸び悩む場面もあった。14日午前に下落していた円相場が上昇に転じると日本株の上値は重くなった。近く予定される米国と日本との関税交渉で円安是正を求められるとの警戒が根強い。市場関係者は「自動車産業などを中心に日本企業は米国市場で稼いできたことも事実で、米国側の要求をある程度はのまざるを得ない」と指摘。このところの相場急落で個人の投資意欲が落ち込む可能性もあって、株式市場に高揚感はないとみていた。
日経平均は反発したものの、上値の重い展開だった。目先は日米関税交渉に関心が移っていくだろう。赤沢亮正経済再生担当相は訪米し、日本時間の17日にベッセント財務長官、グリア米通商代表部(USTR)代表と初めての交渉に臨むとの報道もあり、交渉内容が注目されそうだ。また、今後、国内では主要企業の決算発表が本格化するが、関税に対するマイナスの影響を推し量るのは難しいだろう。