値動きが軽く、流動性が高いテーマ株と言えばバイオ関連銘柄だろう。
一度動意付けば、2倍、3倍と強烈なパフォーマンスを見せてくれるその値動きが魅力で個人投資家は人気の業種になっている。
政府も後押しするバイオ産業では研究開発を推し進め、健康増進、未病社会の実現を目指すだけでなく、バイオ産業の発展から日本経済の発展への貢献も目指している。
中でも、「先駆け審査指定制度」や「条件付き早期承認制度」の法制化など、医薬品・医療機器をより安全・迅速・効率的に提供するための制度改善は、製薬業界にとって最大の関心事だろう。
先駆け審査指定制度は、世界に先駆けて開発され、早期の治験(臨床試験)段階で著しく有効性が見込まれる革新的な医薬品や医療機器などを指定し、早期の承認を目指す仕組みで平成27年に創設した。
また、29年から始まった条件付き早期承認制度は、患者数が少ないなどの理由で治験が困難で長期間に及ぶ医薬品などが対象だ。有効性や安全性を一定程度確認した上で、製造・販売後に有効性や安全性を再確認するために必要な調査を行うことを条件に、通常より早い承認を目指している。
厚労省は患者がより早く新薬などを使えるよう、審査期間の短縮を目指してきた。
通常申請から承認に至るまで1年かかるが、スケジュールを厳密に管理することで、先駆け審査指定制度は6カ月、条件付き早期承認制度は9カ月に縮めることを目標にした。
2013年の薬事法改正の国会審議と同様、難しい舵取りが迫られそうだが、タイトなスケジュールの合間を縫って、薬局・薬剤師、医薬品業界が明るい展望を抱ける論戦が国会で繰り広げられることを期待している。
その中で、先駆け審査指定制度では、4月8日にオンコリスバイオファーマ<4588>が、テロメライシンが、厚生労働省の定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されたと発表した。
「先駆け審査指定制度」は、世界に先駆けて日本で開発され、早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる革新的な医薬品について、優先審査をする制度。
今回の指定により、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から薬事承認にかかる相談・審査の優先的な取り扱いを受けることが可能となるため、同社ではこの利点を生かして早期の実用化を期待するとしている。
条件付き早期承認制度では、体内に遺伝子を入れて病気を治す「遺伝子治療薬」が今年5月にも日本で初めて登場する。
大阪大学発ベンチャーのアンジェス<4563>は3月26日、開発を進めていた体内に遺伝子を入れて病気を治す「遺伝子治療薬」が厚生労働省から承認を受けたと発表した。
対象は重症の動脈硬化に対して足の血管を再生する薬で、遺伝子治療薬の承認は国内で初めてとなる。販売は田辺三菱製薬が担当し、今夏にも医療現場で利用できるようになる見込み。
承認を受けた治療薬「コラテジェン」は、血管がつまった足に新しい血管を作るための遺伝子を注射して治療する。十分な知識と経験を持つ医師や施設の使用、販売後の薬効や安全性などの追加調査が承認の条件となっている。追加調査で良好な結果が出れば、この条件を無くしての使用が見込める。
2018年5月19日 アンジェス企業研究会 資料より
重症になると足の切断もある糖尿病患者などに多い閉塞性動脈硬化症などが対象で、患者は国内で年約15万人。正式承認を経て薬価は5月にも決まるが、治療費は1人200万〜300万円になるように設定されるとの見方がある。
コラテジェンは1999年の会社設立以来、開発に取り組んできた。約20年も掛けて研究してきた。2019年はアンジェスにとって大きな転換点になりそうだ。
バイオ関連株の将来性を読むのは、とくに難しいと言えるだろう。
研究や開発が進むと凄いことになるだろうと「夢」を買われているパターンがほとんどですので、期待だけで急騰に繋がりバブル化しやすいからだ。
値動きが荒いからこそ、上昇トレンドに乗るという買い方が有効だろう。
バイオ関連銘柄 = 国策銘柄、アベノミクス成長戦略によってしっかりと土台が固まっているので、今後さらに医療分野の発展は加速していくだろう。
3倍、5倍の上昇も珍しくないバイオ関連銘柄の場合は、動き始めてからでもチャンスは十分にあり狙えると考えている。
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