26日の東京株式市場は続伸後、上値の重い展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万8900円-3万9400円を想定。(25日終値3万9173円15銭)
米国株はまちまち。ダウ平均が下落し、S&P500とナスダックが上昇した。ダウ平均は299ドル安の39112ドルで取引を終えた。
S&P500とナスダックが上昇したという好材料の方に強く反応し、売りが手控えられることで上がりやすく下がりづらい地合いが続くと予想する。
日経平均株価は、きのう25日に大幅続伸した強い動きが継続するとみられ、買い先行となりそう。ただ、手がかり材料に乏しいなか、フシ目の3万9000円を2週間ぶりに超えたことから、戻り待ちの売りが控えているとみられ、買い一巡後はもみ合う場面もありそう。
為替相場は、ドル・円が1ドル=159円台の半ば(25日は159円48-50銭)、ユーロ・円が1ユーロ=171円台の前半(同171円06-10銭)と小動き。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、25日の大阪取引所清算値比140円高の3万9290円だった。
【好材料銘柄】
■リミックスポイント <3825>
オデッセイグループ、グッドフェローズと共同でNon-FIT低圧太陽光発電所の開発を推進。また、世界的パワコンメーカーGrowatt社製の産業用蓄電システムを販売開始。
■レイ <4317>
発行済み株式数(自社株を除く)の3.6%にあたる50万株(金額で2億5000万円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は7月16日から25年2月28日まで。
■川崎地質 <4673>
上期経常を一転59%増益に上方修正。
■GMOアドパートナーズ <4784>
親会社のGMOインターネットグループ <9449> がインターネットインフラ事業を再編し、持ち株会社体制に移行。GMOアドパートナーズはGMOの主力事業を承継し、GMOインターネットに社名変更、市場区分もスタンダードからプライムに変更となる。
■サワイグループホールディングス <4887>
発行済み株式数(自社株を除く)の15.8%にあたる690万株(金額で330億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は7月1日から25年3月31日まで。取得した自社株は25年4月30日付で全て消却する。
■三ッ星 <5820>
中国の威騰電気と戦略的包括業務提携契約を締結。
【主な経済指標・スケジュール】
26(水)
【国内】
配当・優待権利付き最終売買日
《決算発表》
瑞光
【海外】
米5月新築住宅販売件数(23:00)
米5年国債入札
《米決算発表》
マイクロン・テクノロジー、ゼネラル・ミルズ、ペイチェックス
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
25日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比299ドル05セント(0.75%)安の3万9112ドル16セントで終えた。前日におよそ1カ月ぶりの高値を付けた後で、主力株の一部に持ち高調整の売りが出た。同日発表の米景気指標が経済の減速感を示したことも、重荷となった。下げ幅は400ドルを超える場面があった。
米長期金利の高止まりなどを背景に、家計が自由に使える金額が減ると見込まれている。家のリフォームを手控える動きが広がるとの見方から、住宅改装用品販売大手ホーム・デポが大幅に下落。弱気な業績見通しを幹部が示した小売り大手ウォルマートのほか、ナイキ、マクドナルドといった一般消費財銘柄も大きく値下がりし、ダウ平均を押し下げた。
一方、前日まで3営業日続落していた半導体大手エヌビディアがこの日は買い戻され、ナスダックの伸びを主導した。グーグルの親会社アルファベットやメタなど大型IT株が軒並み買われた。
6月の米消費者信頼感指数は100.4と前月(101.3)から低下した。市場では、「消費者の購買意欲と購買力への懸念がある」との受け止めがあった。同日発表の6月のリッチモンド連銀製造業景況指数はマイナス10と前月の0から悪化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(マイナス0.5)を下回った。
米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は25日の講演で、「政策金利の引き下げが適切だという段階にはない」との見方を示した。クック理事は同日の講演で、「利下げ時期については今後の経済指標がどんな見通しやリスクを示すかによる」と語った。FRBが利下げを急がない姿勢を示し続けており、市場参加者の警戒につながった。
個別では、ウォルマートが2.1%安で終えた。経営陣が2024年5〜7月期の見通しに慎重な見方を示し、売り材料となった。ホーム・デポやナイキなど消費関連株の一角に売りが膨らんだ。
ボーイングも下落した。航空機大手の欧州エアバスが24年12月期通期の業績予想を下方修正した。欧州市場では株価が大幅安となり、ボーイングの売りに波及した。
一方、セールスフォースやマイクロソフトといったハイテク株が買われた。「前日の相場と正反対の動きで、売りが一巡したハイテク株に買いが集中した」との声が聞かれた。アナリストが投資判断を「買い」で銘柄調査を開始したウォルト・ディズニーも高かった。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前日比220.837ポイント(1.26%)高の1万7717.654で終えた。前日までの3営業日で13%近く下げていたエヌビディアには買いが集まり、6.7%高で終えた。このところ下げが目立っていた他の人工知能(AI)関連銘柄やハイテク株の一部にも買いが波及した。テスラやアルファベットも上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
25日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比580円高の3万9290円で終えた。この日は日経平均株価がおよそ2カ月ぶりの高値をつけ、ナスダック総合株価指数が反発したのもあって日経平均先物に買いが入った。
NYダウ平均は、米国の消費の先行きに対する懸念が高まり、6営業日ぶりに反落した。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39290 ( +140 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39340 ( +190 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8247.79(-33.76)
25日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比33.76ポイント(0.40%)安の8247.79で終えた。フランクフルト株式市場などで欧州エアバス株が大幅安となったのを受け、ロンドン株式市場でも航空・防衛大手の英BAEシステムズや航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスといった銘柄に売りが膨らんだ。
英ナットウエスト・グループなど銀行株にも売りが優勢だった。ナットウエスト株については、英政府が株式の保有比率を一段と減らしたことが明らかになった。一方で製薬大手の英アストラゼネカや、石油大手のシェル株は買われた。
FTSEの構成銘柄では、高級衣料のバーバリーが4.46%安、医療機器のコンバテックが4.14%安、通信大手BTが3.52%安と大きく売られた。一方、自動車保険のアドミラル・グループは2.26%高、格安航空大手イージージェットは1.85%高、包装資材大手DSスミスは1.42%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18177.62(-147.96)
25日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比147.96ポイント(0.80%)安の1万8177.62で終えた。
頭頸(けい)部がんの治療薬の治験中止を公表した医薬・農薬大手の独メルク株が大幅安となるなどヘルスケア関連の銘柄にも売りが出た。半面、ソフトウエア大手のSAP株が上昇したほか、自動車株の一角に買いが入った。
個別では、24日に2024年12月通期の民間航空機の納入目標と業績目標を下方修正したエアバスが9.51%安と急落。ほか、医薬大手メルクが5.72%安、航空機エンジン大手MTUエアロも3.50%安と売り込まれた。半面、通販大手ザランドは1.48%高、業務用ソフトウエア大手SAPは1.26%高、素材化学大手コベストロは1.19%高で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7662.30(-44.59)
フランスCAC40種指数は0.58%安だった。フランス国民議会選挙の第1回投票を30日に控えた警戒感も欧州株の重しとなった。