1日の値上がり幅としては歴代4位の円台に乗せて取引を終えている。
個人投資家の追い証回避の売りが前日に高水準に出ていたことで、上値が軽くなっていたことも日経平均の上昇を後押しした格好だ。
米ハイテク株高で過度なリスクオフムードがいったん後退したとの受け止めから海外短期筋を中心とした買いが幅広い銘柄に入った。日経平均は前日に約1年5カ月ぶりの安値水準まで下落した反動で自律反発狙いの買いも加わり、株価指数先物主導で上げ幅を2100円強まで広げる場面もあった。
半導体関連や自動車、銀行など足元で下げが目立った銘柄の上昇が目立ち、東証プライム市場の主力銘柄は全面高となった。前日まで2日連続でストップ安水準まで売られたフジクラが一転してストップ高水準まで買われるなど激しい値動きもみられた。8日の日本時間の取引で米ダウ工業株30種平均の先物で流動性の高い「Eミニ・ダウ先物」の6月物が一時、前日の清算値と比べた上げ幅を700ドル強に拡大したのに歩調を合わせ、日本株にも買いが強まった。外国為替市場での円高・ドル安が一服したのも輸出関連株の買いを後押しした。
トランプ米政権による関税政策への警戒感は根強く、後場はやや上値の重さも見られた。トランプ大統領は「関税の一時停止について、交渉には応じる余地があることも示唆した」とブルームバーグ通信は日本時間8日朝に伝えた。もっとも、このままいけば9日には国・地域別の上乗せ税率が発動される。中国商務省は8日、米国が中国に対し50%の追加関税を課した場合、中国は自国の権利を守るために必要な措置を講じるとも表明した。トランプ米政権の関税政策を発端とした貿易戦争が世界景気を冷やすとの警戒感は相場の重荷だった。
需給面では、先週後半の相場急落を受け、信用取引をしている個人の持ち高に追い証(追加の証拠金)が発生し、今週に持ち高解消が膨らむとの指摘があった。日本株の有力な買い主体である企業の自社株買いについてもこの時期は3月期決算の発表シーズンを前に減少する傾向があるとされる。そのため、需給が引き締まりづらいとの見方もあった。
東証株価指数(TOPIX)は5営業日ぶりに大幅に反発した。終値は前日比143.36ポイント(6.26%)高の2432.02と1日の上げ幅としては過去4番目の大きさだった。JPXプライム150指数も5営業日ぶりに反発し、60.87ポイント(6.06%)高の1064.81で終えた。