今回は、株価に影響を与える信用残からどのような投資家心理が読み取れるのか確認してみましょう。
信用残は正式には
「信用取引残高」といい、信用取引を使って今現在売ったり買ったりしているそれぞれの取引の合計が信用残ということになります。
詳しくお話しすると、
信用取引では通常6ヶ月以内に精算(決済)を行わなければなりません。
そもそも信用取引自体、証券会社から資金を借りたり株券を借りて取引を行いますから、どちらの場合でも取引から6ヶ月以内にその取引を精算(決済)しなければならないということになります。
そして、信用取引と使った売買でまだ精算(決済)がおこなわれていない買い取引の残高を「
信用買い残高」、売り取引の残高を「
信用売り残高」と言い、それぞれ「
買い残」「
売り残」などと呼ばれます。
信用取引の決済方法には3つの方法がありますが、「
反対売買」で決済するのが一般的です。
信用取引の決済方法
「反対売買」:信用買いの場合は、売って決済する方法。信用売りの場合は買い戻して決済する方法。
「現引き」:代金を支払って信用で買い建てた株式を取得する決済方法。
「現渡し」:信用で売り建てた株式を受け渡す決済方法。
上記のように、
信用取引をおこなってから6ヶ月以内に、「信用売りをしたなら"買い"」、「信用買いをしたなら"売り"」という"反対売買"によって決済がおこなわれます。
このため、「売り残」が増えるほど、反対売買にともなう買い注文につながることから、一般的には"「売り残」は株価の上昇要因となる可能性がある"と言われます。
反対に、"「買い残」は反対売買にともなう売り注文につながることで、将来の株価下落の要因となる可能性がある"と、一般的に言われます。
しかし、必ずしも「売り残」が増えれば株価が上がり、「買い残」が増えると株価が下がるという単純なものではありません。
なぜなら、株価の動きに関連して働く投資家心理が深く影響するからです。
チャート等では、ローソク足のチャートと共に「信用残」の推移を折れ線グラフで見ることができます。
単純に信用残の数字を知るだけでなく、株価の動きと信用残の動きを一緒に見ることができるので、信用残の折れ線グラフと、株価を見ながら、信用残が株価にどんな影響を与えるのか、見ていきましょう。
参考になる株式情報サイト、もっと知りたい方に
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