22日の東京株式市場は反発後、もみ合い展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万7900円-3万8300円を想定。(21日終値3万8026円17銭)
米国株は上昇。ダウ平均は461ドル高の43870ドルで取引を終えた。
現地21日の米国株式が上昇したことから、買い戻しの動きが先行するとみられる。ただ、買い一巡後は、手がかり材料難のなか週末要因もあり、様子見姿勢が強まって方向感に欠ける展開になりそうだ。
為替相場は、ドル・円が1ドル=154円台の半ば(21日は154円89-92銭)、ユーロ・円が1ユーロ=161円台の後半(同163円21-25銭)と円高方向にある。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、21日の大阪取引所清算値比190円高の3万8230円だった。
【好材料銘柄】
■ユナイテッド <2497>
今期経常を22%上方修正。
■HOUSEI <5035>
KAYTUS SYSTEMSと提携し、KAYTUS社のAI用高性能サーバーなどの製品を仕入れて日本で販売する事業を開始する。
■フィードフォースグループ <7068>
今期は上場来初配当10円実施へ。
■チヨダ <8185>
今期経常を44%上方修正。
【主な経済指標・スケジュール】
22(金)
【国内】
10月全国消費者物価指数(CPI)(8:30)
【海外】
米11月購買担当者景気指数(PMI)(23:45)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
21日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比461ドル88セント(1.06%)高の4万3870ドル35セントで終えた。
トランプ氏が打ち出す減税措置や規制緩和が企業業績を押し上げるとの見方から、金融やエネルギー銘柄などに買いが入った。
米経済の底堅さを背景に景気敏感株が買われ、指数を押し上げた。主力ハイテク株の一角が売られた半面、景気敏感株や出遅れ感のあった銘柄への循環物色につながった。ダウ平均の上げ幅は一時600ドルを超えた。
21日発表の週間の新規失業保険申請件数は21万3000件と前週の改定値から6000件減り、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万件)を下回った。労働市場は底堅さを保っていると受け止められた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、21日発表の四半期決算が市場予想を上回った建機のディアが大幅高となった。「米経済や企業業績に対する楽観が景気敏感株などへの買いを誘った」との声が聞かれた。
トランプ次期米大統領による減税や規制緩和が景気を押し上げるとの観測が根強く、景気敏感株や内需株の買いにつながったとの見方もあった。内需の中小型株を中心に構成するラッセル2000株価指数は2%近く上昇した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、アルファベットが5%近く下げた。前日に米司法省が裁判所に傘下のグーグルのインターネット閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」事業の売却を含む是正案を提出した。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトも売られた。「主力ハイテク株を売って(内需や出遅れ感のあった銘柄など)ハイテク株以外へと資金が向かった」といい、幅広い銘柄への買いを勢いづけた。
ダウ平均は朝方は小幅に下げる場面があった。ウクライナ軍が21日、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)でウクライナ領を攻撃したと発表した。西側諸国はこの見方を否定し、ロシアは中距離弾道ミサイルを発射したとみられる。ウクライナとロシアの戦闘激化への警戒は引き続き投資家心理の重荷となる面があった。
個別銘柄ではシャーウィン・ウィリアムズやホーム・デポ、ゴールドマン・サックス、キャタピラーへの買いが目立った。昨年末と比べて株価が下落しているナイキやメルクも買われた。アナリストが目標株価を引き上げたセールスフォースも高い。
半導体大手エヌビディアは0.5%高。20日の取引終了後に発表した2024年8~10月期決算は売上高が前年同期比94%増、純利益が2.1倍に膨らみ、いずれも四半期ベースで過去最高となった。堅調な業績見通しも示したものの、一部投資家の高い期待に届かず、小幅上昇にとどまった。
エヌビディアは人工知能(AI)ブームに乗り急成長してきたが、市場関係者からは「エヌビディア1強となっていたが、他社も開発を進めていることも意識されている」(日系証券)との声も聞かれた。
ナスダック総合株価指数は小幅に反発した。前日比6.277ポイント(0.03%)高の1万8972.420で終えた。巨大ハイテク株の一角が売られた半面、ソフトウエア関連や半導体製造装置株などを中心に買いが入った。
NYダウ 43870.35 ( +461.88 )
S&P500 5948.71 ( +31.60 )
NASDAQ 18972.42 ( +6.27 )
米10年債利回り 4.421 ( +0.015 )
NY(WTI)原油 70.10 ( +1.23 )
NY金 2674.9 ( +23.2 )
VIX指数 16.87 ( -0.29 )
【シカゴ日本株先物概況】
21日のシカゴ日経平均先物は小幅に下落した。12月物は前日比50円安の3万8230円で終えた。
NYダウ平均は、トランプ次期米大統領が掲げる経済政策への期待感から金融株などが買われ、続伸した。
この日は景気敏感株がけん引して米株式相場が上昇したものの、日経平均株価は下げていたためシカゴ市場の日経平均先物には売りがやや優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38230 ( +190 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38265 ( +225 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
21日の英FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比64.20ポイント(0.79%)高の8149.27で終えた。原油先物相場の上昇を背景にエネルギー株が上昇し、指数を支えた。外国為替市場で英ポンドが対ドルで下落し、ポンド安が収益の追い風となる銘柄への買いを誘った面もあった。
ロシアとウクライナの緊張といった地政学リスクへの警戒感は投資家心理の重荷で、上値を追う勢いは限られた。
FTSEの構成銘柄では、21日公表した4〜9月期決算で売上高が前年同期比2ケタ増となった医療・安全装置メーカーのハルマが5.72%高、保険大手ビーズリーが3.60%高、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが2.77%高と相場をけん引。一方、さえない通期業績予想を示した小売り大手JDスポーツ・ファッションが15.50%安と急落したほか、通信大手ボーダフォンは3.31%安、送電大手ナショナル・グリッドも1.89%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
21日のドイツ株価指数(DAX)は5営業日ぶりに反発し、前日比141.39ポイント(0.74%)高の1万9146.17で終えた。ウクライナとロシアの戦闘激化に対する警戒感は根強いものの、21日の米株式市場で主要な株価指数が上げ幅を広げ、投資家心理を支えた。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.62%高、分子診断大手キアゲンが3.55%高、ハノーバー再保険が2.55%高と買われた半面、化学品商社ブレンタークは2.26%安、高級車メーカーのポルシェは1.92%安、自動車部品大手コンチネンタルは1.51%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3日ぶりに反発し、前日比0.20%高で終えた。