20日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比498ドル02セント(1.17%)高の4万2840ドル26セントで終えた。
米商務省が朝方発表した11月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.4%上昇と前月から伸びが加速。取引開始直後はもみ合いとなったが、伸びが予想ほど強くなかったため買い安心感が広がり、金融株など幅広い銘柄が値を上げた。
ダウは18日までの10営業日で下げ幅が2600ドルを超えた。安値拾いの買いも膨らみ上げ幅は一時800ドルを上回った。
ただ、米議会の予算審議難航に伴う政府機関の一部が閉鎖となるリスクがくすぶる中、ダウの勢いは後半に失速した。
シカゴ連銀のグールズビー総裁は同日の米CNNによれば、共和党の下院トップ、ジョンソン下院議長は「政府機関の閉鎖はない」と述べたものの、今後について詳細は明らかにしなかった。調整が難航しているもようで、投資家心理の重荷となった。
個別では、エヌビディアや、ユナイテッドヘルス・グループ、ゴールドマン・サックスが買われた。半面、メルクやウォルマートは安かった。ナイキも下げた。19日夕発表の24年9〜11月期決算が減収減益となったうえ、24年12月〜25年2月期の減収率が2桁前半になるとの見通しを示したことも重荷だった。
ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発した。前日比199.829ポイント(1.03%)高の1万9572.597(速報値)で終えた。アルファベットが上げた。一方、テスラは下げて終えた。
NYダウ 42840.26 ( +498.02 )
S&P500 5930.85 ( +63.77 )
NASDAQ 19572.60 ( +199.83 )
米10年債利回り 4.526 ( -0.049 )
NY(WTI)原油 69.46 ( +0.08 )
NY金 2645.1 ( +37.0 )
VIX指数 18.36 ( -5.73 )
【シカゴ日本株先物概況】
20日のシカゴ日経平均先物は下落した。2025年3月物は前日比135円安の3万8885円で終えた。
NYダウ平均は、インフレ指標が予想を下回ったことを受けて物価高への過度な警戒感が和らぎ、続伸した。
外国為替市場で円高・ドル安が進み、日本の輸出企業の収益拡大期待が後退したことが重荷となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38885 ( +175 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38985 ( +275 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
20日の英FTSE100種総合株価指数は続落し、前日比20.71ポイント(0.25%)安の8084.61で終えた。11月15日以来、およそ1カ月ぶりの安値となる。トランプ次期米大統領によるSNSへの書き込みをきっかけに、次期米政権下での関税強化が改めて警戒された。ドイツやフランスの株式相場が下げ、英国株にも売りが優勢となった。
FTSEの構成銘柄では、水道大手セバーントレントが2.25%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションが2.16%安、保険会社ヒスコックスが1.99%安と下落。半面、小売り大手フレイザーズ・グループは2.79%高、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールは2.17%高、有害生物管理会社レントキル・イニシャルは2.04%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
20日のドイツ株価指数(DAX)は6日続落した。前日比85.11ポイント(0.42%)安の1万9884.75と3週間ぶりの安値で終えた。次期米政権による通商政策への懸念が、投資家心理を冷やした。20日の米株式市場で主要な株価指数が上げ幅を広げると、DAXは下げ幅を縮小した。
トランプ次期米大統領がSNSへの投稿で、欧州連合(EU)は米国から大量に石油やガスを買うことで米国の対EU貿易赤字を埋めなければならず、さもなければEU産品に関税を課すとの考えを示した。
個別では、コメルツ銀行が2.09%安、ドイツ銀行が2.04%安、ミュンヘン再保険が1.59%安と値下がりした一方、不動産大手ボノビアは2.19%高、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は1.69%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.40%高となった。
■フランス・パリ株価指数
フランスで株価指数CAC40は続落し、前日比0.27%安で終えた。