科学情報サービス会社の米クラリベイト・アナリティクスが20日、ノーベル賞候補者22人を発表し、日本人では化学賞に桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が候補に選ばれた。
エネルギー変換効率の高い次世代太陽電池に用いる「ペロブスカイト材料」の研究業績が評価された」と伝えられた。
宮坂教授は、「ペロブスカイト」と呼ばれる結晶が太陽電池になることを発見。従来の太陽電池より安価に製造できるため、実用化が期待されている。
株式市場でも、ノーベル化学賞の受賞者予想発表で連想買いが出ている。
まずは、関連銘柄として、第一稀元素化学工業<4082>が急反発している。
ペロブスカイト系材料を製品化している同社に関連銘柄としての注目が集まった格好だ。
ペクセル・テクノロジーズは,プラスチック基板を使った色素増感型太陽電池の開発を進めている。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
同社の業績は前期・2017年3月期に連結純利益などが最高を更新し、今期は減益を見込むが高水準を続ける見通し。今期の会社予想1株利益は132円36銭。株価はPER12.5倍前後のため割安感がある。
また、ペロブスカイト太陽電池の実用化を目指している桐蔭横浜大学発ベンチャーのペクセル・テクノロジーズ(神奈川県横浜市青葉区)と共同で進め、次世代薄型フレキシブル太陽電池の開発に成功した。藤森工業<7917>や昭和電工<4004>も思惑から買いが入っている。
他では、堺商事<9967>が一時ストップ高まで買われた。
同社は、化学品専門の貿易商社。化成品や合成樹脂、電子材料、鉱産品等を手掛ける。
燃料電池向けにペロブスカイト化合物を取り扱う同社も関連銘柄として人気化している。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
例年、この時期は、ノーベル賞関連銘柄に思惑から買い物が集まっている。
今年のノーベル賞は、10月2日に医学生理学賞、3日に物理学賞、4日に化学賞が発表される。
積極的に買いが持続するかは微妙だが、ノーベル賞関連物色は売買のスピード感が必要と考える。早い段階で仕込むことができればかなり面白いのでは。