認知症は高齢者だけの病気ではない

認知症が原因で、生活上での混乱や周囲とのトラブル等から大きな社会問題となっている。
衝撃的だったのは、「ドラえもん」などの声で圧倒的な人気の声優・女優である大山のぶ代さんが、認知症で闘病中であると報じられたことだ。

世界の大手製薬企業、いわゆるメガファーマもしのぎを削っている。イーライ・リリー、ロシュ、ノバルティスといった海外の上場企業も、認知症の発症前などをターゲットに新薬の開発を進めている。
認知症薬は、その市場規模の大きさから株式市場でも注目を集めている。

厚生労働省によると、認知症は2012(平成24)年で約462万人、2025年には700万人を超えると推計している
約10年で1.5倍に増加し、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症ということになる。

「認知症」は、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態のことを指す。

病名ではなく、特有の症状を示す状態を総称する言葉。
認知症を引き起こす病気はたくさんありますが、代表的なものは「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」「(脳)血管性」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症(ピック病)」の4つある。
 
 

出所:平成28年版高齢社会白書

また、認知症は高齢者だけの病気ではない。
65歳未満で認知症を発症する場合もあり、「若年性認知症」と呼ばれている。
若年性認知症はアルツハイマー病が多く、とくに40代、50代の働き盛りで起こると老年性の認知症よりも早く進行し、症状も重くなる傾向がある。

出典:厚生労働省通知


世界で3秒に1人の割合で発症すると言われ、国際アルツハイマー病協会の調査でも認知症は高齢化の進展に伴って患者が増え続けている。2015年に4680万人の患者数が50年には1億3150万人に増加するとも予想されている。

記憶障害や判断力の低下などの中心的な症状のほか、過度の焦燥感や興奮、攻撃性、精神の不安定さなどの周辺症状も起きたりする。
超高齢化社会の到来で、認知症患者と社会との関わりもまた増えることになるが、認知症は症状の進行が事故や事件につながりかねず、治根本的な治療や予防法も確立はされていない。
症状を抑え、進行を遅らせる治療薬は順次開発されており、発症の仕組みとともに効果的な治療薬の開発が期待されている状況だ。

 
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