14日の東京株式市場は反発後、しっかりした展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万8600円-3万9100円を想定。(13日終値3万8721円66銭)
米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が上昇し、ナスダックが下落した。ダウ平均は47ドル高の43958ドルで取引を終えた。
日経平均株価はきのう13日、大幅続落した反動から、短期的なリバウンドを狙った買いが先行するとみられる。25年3月期第2四半期累計(24年4-9月)の決算発表は終盤を迎えるが、引き続き、個別物色が中心になりそう。
米国株の落ち着きや円安進行を手がかりに、買い戻しが優勢になると予想する。ただ、米国株がそこまで強くはなかったことから、上値追いには慎重になると思われる。
為替相場は、ドル・円が1ドル=155円台の半ば(13日は155円10-12銭)、ユーロ・円が1ユーロ=164円台の前半(同164円44-48銭)と小動き。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、13日の大阪取引所清算値比320円高の3万8970円だった。
【好材料銘柄】
■Faber Company <220A>
前期経常が一転増益で上振れ着地・今期は21%増益、30円で初配当へ。
■アスア <246A>
7-9月期(1Q)経常は71%増益で着地。
■Aiロボティクス <247A>
上期経常は52%増益で着地。
■アスコット <3264>
今期経常は22%増で2期連続最高益、1円増配へ。
■アルファグループ <3322>
自社の株主をエクステンドのみとする株式併合を実施し非公開化を目指す。株式併合に伴い1株900円に相当する金銭が交付されるように設定する。
■イノベーションホールディングス <3484>
今期経常を一転24%増益に上方修正。
■アズーム <3496>
今期経常は36%増で6期連続最高益、15円増配へ。
■アール・エス・シー <4664>
7-9月期(2Q)経常は2倍増益、今期配当を2円増額修正。
■ヴィス <5071>
上期経常は87%増益で上振れ着地。
■スマートドライブ <5137>
今期経常は68%増で2期連続最高益更新へ。
■アウトルックコンサルティング <5596>
マネーフォワード <3994> 子会社のマネーフォワードクラウド経営管理コンサルティングがTOB(株式公開買い付け)を実施し、資本業務提携契約を締結する。TOB価格は1株1656円で13日終値を65%上回る水準。買い付け期間は11月14日から12月11日まで。
■日本伸銅 <5753>
今期経常を13%上方修正。
■STG <5858>
上期経常が3.3倍増益で着地・7-9月期も12倍増益。
■元旦ビューティ工業 <5935>
MBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化を目指す。舩木元旦会長が代表を務めるSunnyがTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOB価格は1株2080円で13日終値を38.6%上回る水準。買い付け期間は11月14日から12月25日まで。
■日工 <6306>
今期経常を12%上方修正、配当も2円増額。
■KIYOラーニング <7353>
今期経常を一転43%増益に上方修正・4期ぶり最高益更新へ。
■CAPITA <7462>
上期経常は3.4倍増益で上振れ着地・通期計画を超過。
■カワセコンピュータサプライ <7851>
今期経常を3倍上方修正、未定だった配当は3円実施。
■MUTOHホールディングス <7999>
インテグラルが子会社ファンドを通じTOB(株式公開買い付け)を実施し、中長期的な企業価値の維持・向上のための取組みを支える。TOB価格は1株2200円で13日終値を8.4%下回る水準。買い付け期間は11月14日から12月11日まで。
■トリドリ <9337>
1-9月期(3Q累計)経常が3.7倍増益で着地・7-9月期も4.4倍増益。
■INFORICH <9338>
1-9月期(3Q累計)経常が2.8倍増益で着地・7-9月期も84%増益。
■ビジョン <9416>
株主優待制度を拡充。300株以上を保有数株主には、既存の優待券に加え、QUOカード1万5000円分を年2回贈呈する。1-9月期(3Q累計)経常は16%増益で着地。
■グルメ杵屋 <9850>
今期経常を95%上方修正。
【主な経済指標・スケジュール】
14(木)
【国内】
《決算発表》
三菱UFJ、三井住友、みずほ、ゆうちょ、日本郵政、SMC、第一生命、アサヒ、日ペイントH、三菱HCキャ、T&DHD、電通G、荏原、かんぽ、コンコルディア、マツキヨココカラ、京都FG、オープンハウス、近鉄GHD、オルツ、PRISMBio、コージンバイ、Schoo、MFS、ライスカレー、ファベル、ウィルスマート
【海外】
米10月生産者物価指数(PPI)(22:30)
《米決算発表》
ウォルト・ディズニー、アプライド・マテリアルズ
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
13日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比47ドル21セント(0.10%)高の4万3958ドル19セントで終えた。
