株式市場の「SNS」
言葉は厳密な意味で使われなければならない。
特に株式市場では重要なことだろう。
しかし、アルファベット3文字になっているとわかったようなツモリで済ませてしまうことも多い。

例えばERPだ。
コンピュータソフトの世界では頻繁に使われる。
しかし「Enterprise Resources Planning 」とまで詳しくはない。

日本語では「基幹系情報システム」。
企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し有効活用する計画=考え方を意味している。

あるいは「エンデベ」。
エンテベ国際空港ではない。
正しくは「エンベデッドシステム (Embedded system)」。
日本語では「組み込みソフト」となる。よく使うのは、SNSだろう。 一般的には、「ソーシャル・ネットワーク・サービス」。
「人のつながりを電子化するサービス」だ。

あらたなSNSを登場させたのは日経ヴェリタスの今週号だ。
「ソニー・任天堂・ソフトバンク」の略だという。復活鮮明なソニー。
ソフト戦略を再構築しディズニーを追う任天堂。
そして世界投資で「生態系」作りを進めるソフトバンク。
「和製FANG」になれるか、というのがその問いかけでもある。
電子端末では、NYダウに関する興味深いデータがある。
昨年からの上昇率は、20%を超えた。
そして今年は下落したのは、3月の0.7%だけだった。
NYダウの算出開始は、1896年。
この間、年間で下落した月は1回だけというのは1958年の1回だけ。
1958年は2月の2.2%の下落だった。
ということは、12月も下落しなければ、歴史上もっとも押し目が小さい相場になる。

一方で、割高を指摘するのはCAPEレシオ。
31.3倍は割高という説に対抗すると・・・。

※CAPEレシオ (Cyclically Adjusted Price-to-Earnings Ratio) は、景気循環調整後の株価収益率(PER)を示す投資指標である。株式市場の長期的な評価に用いる。

CAPEレシオは、過去10年に遡って計算するもの。
現在のEPSはリーマンショック後のEPS急減時期が含まれている。
EPSを09年11月からの8年にするとCAPEレシオは27倍に低下する。
31倍と27倍って言う差はそんなに多いとは思えないのだが、こういう空理空論は市場が好きなようだ。
昭和バブルのPER60倍と今の14倍なら明らかな差となるが・・・。

東京株式市場の堅調さの背景は、中間配当という見方もある。
9月中間期末の配当総額は4.3兆円で過去最高。
昨年比10%超の増配だ。

機関投資家は、9月権利落ち時点で配当分の再投資を先物ヘッジしている。
しかし個人投資家はそんなことはしない。
配当を消費に回す向きもあれば、配当をもらってから再度株に回すこともある。
個人株主比率は約2割。

となると約8000億円のお金がこの数週間に支払われることになる。
その時限は概ね12月11日。
結構見過ごせない金額だろう。

セカセカと釣り竿の先を上下させるのはイカ釣りくらいだろう。
餌をぐわっと食べる瞬間まではジーと待ちの姿勢、着実に引っかかってから、リールを巻くのが極意だ。
株も一緒のような気がする。

リールを巻く瞬間をこよなく楽しむためにはセカセカではいけない。
そうすれば株の太公望になれるような気がする。
 
人気のコラム アクセスランキング
【1位】
櫻井英明の株式辞典【ひ行】
【2位】
櫻井英明の株式辞典【は行】
【3位】
櫻井英明の株式辞典?【に行】

ビジネス 健康 生活
マネー 株主優待 ふるさと納税
株式基礎講座 確定申告 NISA


企業TOPとのインタビュー動画など盛りだくさん


きらりとひかる 上場企業のなでしこたち