8月はトルコリラの記録的大暴落で投資家達は恐怖に慄いただろう。
FX取引所「くりっく365」を運営する東京金融取引所(TFX)によると、8月月間のトルコリラ/円の取引数量は127万6416枚と、15年5月の上場来最大を記録した。
政策金利が17.75%(2018年7月現在)もあり、高金利通貨としてFXでも人気ながら、最近異常なレベルで暴落している。
トルコリラ・円の相場の商いが増加した背景は、トルコリラが急落したことにより、売り圧力が強くなったことだ。8月だけでも25%ほどの下落となった。
下落の理由としては、まず米国金利の上昇である。
高金利通貨の筆頭格であるトルコリラにはかなわないとはいえ、ドルの利回りの魅力が増し、トルコリラを始めとした新興国通貨が全面安となった。
トルコリラ安への対応にあたり、トルコ中央銀行の独立性が確保されていないことが問題視されている。
また、一段の下落のきっかけとなったのが、アメリカ人牧師の拘束問題だろう。
トルコでテロ組織を支援したとして米国人牧師が拘束されていることを受け、トランプ大統領はトルコに対し新たな経済制裁を課すことを示唆している(これまでは、トルコ製の鉄鋼とアルミニウムの関税を2倍に引き上げ、閣僚2人の資産凍結など)。
高い政策金利を設定している国の状況とは、いかなるものなのか、もっと深く思慮すべきだったのではないかと考える。
その売買にレバレッジをかけるという事は、リスクをかけた分だけ想像を絶するリスクを受け入れなくてはならない。その点をすっかり国内のFX投資家は忘れてしまっている人が多いのではないだろうか。
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