21日のNYダウ工業株30種平均は小幅に4日続伸し、前日比15ドル57セント(0.03%)高の3万9150ドル33セントで終えた。相対的に出遅れ感のある銘柄に買いが入り、ダウ平均を支えた。ダウ平均の構成銘柄ではないがエヌビディアが下げ、株式相場の重荷となった。
この日発表されたS&Pグローバルの米製造業・サービス業購買担当者景況指数(PMI)は市場予想を上回ったものの、民間有力調査会社コンファレンス・ボードが発表した米景気先行指標総合指数は前月から低下した。強弱の入り交じる内容だったことから、一進一退の状況が続き、ダウの上値は総じて重かった。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利下げ期待を背景に、長期金利の上昇が一服したことは相場にプラスに働いた。
市場では「米景気の底堅さやインフレ鈍化の流れに加え、米利下げ期待が米国株の支え」との声があり、足元で売られていた消費関連株などに見直し買いが入った。
エヌビディアは3%下落し、前日からの2営業日で6%あまり下げた。マイクロン・テクノロジーやブロードコムなど足元で上昇が目立っていた半導体株の一角も売られた。人工知能(AI)関連投資の過熱感が高まり、エヌビディアなどに一段の利益確定売りが出るとの見方が意識された。
この日のダウ平均は120ドルあまり上げる場面があったが、上値が重かった。一時は下落に転じるなど方向感が定まらなかった。ダウ平均の構成銘柄では、マクドナルドやナイキ、アマゾン・ドット・コムが高かった。一方、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースは売られた。アップルも安い。
ダウ平均は週間で561ドル(1.45%)上昇した。上げ幅は5月上旬以来の大きさだった。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比32.226ポイント(0.18%)安の1万7689.361で終えた。メタプラットフォームズが下げた一方、アルファベットは買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
21日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比70円安の3万8475円で終えた。
NYダウ平均は、まちまちな内容の米経済指標を受けて方向感に欠ける中、小幅続伸した。
ナスダック総合株価指数は続落した。これまで上昇が目立っていた半導体株の一角などが下げ、日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38475 ( -125 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38520 ( -80 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
21日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比34.74ポイント(0.41%)安の8237.72で終えた。ユーロ圏の政治情勢や景気について不透明感が改めて意識されるなか、欧州の銀行株とともに英株式市場でも銀行株に売りが膨らみ、FTSE100種指数を下押しした。
FTSE100種指数は、週間では6週ぶりに上昇した。21日終値は前週末比で1%高い水準となる。英イングランド銀行(中央銀行)の利下げ期待が支えとなった。
FTSEの構成銘柄では、産銅大手アントファガスタが4.10%安と下落率トップ。医療機器のコンバテックは2.55%安、航空機エンジン大手ロールス・ロイスは2.53%安だった。一方、保険大手フェニックス・グループ・ホールディングスは4.16%高、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズは1.62%高だった。
FTSE100種指数の構成銘柄以外では、英清涼飲料ブリトビック株が大幅高となった。デンマークのビール大手カールスバーグから買収提案を受けたものの、企業価値を低く見積もっているとして拒否する方針だと21日に公表した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
21日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比90.66ポイント(0.49%)安の1万8163.52で終えた。21日に発表された6月のドイツやフランスの企業景況感を示す指標が前月から悪化し、欧州の政治情勢や景気の不透明感が改めて意識された。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジー(5.18%安)が大きく売られたほか、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ(2.99%安)やドイツ銀行(1.91%安)が低迷。他方、素材化学大手コベストロ(1.83%高)やドイツ取引所(1.10%高)などが買われた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場で、フランスの主要な株価指数であるCAC40は反落し、前日比0.55%安で終えた。ソシエテ・ジェネラルやBNPパリバなど前日に買われていた銀行株が再び売りに押され、指数の重荷となった。
週間ではDAXが前週末比約0.9%高、CAC40が同約1.7%高と、ともに2週ぶりに上昇した。