人工知能やビッグデータといった最先端のIT技術を活用した新たな金融サービスをさす「フィンテック」という言葉をよく耳にするだろう。
スマートフォンで買い物の支払いができたり、指紋で預金を引き出せたりといったサービスも、フィンテックの1つ。
このフィンテックを支える基盤として、いま、注目されているのが「ブロックチェーン」と呼ばれる技術なのだ。
経済産業省は、「ブロックチェーン」をIT(情報技術)と金融を融合した「フィンテック」の次の注目技術と期待している。
株式市場もブロックチェーン関連銘柄が、株価急騰したりして注目されている。
近年、注目度がどんどん高くなってきている仮想通貨だが、その代表格がビットコイン。
仮想通貨ビットコインの取引を支える新技術も「ブロックチェーン」。
改ざんされにくいといったメリットに着目し、自社のサービスでの応用を狙う企業が増えている。
株式市場で、仮想通貨も引き続き注目されているが、ブロックチェーン関連銘柄は、仮想通貨関連銘柄、フィンテック関連銘柄などとともに常に注目しておきたい。
注目度が高く有力なブロックチェーン関連銘柄を紹介しよう。
インフォテリア<3853>は、6月24日に開催した定時株主総会で議決権行使におけるブロックチェーンの実証実験に成功済みになっている。
ロックオン<3690>は、テックビューロと共同でブロックチェーン技術「mijin」を応用したECのゼロダウンタイム受注エンジン開発の実証実験を行っている企業だ。テックビューロとは、国内唯一のブロックチェーン技術を持っている非上場企業。
D.A.コンソーシアムホールディングス<6534>は、グループのデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムは4月下旬から、ブロックチェーンを用いたデジタル広告効果透明化の実証実験を始めている。
システム開発会社の
キューブシステム<2335>は、商業登記や不動産登記などのシステム構築ではブロックチェーン分野に取り組んでおり、引き合いも多く今後の業容拡大につながる可能性がある。
データセンター運営の業界大手、
さくらインターネット<3778>は、テックビューロとブロックチェーンの実証実験環境「mijinクラウドチェーンベータ」を金融機関およびITエンジニア向けなどに無料提供を開始すると発表している。
さて、「ブロックチェーン」は、いったいどんな技術で、どんな可能性を秘めているのだろうか。
「ブロックチェーン」では取引データの管理者が存在しない。
分散型ネットワークとは1つの場所にデータをまとめず、世界中に存在するいくつものデータベースにデータを保存することで、破壊されづらいネットワークを構築する技術。
「ブロックチェーン」は、破壊されたデータを他のサーバーに保存されている複製から修復できるため、データを保持するすべてのパソコンを壊さない限りシステムが止まることはない。
【メリット】
○従来よりも圧倒的に強固なセキュリティ
○仲介役を省ける
○低コスト
さまざまなことに応用できる
経済産業省がまとめた報告書では、応用が期待される具体例として、サプライチェーンは、原材料から製造過程、流通、販売までを一貫してブロックチェーンで管理できる可能性にする。
小売店や卸売り、製造会社ごとにばらばらに管理されていた在庫情報が透明化されたり、不具合品が見つかった場合もすぐに追跡できたりする効果が期待されるという。
また、土地登記や特許など国が管理するシステムへの活用などをあげ、産業構造に大きな変化を与える可能性があると指摘している。
経済産業省は、ブロックチェーンが影響を及ぼしうる市場の規模は67兆円程度に上るという予測も示している。
「ブロックチェーン」は、あらゆる分野へ拡張融合していく無限の可能性を秘めた革新的技術なので将来性は非常に明るい。
株価成長を遂げる企業が台頭する可能性もあり、今後も目が離せないセクターだろう。