27日の東京株式市場は反落後、もみ合い展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万9400円-3万9800円を想定。(26日終値3万9667円07銭)
米国株は上昇。ダウ平均は15ドル高の39127ドルで取引を終えた。
きのう26日の日経平均株価は大幅に続伸。強い地合いの継続が期待される一方、直近3日間で1000円を超える上昇をみせていただけに、短期的な過熱感が警戒されそう。
為替相場は、ドル・円が1ドル=160円台の後半(26日は159円89-91銭)、ユーロ・円が1ユーロ=171円台の半ば(同170円98銭-171円02銭)と円安にフレていることから、輸出関連銘柄には支えとなりそう。場中は為替をにらみながら不安定な動きが続くと予想する。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、26日の大阪取引所清算値比205円安の3万9415円だった。
【好材料銘柄】
■ディー・エル・イー <3686>
K-POP事務所のiNKODEと業務提携し、日本で新たな総合エンターテインメント事業を展開する合弁会社を設立。
■Abalance <3856>
子会社TOYOと米ナスダックに上場するSPACであるBWAQとの合併を承認。TOYOは7月2日にナスダックに上場する予定。
■gumi <3903>
エンターテインメント事業を手掛けるSUPER STATE HOLDINGSと資本業務提携。第三者割当増資によって約30億円の資金調達を行う。
■大阪有機化学工業 <4187>
今期経常を13%上方修正、配当も6円増額。
■スパイダープラス <4192>
ベトナム最大手の設備工事会社シグマ社と協業。建設DXサービス「SPIDERPLUS」のベトナム市場向けローカライズ開発の強化と販売拡大を目指す。
■リンカーズ <5131>
日本郵便にビジネスマッチングシステム「Linkers for Business」を導入。
■前田工繊 <7821>
三井化学 <4183> 傘下で産業資材メーカーの三井化学産資の全株式を取得し子会社化する。取得価額は56.1億円。
【主な経済指標・スケジュール】
27(木)
【国内】
5月商業動態統計(8:50)
2年国債入札
《決算発表》
イズミ、平和堂、ハローズ、ナガイレーベ、オークワ、銚子丸、FフォースG、YE DIGIT
【海外】
米1-3月期GDP確報値(21:30)
米5月耐久財受注(21:30)
米5月NAR仮契約住宅販売指数(23:00)
米7年国債入札
《米決算発表》
ナイキ、マコーミック、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
26日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比15ドル64セント(0.03%)高の3万9127ドル80セントで終えた。
米主要経済指標の手掛かりに欠ける中、取引序盤のダウ平均は米長期金利上昇が嫌気され、軟調に推移。だが、アマゾンやアップルがけん引し、ダウはプラス圏に浮上した。
ただ、中盤以降は動意に乏しい展開。27日に行われる米大統領選に向けた第1回候補者テレビ討論会、28日発表の5月の個人消費支出(PCE)物価指数を控え、様子見気分が強く、ダウは前日終値をやや上回る水準で小動きに推移した。
5月のPCE物価指数は、全体、コアともに4月からの伸び鈍化が予想されているものの、米連邦準備制度理事会(FRB)高官からは利下げに慎重な発言も出ている。
ダウ平均の構成銘柄では、アナリストが目標株価を引き上げたアマゾンの上昇が目立った。最高値を更新し、時価総額は米企業で5社目となる2兆ドル超えとなった。アナリストが投資判断を引き上げたアップルにも買いが入った。前日に売られていたウォルマートとホーム・デポも上昇し、指数を支えた。
午前の取引でダウ平均は200ドルあまり下げる場面があった。米連邦準備理事会(FRB)の高官からは早期の利下げに慎重な発言が目立っている。26日の米債券市場で長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感を意識した売りが出た。
週内には11月の米大統領選に向けた候補者によるテレビ討論会が開かれるほか、FRBが重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の5月分の発表がある。目先の材料を見極めたい雰囲気もあって、持ち高を一方向に傾ける動きは限定的だった。
その他では、ボーイングやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、コカ・コーラが上昇した。一方、ナイキやアムジェン、トラベラーズが下げた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比87.502ポイント(0.49%)高の1万7805.156で終えた。新興電気自動車(EV)のリヴィアン・オートモーティブが大幅高となった。独フォルクスワーゲン(VW)がリヴィアンに投資すると発表し、経営を巡る不安が後退した。エヌビディアとメタプラットフォームズは小幅高で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比125円高の3万9415円で終えた。この日は日米株式相場がともに上昇し、日経平均先物にも買いが優勢となった。
NYダウ平均は、長期金利の上昇が重しとなり、寄り付きは下落。前日FRBの高官が相次いで利下げを急がない姿勢を示したことで利下げ期待が後退した。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39415 ( -205 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39470 ( -150 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8225.33(-22.46)
26日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比22.46ポイント(0.27%)安の8225.33で終えた。英国や米国などの長期金利が上昇し、投資家心理の重荷となった。
エネルギー株が売られた。英ロールス・ロイス・ホールディングスなど航空関連の銘柄に売りが続いたほか、飲食料品・たばこ株の一角に売りが出た。英豪リオ・ティントやスイスのグレンコアといった資源株が次第に伸び悩んだり、下げに転じたりしたのも指数の重荷だった。
グレンコアについては、英資産運用会社リーガル・アンド・ジェネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)が気候変動への取り組みの一環として保有するグレンコア株を減らす方針を示した。他方、銀行や製薬株の一角には買いが入った。
FTSEの構成銘柄では、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が2.59%安、段ボール大手スマーフィット・カッパが2.16%安、賭け屋大手エンテインが2.00%安と下げを主導。一方、医療機器のコンバテックは1.73%高、流通大手マークス&スペンサーは1.46%高、エネルギー小売り大手セントリカは1.32%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18155.24(-22.38)
26日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比22.38ポイント(0.12%)安の1万8155.24で終えた。米国での早期利下げの観測後退などを背景に米国やドイツの長期金利が上昇し、投資家心理の重荷となった。
個別では、航空機大手エアバスが2.82%安、化学大手BASFが2.60%安、自動車大手BMWが2.53%安と下げた半面、業務用ソフトウエア大手SAPは2.37%高、スポーツ用品大手アディダスは1.97%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは1.53%高となった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7609.15(-53.15)
フランスCAC40種指数は0.69%安だった。30日のフランス国民議会選挙第1回投票を前にした警戒感もリスク資産を手放す動きにつながった。