6日の東京株式市場は、弱含みの展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万9000円-3万9500円を想定。(5日終値3万9395円60銭)
米国株は下落。ダウ平均は248ドル安の44765ドルで取引を終えた。
現地5日の米国株式が下落した動きを受け、朝方は売り先行スタートとなりそう。現地6日の米11月雇用統計の内容を確認したいとして、模様眺めムードが広がることも想定される。一方で、消去法的に値動きの軽い中小型株に物色の矛先が向かう場面もありそうだ。
米3指数は小幅な下げにとどまっており、下値も限られるとみる。やや弱めで動意に乏しい時間が長くなると予想する。
為替相場は、ドル・円が1ドル=150円台の前半(5日は149円77-79銭)、ユーロ・円が1ユーロ=158円台の後半(同157円77-81銭)と、円安方向に振れている。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、5日の大阪取引所清算値比50円安の3万9340円だった。
【好材料銘柄】
■ステムリム <4599>
オーストラリアで再生誘導医薬レダセムチドに関連するペプチドに関する特許が登録。
■WASHハウス <6537>
自社開発のオリジナル洗濯機・乾燥機を設置したコンテナ型ランドリー店舗をオープン。
■日本コンセプト <9386>
今期配当を10円増額修正。
■SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ <9478>
発行済み株式数(自社株を除く)の0.71%にあたる12万株(金額で3000万円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は12月6日から12月20日まで。
【主な経済指標・スケジュール】
6(金)
【国内】
10月毎月勤労統計調査(8:30)
10月家計調査(8:30)
10月景気動向指数(14:00)
《決算発表》
アインHD、カナモト、アイル、日駐、ソフトウェアサー、ロックフィール、エターナルホスヒ、日本スキー、日ハウスHD、エイチーム
【海外】
米11月雇用統計(22:30)
米12月ミシガン大学消費者態度指数(24:00)
米10月消費者信用残高(12/7 5:00)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
5日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比248ドル33セント(0.55%)安の4万4765ドル71セントで終えた。
今後の米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策方針を見極めるため、11月の米雇用統計が6日に発表されるのを待っている。
この日は前日に主要な米株価指数が最高値を更新していたため、利食い売りも出た。
4日午後に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利下げを始めた9月に想定していたよりも「米経済は強い」との認識を示した。一方、労働市場が軟化した場合は経済を支えるとも強調した。
市場では米経済が堅調を維持しながら、12月もFRBが追加利下げに動くとの観測があり、株買いが広がった。同日のダウ平均は初めて4万5000ドル台で終え、5日は目先の利益を確定する売りが進んだ。
6日に11月の米雇用統計の発表を控え、内容を見極めたい雰囲気も強かった。市場では非農業部門の雇用者数が前月比で大きく増加するとみられている。想定以上の強さをみせれば、インフレ圧力の懸念につながりやすい。
市場では、「ストライキやハリケーンの影響を受けていたため、FRBは9〜10月分を額面通りには受け止めにくいだろう」との声が聞かれ、11月分に関心が集まっている。
米労働省が朝方発表した新規失業保険申請(11月30日までの1週間)は22万4000件と前週比9000件増加。市場では「予想を大幅に上回る伸びではなかったので、あまり材料視されなかった」と指摘する声が聞かれた。
朝方にダウ平均は小幅に上昇する場面があった。米景気が底堅さを保つなかで利下げ継続が見込めるとの観測が支えとなった。代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインの価格が米東部時間4日夜に初めて10万ドルの大台に乗せたことは仮想通貨関連銘柄の追い風となった面もあったが、上値は限られた。
ダウ平均の構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループやアムジェンが下げた。前日に決算を好感した買いが膨らんだセールスフォースは売られた。一方、メルクやスリーエム(3M)、コカ・コーラなどは上昇した。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前日比34.857ポイント(0.17%)安の1万9700.259で終えた。メタプラットフォームズやアルファベットが下げた。一方、アナリストが目標株価を引き上げたテスラは買われた。
NYダウ 44765.71 ( -248.33 )
S&P500 6075.11 ( -11.38 )
NASDAQ 19700.25 ( -34.85 )
米10年債利回り 4.168 ( -0.009 )
NY(WTI)原油 68.30 ( -0.24 )
NY金 2648.4 ( -27.8 )
VIX指数 13.54 ( +0.09 )
【シカゴ日本株先物概況】
5日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比285円安の3万9340円で終えた。
NYダウ平均は、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが広がる中、利益確定売りが出て反落した。
この日は翌日に発表される11月の米雇用統計の結果を見極めたいとして最高値圏にあった米株式相場が下落しており、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39340 ( -50 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39350 ( -40 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
5日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に反発し、前日比13.57ポイント(0.16%)高の8349.38で終えた。5日のドイツやフランスといった欧州の他の主要株式相場が上昇し、投資家心理を支えた。
ボーダフォンは5日、同社と香港複合企業の長江和記実業(CKハチソンホールディングス)傘下のスリーUKとの経営統合について、英当局の承認を得たと発表した。他方、エネルギーや資源株の下落は重荷だった。
FTSEの構成銘柄では、保険会社ヒスコックスが5.06%高、ホテル大手ウィットブレッドが3.87%高、酒造大手ディアジオが3.72%高と上伸。一方、通期の業績見通しを引き下げた小売り大手フレイザーズ・グループは10.66%安と急落し、不動産大手ブリティッシュ・ランドが5.00%安、物流施設大手セグロが2.92%安で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
5日のドイツ株価指数(DAX)は6日続伸し、最高値を再び更新した。終値は前日比126.66ポイント(0.62%)高の2万0358.80だった。前日の米国株高を支えに投資家心理が強気に傾いた。フランスの政治を巡る過度な懸念がひとまず和らいだのも支えとなった。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.95%高、自動車部品大手コンチネンタルが2.85%高、コメルツ銀行が2.68%高と相場をけん引。半面、医療機器のザルトリウスは2.08%安、不動産大手ボノビアは1.26%安、医薬大手メルクは0.74%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスのバルニエ首相は5日、マクロン大統領に辞表を提出した。極右の国民連合(RN)を率いるルペン氏は同日、一定の条件を示したうえで、向こう数週間で2025年度の予算を成立させることが可能だとの認識を示したと伝わった。
フランスの株価指数CAC40は6日続伸し、前日比0.37%高で終えた。金融大手ソシエテ・ジェネラルが4%高で終えるなど金融株が買われた。一方で、航空機エンジンのサフランの下げが目立った。