米中貿易摩擦激化の影響に懸念が高まる中、穀物市場に先行き不安が広がっている。
米側から中国製品に追加関税を課すとなれば、中国側は、報復関税の姿勢を強める状態である。
中国側の報復関税対象には米国産の大豆やトウモロコシなどの穀物が挙げられており、これが穀物市況に影響を及ぼしている。
6月19日には、農産物の先物相場が急落、特に、大豆先物11月限は一時7.2%下落し、1ブッシェル当たり8.645ドルと、 中心限月としては2016年3月以来の安値となった。
大豆は米農産物の対中輸出でトップ。小麦と綿花の先物も急落し、トウモロコシと大豆ミールなども値下がりした。
米中間の貿易摩擦が急速に激化する中、相場は下落した。米中西部での好ましい天候も重しとなった。
この穀物価格下落が、日本企業に与える影響があるだろう。株式市場でも明暗が分かれそうだ。
穀物価格の下落は、原料安となり日本の食品関連や外食企業にはプラス効果が期待できる。
大豆が原料となる醤油のキッコーマン<
2801>や豆腐の製造・販売、首都圏中心に「三代目茂蔵」を展開している篠崎屋<
2926>や西日本中心に豆腐、厚揚げ、油揚げ等の製造、販売しているやまみ<
2820>などにメリットが期待されるだろう。
反対に米国産の穀物の輸入などを扱う大手商社は穀物価格下落が売上高の減少や在庫の評価損などにつながる可能性もありデメリットとなる可能性がある。
住友商事<
8053>、伊藤忠商事<
8001>や丸紅<
8002>などには逆風になるとの見方がある。
先の読めない状況が続く中、今後の動向に注意が必要だろう。
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