干支(えと)が丑(うし)となる2021年。
市場では株価の伸び悩みへの懸念が広がっている。丑年の相場格言は「つまずき」で、これまでのアノマリー(経験則)でも年央に天井をつけて後半に下落する傾向がある。
某証券会社によると、1950年以降で丑年の日経平均株価の年間騰落率は平均でマイナス0.05%。午(うま)年のマイナス5.04%に次いで2番目に悪い。岩戸景気の最終局面となった61年や、アジア通貨危機が起きた97年など、年央が相場の天井になった年が多い。
短期的なリスク要因は、世界的なコロナ感染拡大(ロックダウンによる経済封鎖、死亡者の拡大)によって世界景気が低迷することなどだ。
ただ、現在のマーケット参加者は、EPS(1株当たり利益)水準の低さや高PER(株価収益率)では割高と見ているかもしれない。だが、それ以上に、「コロナを克服する、(遅くても)数年後の業績」をイメージするようにスタンスが強気に変わっているからだ。
債券市場ではアメリカの長期金利上昇、為替はアメリカのジョー・バイデン次期政権の「ドル安(円高)政策」などに注意したい。また同国の株式市場にはもちろん引き続き注意。マーケットには絶対はなく、リスク要因を見極めながら、しっかりと相場に挑みたい。
2021年夏に開催予定の東京五輪・パラリンピックも感染状況によってはどうなるかが見通せない。「開催期待がはげ落ちれば株価の重荷になる」と話す。「子(ね)は繁栄」の格言通り相場が上昇した2020年から一転、2021年は難しい展開が予想されるかも。
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