2017年10月24日、「第3期がん対策推進基本計画」が閣議決定した。
基本計画は、2017〜22年度の6年間のがん対策の指針になっている。
厚生労働省HP 第3期がん対策推進基本計画(概要)より
がんの克服を目指すことを全体目標に掲げ、
(1)がんの予防
(2)がん医療の充実
(3)がんとの共生
(がん患者が安心して暮らせる社会の構築)
を3本柱に施策が進められる。
新計画では、がんを早期発見し、治療につなげるため、現在は30〜40%のがん検診の受診率を50%に引き上げる目標を設定。 さらに検診でがんの疑いがあった場合に受ける精密検査の受診率を90%に引き上げ、がんによる死亡者を減らすという。
また、ゲノム(全遺伝情報)を調べて最適な治療法を選ぶ「がんゲノム医療」の拠点病院を整備。患者や家族の理解を深める普及啓発も取り組むとしている。
これを発表受けて、株式市場でも関連企業が注目されている。
関連銘柄の代表格としてプレシジョン・システム・サイエンス<7707>が買われている。
同社は、がんに関連した遺伝子の変異を調べられる次世代シーケンサー(塩基配列解析装置)の前処理装置などを販売しており、関心が集まっている。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
また、遺伝子解析検査サービスなどを展開するDNAチップ研究所<2397>も注目されている。
同社はDNAチップや次世代シークエンサーによる遺伝子受託解析を主力事業としている。さらに遺伝子解析を用いたうつ病の診断技術開発もしている。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
他では、遺伝子検査の子会社を持つテラ<2191>やマウス使った遺伝子解析に強みを持つトランスジェニック<2342>、ウイルス遺伝子改変技術を活かした検査事業のオンコリスバイオファーマ<4588>や遺伝子医薬に特化した開発のアンジェス<4563>なども同様に物色人気が高まってくるだろう。
一昔前、がんは外科手術で患部を切り取るかあきらめるかの選択しかなかった。
「がんの特効薬は夢」とまで言われていた。
現在、医療の進歩は目覚ましくがんの治療に効果を上げている。
日本の成長戦略の柱として注目されている。
株式市場で出遅れているバイオ関連銘柄への手掛かり材料になるであろう。
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