朝方発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇した。エネルギー・食品を除くコアは同0.3%上昇し、いずれもダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と同じだった。コア指数の前年同月比の上昇率は3.3%と、市場予想と同水準で、FRBが12月に0.25%の利下げを行う観測が強まった。
これを受け、2年物米国債利回りが大幅に低下し、小売りやエネルギー関連などが買われた。
ダウは一時200ドル超上昇。ただ、大統領選と同時に行われた連邦議会選で、上院に続き下院でも共和党が多数派になることが確実になったと伝わると、取引終盤にかけ上げ幅を縮めた。
市場では「株式相場にとってよいニュースとなった」との声が聞かれた。「長期的には粘着的なインフレ圧力が残るものの、FRBの12月会合での利下げ観測を高めた」との見方もあった。
米短期金利先物の値動きからFRBの金融政策を予想する「フェドウオッチ」では13日夕時点で12月に政策金利を0.25%引き下げる確率が8割と、前日の6割弱から上昇。ダラス連銀のローガン総裁は13日の講演で米経済が堅調ながらインフレも落ち着きつつあると述べ、「利下げは注意深く進めるのが最善だろう」と語った。FRBの段階的な米利下げが景気を下支えするとの見方が根強い。
ダウ平均は下落に転じる場面があった。米大統領選後に短期間で大幅に上昇し、11日には最高値を更新していた。短期的な過熱感が意識されやすく、主力株の一部には利益確定の売りもでやすかった。
個別では、アマゾン・ドット・コムやシェブロン、ベライゾン・コミュニケーションズが買われた。ホーム・デポやウォルト・ディズニーも高かった。半面、ボーイングやキャタピラー、エヌビディアなどは売られた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比50.662ポイント(0.26%)安の1万9230.739で終えた。アルファベットやメタプラットフォームズが下げた。一方、テスラは小幅高で終えた。
NYダウ 43958.19 ( +47.21 )
S&P500 5985.38 ( +1.39 )
NASDAQ 19230.73 ( -50.67 )
米10年債利回り 4.464 ( +0.036 )
NY(WTI)原油 68.43 ( +0.31 )
NY金 2586.5 ( -19.8 )
VIX指数 14.02 ( -0.69 )
【シカゴ日本株先物概況】
13日の日経平均先物は下落した。12月物は前日比290円安の3万8970円で終えた。
NYダウ平均は、この日発表された米物価指標を背景に連邦準備制度理事会(FRB)による利下げへの期待が高まり、反発した。
日経平均株価は大きく下げていたためシカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38970 ( +320 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39005 ( +355 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
13日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発し、前日比4.56ポイント(0.05%)高の8030.33で終えた。13日発表の10月の米消費者物価指数(CPI)で上昇率が市場予想並みにとどまった。米国で利下げ停止がありうるとの観測が後退し、投資家心理を支えた。
英HSBCホールディングスといった銀行が買われた。12日に2024年12月通期の収益見通しを上方修正した製薬のアストラゼネカや、エネルギー株が上昇した。
FTSEの構成銘柄では、通期の業績見通しを上方修正した医療機器・精密部品大手スミスグループが10.45%高と急伸。通信大手ボーダフォンが3.04%高、金融大手スタンダード・チャータードが2.34%高で続いた。一方、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループは7.23%安、複合企業DCCは3.79%安、医療機器のコンバテックは3.03%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
13日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比30.53ポイント(0.16%)安の1万9003.11と約1カ月半ぶりの安値で終えた。米長期金利が下がりにくいとの観測が重荷だった。13日発表の10月の米消費者物価指数(CPI)をきっかけに、米国で利下げ停止がありうるとの観測が弱まると、DAXは下げ幅を縮小する場面があった。
個別では、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEが6.17%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが4.70%安、製薬大手バイエルが3.52%安と下落。半面、中期の収益目標を引き上げたエネルギー大手シーメンス・エナジーは18.95%高と大きく買われ、電力大手RWE(6.14%高)と化学品商社ブレンターク(2.27%高)も相場を下支えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.14%安で終えた。投資家が注目していた10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想と一致したことも、積極的な売買を控える要因となった。