株式市場では、季節関連株というのがあります。
季節によって株価の変動に影響を受ける株のことを指します。
株価は、企業業績などに連動するものですが、季節性の強い商品を扱っている企業においては、季節の移り変わりや天候の影響によって株価に変動が生じます。
例えば、猛暑が続くとビール会社、エアコン関連の企業が注目されるといった具合です。
あるいは、寒い日が続くと暖房機器メーカーや石油関連会社に注目になったりします。
毎年、季節は訪れます、季節の影響によって業績に左右され関連銘柄の投資が増え、それが株価に反映するわけです。
キリンホールディングス (2503) 東証１部
チャート出典：ストックウエザー株式会社
5月からは来春の入学や入社があるため、ランドセル、文房具、制服など、入学にあたって必要な用品の需要が高まります。
例えば、文具であれば、コクヨ<7984>、三菱鉛筆<7976>、パイロットコーポレーション <7846>、キングジム <7962>などの銘柄が注目されます。
キングジム (7962) 東証１部
チャート出典：ストックウエザー株式会社
パイロット<7846>の「コクーン」は英語でカイコなどの「繭（まゆ）」という意味で、若いビジネスマンに人気になっています。
この時期の季節に影響を受ける銘柄群がまだあります。それは、ランドセル関連です。
ランドセル市場の規模は500億円〜600億円と言われますが、そこに30社以上のメーカーがひしめく激戦区なのです。
ランドセル商戦がいよいよ本格化してきています。
ランドセルは2つ要りませんので、先に買ってもらわなければなりません。
数年前まで、ランドセル商戦といえばお盆明けから年末までがピークでしたが、近年ではゴールデンウイーク（GW）頃から商戦が始まり、秋後半にピークを迎えるそうです。
GWや夏休み、お盆休みなどで帰省した際に一緒に選び、秋までに予約を済ませてしまうケースも増えているようです。
セブン＆アイ・ホールディングス<3382>
イトーヨーカドーのオリジナルランドセル「Fine Fit」。天使のはね（セイバン）に似ており、女の子のラグジュアリーなデザイン、男の子は力強いデザインが特徴。
機能が充実していることも特徴。「天使のはね」「3D肩ベルト」「ひねピタ」「ぴたっこ美錠」など。背中にフィットし、体への負担を軽くする工夫も数多くなされています。
チャート出典：ストックウエザー株式会社
ニトリＨＤ<9843>は、業界では５万円以上のランドセルが主流になっていますが、「わんぱく組」シリーズは2万2000円からと低価格帯に強みを持っています。
クラレ<3405>は、「ランドセル＝クラリーノ」という方程式が広く浸透しています。クラリーノとは「人工皮革」のことです。
ランドセルの素材はかつて牛革が主流でしたが、現在は7割をクラリーノが占めるとされています。ランドセルに採用されてから今年で50年になります。
丈夫さや軽さからランドセル素材として根強い人気です。ランドセルのほか、各種ボール、シューズ、グローブなどにも使われています。
コクヨ<7984>では、園児とママの情報誌「あんふぁん」とコラボ。大きさはほぼ一緒でも収容量アップの商品など展開しています。
季節に影響する株式投資の考え方は、意外に素直な動きなのかもしれません。メインの指標とはなりえないとしても、一つの参考にしていただけたらと思います。
