断然おトク 「ポイント投資」

企業が顧客に発行するポイントサービスの市場規模は年々拡大している。
矢野経済研究所よると国内ポイントサービス市場規模は、17年度1兆7,974億円、22年度には2.2兆円を突破すると予測している。

クレジットカード会社、携帯電話会社、航空会社、百貨店、スーパー、ドラッグストア、銀行、証券なども大量のポイントを発行している。販促等を目的として共通ポイントを発行する事業者も増加している。
スマートフォンの普及により、カードレス化が急速になっている。
ポイントは、“商品のオマケ”の域を超えた、きわめて重要なマーケティングツールの一つとなっているからだろう。

貯まった「ポイント」ですが、皆さんはどう活用しているのだろうか?
電子マネーや商品券などに交換する人もいるだろう。
あるいは、「マイルに交換し、旅行を楽しむ」という方もいるだろう。

その貯まったポイントを使った、投資サービスが広がっていることをご存知だろうか。

投資未経験の方々を投資するきっかけとして「ポイント投資」が有効な手段になっている。 「ポイント投資」は、実際に運用するのはお金ではなく「ポイント」となるため、現金が少なくなったり、元手資金を用意したりする必要がない。
通常の投資信託で発生する手数料などのコストも一切かからないため、誰でも簡単に投資を体験することができる。
 

最近注目を集めているのがNTTドコモのdポイント投資だろう。
携帯電話の利用などで貯まったポイントで投資ができる「ポイント投資」が大人気だ。

サービス開始(2018年5月16日から)3週間で利用者が10万人を突破、9カ月で40万人を突破している。 全体の76%が40代以下の若年層、特に30代、40代の男性、30代の女性が多く72%を投資未経験者が占めているそうだ。
ポイントを主軸に置いた戦略の成果が出ている。

「ポイント投資」は、ドコモのポイントサービス「dポイント」から任意のポイントを預けることで、投資信託の基準額に応じて投資運用中のポイントが変動するサービス。

投資信託など投資を体験できるサービスと、コンピューターが資産運用を指南する「ロボット・アドバイザー」(ロボアド)のサービスとなっている。

100ポイント単位の追加投資が可能で運用中のポイントは1ポイント単位で引き出せ、ドコモの回線契約がなくても、dポイントの会員であれば利用でき年会費や手数料を心配する必要がない。

ポイント投資における総運用ポイント数(2018年6月7日時点)は、約2億2000万ポイントに達しており、1人当たりの平均運用ポイント残高は約2200ポイントという。 ドコモのポイント会員は約6500万に拡大しており、年間のポイント発行額も1500億円相当と、大きな経済圏を形成している。

お金を使わずに投資体験ができるdポイント投資は、最適なサービスのひとつと言えるだろう。 まず、中長期視野の銘柄に投資している、ということを理解して欲しい。
1週間、はたまた1〜2か月の間、ポイントが減ろうとも、長い目で勝ちを目指す銘柄なので、そういったこともあると割り切った投資が良いだろう。
短期的に利益獲得を目指す投資ではないため、「ポイントが増えた!」「ポイントが減った……」と日々一喜一憂しても意味がないからだ。

投資対象は世界86の国・地域、1万1000以上の銘柄数と広範囲にわたっている。 「国際分散投資」によりリスク分散を図っている。 実際に運用するのはお金ではなく「ポイント」。 現金が少なくなったり、元手資金を用意したりする必要がない。
(※ 運用成績次第で、ポイントが減ることはあります)
dポイントの有効期限は獲得した月から起算して48か月後の月末まであるので、ゆっくり計画的に利用できる。
これまでポイントを使う機会がなかった方は、dポイント投資を検討してみては如何だろうか。
 

他では、クレディセゾン「永久不滅ポイント」を運用して増やす「ポイント運用」を開始したのは2016年12月。運用コースの追加、個別株式での運用なども加えて既に30万人以上の利用者を獲得した。

楽天市場は、「楽天スーパーポイント」を使って、それぞれ投資信託の基準価額に連動してポイントが増減するサービスを提供している。
また、楽天証券が「楽天スーパーポイント」などを投資信託の買付代金の一部、または、全部に利用できるサービスを開始。こちらは、証券口座を開設しているので、つみたてNISAなどのNISA口座や特定口座などに対応している。

SBI証券では、CCCマーケティングと2018年10月30日に「SBIネオモバイル証券」を合弁設立した。「Tポイント」を活用した投資サービスを2019年4月10日にサービスを開始、若年層・投資初心者をターゲットにTポイントとスマートフォンという身近なツールを活用した金融サービスの提供を始めた。

今後、「ポイント投資」は、投資教育の入り口になるだろう。 投資について「無関心」と言える人にも「ポイントを運用して増やす」というコンセプトを通じて、運用のきっかけにすることができるだろう。

「貯蓄から資産形成」の流れが若者の間で太くなる可能性を秘めている 本などで勉強するよりも実際に運用しながら学べばよいと思う。
ポイント投資をしている人の3人に1人は、『ポイントだから』投資をしているそうだ。 ポイントでなければ投資を始めなかったと言う。ポイントはある意味オマケの意識があり、現金と同じ価値を有していても心理的ハードルが低いのだろう。

また、ポイント投資の大きな特徴は口座開設不要という点だ。その「手軽さ」「始めやすさ」が投資行動に影響を与えているだろう。 ポイント投資をきっかけに、資産運用に本格的に乗り出す人は益々増えるだろう。 より多くの方々が「投資を体験し、実際の資産運用市場の拡大につながるのではないか」と期待している。
各社の新しい取り組みに、引き続き注目していきたいと思う。  

■厳選5社 ポイント投資サービス
 
ポイント 提携 証券口座開設 特徴
楽天ポイント 楽天証券 あり 楽天スーパポイントを使って投資信託の購入が可能。楽天市場との連携で条件を満たせば楽天市場でのポイント付与が1%アップ。つみたてNISAも対象となる。楽天カードでの購入でさらにポイントが付与される。
dポイント 株式会社お金のデザイン なし 株式会社お金のデザインが運営するロボアドバイザーTHEOで運用する。バランスコースとアクティブコースから選択。ポイントはいつでも引き出せる。
Tポイント SBI証券/SBIネオモバイル証券 あり Tポイントで投資が可能、Tポイントが付与される。SBI証券では対象商品は幅広いが、ネオモバイル証券の場合は国内株式とロボアドバイザーのみ。2019年4月からサービス開始予定
Pontaポイント STOCK POINT なし PontaでSTOCKPOINT(日々変動する)に交換し、個別銘柄に擬似投資する。Pontaに戻す(手数料5%)か、本物の株と交換が可能。
ANAマイル トラノテック なし おつり投資サービスの「トラノコ」でANAマイルを運用する。1000マイルが500円分に価値が下がり、月額利用料300円と運用残高に応じて0.3%の手数料がかかる。

 
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