世界が認める日本食。
2013年12月に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され和食産業には追い風が吹いている。
寿司やすき焼きなど、日本食は世界各国に進出し、海外展開も盛んに行われており、今では海外の専門店でも食べられている。
海外の日本食レストラン数は2006年から10年で約5倍と急増している。
寿司をはじめ、刺身に天ぷら、さらには焼き鳥やラーメンなど、挙げたらキリがないほどジャンルは幅広い。
四季折々の食材を使い、繊細な職人技と素材の魅力を最大限に生かした調理法は、クールジャパンの文化を象徴する存在だろう。
中でも人気上昇しているのがラーメン。
そして外国人が好きな日本ラーメンで思い浮かぶのが一蘭や一風堂といった豚骨系ラーメンだろう。
力の源ホールディングス <3561>の経営するラーメン専門店「一風堂」は、ニューヨークやロンドンに進出するほど昨今のラーメン人気がすさまじい状況だ。
なんと中国で、絶大な人気なのが、ズバリ「味千ラーメン」だ。
もはや揺るがないほどの地位を築いているのをご存知だろう。
熊本生まれ、熊本育ちの「九州熊本豚骨 味千ラーメン」です。日本全国約90店舗をチェーン展開し世界各国でも活動している。海外店舗の数は中国だけで600店舗以上という。
外国人にとってメジャーなラーメンの味といえば、もっぱら豚骨だろう。
次の新たなブームになる可能性が高い「新ラーメン」があるという。
「鰹節」や「鯖節」といった「(魚)節(ぶし)」を使ったラーメン。
日本人が古くから慣れ親しんできた鰹節は、ラーメンの世界においても目新しい食材ではない。特に日本蕎麦をルーツとするラーメン店などにおいては、戦後間もない頃から鰹節は当たり前のようにラーメンに用いられている。
ラーメン業界では、常に新しい食材や製法を模索し続けている。その大半は瞬発的なブームで終わってしまい、定着していくことは少ない。
果たしてこの「節ラーメン」は業界に定着していくのだろうか。これからも注目だろう。
さて、NHK朝ドラ「まんぷく」の影響で株式相場でも麺関連ブームが起きた。
日清食品創業者の安藤百福と、その妻・仁子をモデルにしている。
日清食品ホールディングス<2897>よれば、インスタントラーメンは1958年に同社創業者の安藤百福が発明したとされるため、即席ラーメン完成の年が1958年だろう。
1958年8月25日に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が発売された。
その後、カップヌードルを発売(カップヌードル誕生は1961年)。当時売り上げはいまひとつだったが、非常食としてじわじわ浸透。
翌年1972年に連合赤軍の起こした「あさま山荘事件」で機動隊員がカップヌードルを食す姿がテレビで放映され爆発的ヒット商品になった。
1980年代から海外にもカップヌードルが広まりをみせ、海外ではラーメン屋の“本物”の味を知ることなく即席ラーメンが主流となっていった。
朝ドラが追い風となり、日本で「チキンラーメン」の売り上げが爆発的に伸びた。
さて、日本ではラーメンの価格は1000円以下で安いものだと500円くらいで食べられる。
とても身近にあるもので、決して高級品ではない。
いったん海外に出ると、それは日常食ではない位置づけになっている。
国によっては、一杯1500円から2000円したりする。
トッピングなどであっという間に2000円超えている。日本では考えられないだろう。
おいしいラーメンを食べるということもそうだろうが、外国人は簡単に日本の雰囲気を味わえる場所、という利用の仕方はしている側面もあるようだ。
ラーメンはいまやラーメン専門店、中華料理店だけでなく、レストラン、立ち食い蕎麦店、焼肉店など様々なお店で提供されるようになった。
そんな中でも “回転寿司”チェーンのラーメンにも注目だろう。
もはや国民食と呼んでもいいかもしれないラーメン。
2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催に向けてさらに国内和食市場の拡大が見込まれている。
ラーメンチェーンを展開する上場企業は見逃せないだろう。
「一風堂」の力の源ホールディングス <3561>、「幸楽苑」の幸楽苑ホールディングス <7554>、「日高屋」のハイデイ日高<7611>、「8番らーめん」のハチバン <9950>、「山岡家」丸千代山岡家<3399>、「横浜家系」のギフト<9279>などがある。
今後も和食ブームも相成り、ラーメンも爆発的に海外に浸透していくだろう。
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