「インスタ映え」が大流行。
「インスタ映え」が大流行。
今年の世相を反映した言葉に贈られる「2017ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)が1日発表され、「インスタ映え」と「忖度」が年間大賞に選ばれた。

「インスタグラム Instagram」に投稿する写真として、見栄えがいいものが撮影できるという意味。
新しい情報を手に入れるツールになっている。

2017年4月にFacebookから、インスタグラムの月間ユーザー数が7億人を超えたことが発表されている。インスタグラムユーザーの増加ペースが上がっているそうだ。

使う人が増える一方で、「インスタ映え」に潜むリスクも当然あるだろう。
インスタグラムで見栄えすることを狙いすぎて、法的に問題となるケースも増えているそうだ。
ただ、悪いことばかりではないだろう。

商品の売り上げが上がったり、今まで知られていなかった場所に注目が集まったり、マーケティングツールとして利用する流れがある。
「インスタ映え」人気は株式市場にも影響を与えている。
インスタグラムの普及で、カメラ主要各社が相次ぎ2017年度の販売台数を引き上げている。

11月17日の日経新聞の記事では、
「期初見通しよりそれぞれ約1割増やす。世界の出荷台数も5カ月連続で前年を上回り、ここ数年のカメラ市場は縮小続きだったが、底打ち感が鮮明となっている。先進国を中心に高付加価値モデルの好調が続くほか、来期以降は五輪需要などの追い風も吹く見通し」といった内容だ。

キヤノン <7751>は、10月24日、2017年12月期の連結業績予想(米国基準)を上方修正し、従来3300億円とみていた営業利益見通しを前年比52.9%増の3500億円に引き上げた。カメラが回復基調のほか、有機ELパネル製造装置などの新規事業が好調で、4年ぶりの増収増益を見込んでいる。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

ニコン <7731>も2018年3月期の業績予想を修正した。売上高にあたる売上収益はデジタルカメラの販売計画を引き上げたことで前年比5.2%減の7100億円(従来7000億円)に上方修正している。一眼レフカメラの新製品「D850」などが好調で、18年3月期通期の販売計画を480万台から520万台(レンズ交換式は従来比10万台増の260万台、コンデジは同30万台増の260万台)に変更。また、レンズ交換式カメラの見通しを上方修正したことに伴い、交換レンズの販売予想も370万本から390万本に引き上げている。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

また、コンパクトカメラでも自分撮りに特化したカシオ計算機 <6952>やリコー <7752>は、大手の戦略とは一線を画し、個性的なカメラを強化している。

カシオは腕時計「G―ショック」のノウハウを基に、タフカメラの新ブランド「ジーズアイ」を立ち上げた。

リコーは全天球カメラ「シータ」などに力を注ぐ。
また、「フィルムカメラ」が売れている。
富士フイルムのフィルムカメラの販売台数は、年々増加しているそうだ。

「2004年から数年間はチェキの年間販売台数が10万台程度にまで低迷した。しかし、2007年ごろからアジア地域でチェキがはやり始めたことを機に上昇に転じた。2011年に過去最高の販売台数を記録すると、それ以降は右肩上がりが続いている」と言う。

6月23日に3万個限定で発売した「写ルンです プレミアムキット」は全数の出荷が完了するなど好調ぶりだった。
また、富士フイルムが7月から始めたのが、写真のダウンロードサービスだ。
「写ルンです」を現像に出すと、撮影した写真を直接スマホでダウンロードできる。
「SNSで楽しんでもらいやすい環境を提供したかった」と狙いを説明している。

富士フイルムの取り組みは、Instagramに良い写真を投稿したいという「インスタ映え」をうまくマーケティングに取り込んだ格好だろう。

インスタグラムの普及でデジタルカメラや一眼レフカメラ、フィルムカメラの需要が復活し始めている。今後は東京オリンピックなどの追い風も見込まれるなかカメラ業界は今後注目度がアップするだろう。
 
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