コンビニの「異業種コラボ店舗」びっくり
私たちの生活に欠かせなくなったコンビニ。
取り扱う商品を年々充実させて、営業時間も24時間。まさに、至れり尽くせり。そのため、コンビニさえあれば、ほかの商店は不要とさえ感じるだろう。

そんな快進撃を続けるコンビニだが、最近は出店ペースが鈍化している。
そこで新たな動きがでている。

ドラッグストアに書店、道の駅、スポーツジム、コインランドリーなど今やコンビニは「異業種コラボ店舗」が増えている。
特にファミリーマートは、他社とは毛色の違う一風変わった「一体型店舗」を生み出している。
同社の異業種コラボにおける成功の走りとなったのは、2012年頃からはじまった中小ドラッグストアとの連携だ。
近年、他業種・他業態とのコラボ店舗の展開を積極的に進めており、2018年からはコインランドリー、フィットネスジムなどとの一体型店舗を新規開発すると発表している。
コンビニと異業種との融合により、新たな消費者ニーズの発掘をすることで顧客の拡大を図る方針だ。

「Fit&GO」 報道発表資料より

コンビニ内にフィットネスクラブが出来るとは驚きであるが、こうした異業種コラボには、うまくいったものもあればパッとしないまま終わったものがあるのもまた事実だろう。

2017年現在はファミマに続いてローソン<2651>セブン&アイ・ホールディングス<3382>のセブン―イレブン・ジャパンなどのコンビニ他社もこうした「ドラッグストア・薬局一体型店舗」の展開を開始しており、登場から僅か6年にして、早くも業界では「定番コラボ」となりつつある。

昨年8月に、ユニー・ファミリーマートホールディングス<8028>ドンキホーテホールディングス<7532>はドンキがユニー株の40%を取得する資本・業務提携を発表した。

ユニー・ファミリーマートホールディングスでは、既に総合スーパー(GMS)のユニーでドン・キホーテとの複合店を6店舗オープンさせており、それらの売上げ前年比は220%、客数前年比は190%(旧GMSとの3、4月比較)とかなりの高実績を挙げている。
両グループのノウハウを生かした共同実験を行おうというのだ。

ユニー×ドン・キホーテ ニュースリリースより

さらに、コラボ店が6月1日、東京都立川市に「ファミリーマート立川南通り店」、東京都目黒区に「ファミリーマート大鳥神社前店」、同月29日東京都世田谷区に「ファミリーマート鎌田三丁目店」をそれぞれオープンした。

共同実験店舗の開始 ニュースリリースより

ドンキの雑貨や日用品2000〜3000点を陳列する実験を始めるとしており、客数や収益動向を見極めながら、全国への展開を検討するという。また、実験店は4000〜5000点の商品のうち、2000〜3000点をドンキから仕入れるとしていることから、両社業績への恩恵が期待されている。

「国内のコンビニはそろそろ飽和状態で、1店舗当たりの売上高は今後、良くて微増だろう」とコンビニ関係者は、現状を説明している。
客数や売上高の落ち込みに対し、各社は新たな集客策を打ち出している。

ローソンは、ドラッグストアのツルハホールディングスと提携し、コンビニとの融合店舗を今後2〜3年をめどに100店規模に増やす計画だ。
セブン―イレブン・ジャパンは、ソフトバンクと組み、コンビニエンスストアをシェア自転車の貸し出しや返却の拠点にする。月内にさいたま市内の9店で始め、エリアを順次拡大する。2018年度末までに首都圏や地方都市の1000店で5000台を設置する計画で、来店客数の増加につなげる方針だ。

競争が激化する背景には、ドラッグストアの台頭もある。
薬だけでなく、これまでコンビニが得意としてきた食品や日用品を多く扱うようになったからだ。新規出店の余地が限られる中、さらなる成長には新たなサービスが不可欠になっている。
 
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