株式市場は推理推論の世界です。
大きな流れで、日本や世界の経済は上向きなのか、下向きなのか。
小さな流れで、この企業の業績は上向きなのか、ニュースはどう株価に影響するのか。
目の前を流れていく数々の情報を読み解いて、あなたなりのセンスで未来のシナリオを描いて投資するのが「株」だと言えます。
例えば、ルール(大前提)から結論を導く演繹法でシナリオを考えると
1、「好業績企業の株は上昇する」
2、「A社の業績(決算)は良い」
3、「だからA社の株は上昇する」
説得力のあるコメントに見えます。
しかし演繹法の欠点は、正しくない前提を用いてしまうと読み間違えること。
A社の業績は「前期は良くても今期が良くない」ですと前提が崩れてしまいます。
一方で、多くの事実から類似点をまとめ上げることで結論を出す帰納法ならば、
・「海外投資家の日本株保有比率は上昇している」
・「アンケートでは7割の海外投資家が株は上がると考えている」
・「日本株が上がってきたら買いたいと思う海外投資家が全体の7割に及ぶ」
→「海外投資家は日本株を買い続ける」という結論に至る。
ただしここでも、選んだ事実が偏っていると、論理が破綻します。
例えば「日本株が上がったら買いたい海外投資家が7割」を選んで「日本株が下がったら売りたい投資家が8割以上」ということを見逃していると、前提条件が崩れます。
こうした論理の違いを踏まえて、自分の相場観を養いましょう。
例えば、2018年第1四半期の決算。経営危機のさなかにあった東芝が、1兆円という過去最高の利益を出しました。
しかしこれは、半導体時事業という虎の子を手放したことによる一過性のもの。
グッドニュースと読む人はいなかったため、株価も上がりませんでした。
ニュースから全体像を見ることも大切なのです。
【株式名言】
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