この冬は全国的に厳しい寒気に見舞われている。
気象庁は、太平洋東部の南米ペルー沖の海面水温が低い状態が続き、世界的な異常気象の原因となる「ラニーニャ現象が発生したとみられる」と発表。
日本周辺で西高東低の冬型の気圧配置が強まりやすく、全国的に気温が下がる可能性がある。
厳しい寒さで大雪関連銘柄に注目が集まっている。
いわゆる季節関連銘柄は、急騰習性は持つものの、思惑買いのなかで株価上昇が一過性となる場合も少なくはない。ただ、今年の大雪関連銘柄は、例年とは一味違う。
大雪は時として、人的被害に加え地域経済に大きな悪影響を与えることもある。備えあれば憂いなしになるだろう。
株式市場でも除雪作業や大雪対策に関連する需要を思惑視した買いが入っている。
気象状況に影響を受け大雪関連銘柄が動意づいている。
除雪作業機を手掛けるタカキタ<6325>、ショベル、スコップなどを製造する浅香工業<5962>が急伸するなど、大雪関連銘柄に買いが入っている。
除雪を行う必要があるため、除雪機・融雪剤散布車などのニーズもある。
ショベルの大手メーカー浅香工業<5962>は、降雪状況に対し株価が反応することで知られ、大雪関連の中核的存在といえる。除雪用にショベル需要が拡大するとの思惑から買いが入った格好だ。ここ数年の業績は拡大傾向が続き、株価はPER20倍台だがPBRは0.7倍台。1株当り純資産を下回る水準のため評価不足感が強いようだ。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
農機メーカーで融雪剤散布車も手掛けるタカキタ<6325>は、厳冬関連株としての側面を抱える。小型の除雪作業機も手掛け、大雪関連銘柄の一角としても人気になっている。株式需給面では、信用倍率が0.84倍と売り長で日証金でも株不足の傾向にあるなど、上値の軽さを反映している。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
積雪したり路面が凍結すれば、自動車はスタッドレスタイヤやタイヤチェーンを装着する。
カー用品専門店チェーンで、スタッドレスタイヤ、スノータイヤといった冬用タイヤの需要拡大が期待される。カーメイト<7297>、オートバックスセブン<9832> 、イエローハット<9882> などが挙げられる。
冬用タイヤの需要拡大では、住友ゴム工業 <5110> 、横浜ゴム <5101> など大手タイヤメーカーの株価にも連想が働くだろう。
冬物商品の活発な動きが、大雪・防寒機器・燃料・衣料・食品・住宅等々、厳しい冬でこそ消費が喚起される流れがあるようだ。
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