跳ね返せ 消費税増税! 増税分は株で稼ぐ


跳ね返せ 消費税増税! 増税分は株で稼ぐ
 
10月に消費税が10%に引き上げられる予定になっています。
軽減税率によって税込みの値段が「上がらないもの」はあるものの、あくまで例外的な存在です。たぶん消費税は上げなくてもやって行ける筈ですが、財務省は自分たちの自由にできるお金が欲しいということでしょう。
そして景気の拡大局面でしか消費税は上げられませんが、今まさにアベノミクスなどを背景に、絶好の環境を迎えたということを訴えています。

これは意外とチャンスなのかも知れません。
世界が表面上日本の消費税の引き上げを求めているということは、消費税の引き上げに失敗して景気が失速すると、世界経済が蒙る損害も大きくなります。
ならば、好意的且つポジティブに考えればたぶん応援してくれることでしょう。
これは株式市場にとって意外と大切なポイントかも知れません。
 
大義名分は社会保障や福祉、子育て支援に使うため。実際は、震災復興や東京オリンピックに関してのインフラ整備などにも使われることでしょう。
でもこれは経済や企業にとって悪いことではないはず。全体的な国富の充実にもつながります。
 
国力がついて、企業業績が向上すれば、雇用も増大し、給料も上がるでしょう。
決してバラ色ではありませんが、灰色でもない筈です。
株価が上昇すると仮定すれば、年金問題も少しは片付いてくるでしょう。
もともと高齢化社会の到来を無視して設定された年金制度はいずれ問題が起きるのはわかっていたこと。年金問題は未納問題ではなく、運用の問題と考えれば、消費税引き上げによる再配分効果は多少の恩恵をもたらしてくれるかも知れません。
 
もっとも、どんなに理由を見つけても、個人の財布から出ていく税金が増えるのはイヤという発想からは逃れられないというのが本音です。
 
1988年、消費税3%の導入を成し遂げたのが竹下首相。
しかし、消費税導入による予算審議の行き詰まりから総辞職に追い込まれた。
それを引き継いだ宇野内閣は参院選で大敗しました。
1988年12月に、当時の竹下内閣が消費税導入を決定し1989年4月1日に消費税法が施行されました。
 
日経平均株価を見てみると、消費税が導入されたからと言ってすぐに株価が下がることはありませんでした。
このときの日本は、まさにバブル景気真っただ中だったからです。
消費税が増税すると、個人消費は間違いなくマイナスの影響がでてきます。
しかし日経平均株価の値動きは大企業の業績と連動され、大企業が絶好調であれば株価は落ちないでしょう。
企業も売上から消費税を支払っているので、増税は痛いはずですが、このころの大企業はそれ以上に成長著しい時代でした。成長っていうか、いわゆるバブル景気だっただけなのですが…。
 
1986年、日経平均株価は13,000円台だったのですが、1989年12月29日の大納会ザラ場で38,957円の最高値を記録しました。



ただ、その後は二度とこの水準に戻ってはいません。
そしてバブルの崩壊は、消費税導入によって重石を背負ったとも言えるでしょう。
もっとも消費税そのものが悪役だったということではなく、膨れ上がった景気の頂点で導入されたという結果的不幸に陥ったと考えられなくもありません。

為替のドル円は消費税導入時に130円台前半でしたが、その後半年を経て160円近くまで円安傾向になりました。
消費税=円安という構図は見逃せない点でしょう。
また失業率、賃金、労働時間は一貫して上昇していたというのがバブルを背景とした消費税創設の結果でしょう。
 
また、1990年代は「失われた10年」と呼ばれていますが、その後も日本経済は回復しないため、最近では「失われた20年」と呼ぶことが多いです。
 
1997年、消費税率が5%となり、その時も日本の景気が大きく落ち込みました。
消費増税の特徴は、実施した最初は税収が跳ね上がって、数年後から税収が落ち込む傾向が見られる点です。これは消費増税の効果が数年に渡って持続していることを示しています。
 
諸外国の効果で日本の景気が良くなったとしても、ずっと消費税分のマイナスが重りのように国全体の経済に残るということになります。
その証拠に日本の経済成長率で、日本だけ欧米諸国と比較してダントツに経済成長率が低いのです。日本の低迷は消費税の導入時期とも一致し、内需が大きな日本では諸外国よりも消費税の影響が極端に出てしまうと見ることが出来ます。
 


消費税率が5%から8%に上がった2014年4月以降、2カ月連続で前年の同じ月より実質消費が増えた月は1度もありません。
それくらい消費税値上げの影響は尾を引いているのです。

リーマン・ショックのとき先進国のなかで最も経済が落ち込んだのは日本です。それくらい海外の景気に左右されやすい国なのです。
2014年の消費増税でもリーマン・ショックに匹敵するようなマイナスが見られ、今日まで日本の経済成長を阻害している要因になっています。
 
今後、消費税はどんどん上がるのでしょうか?
結論から言うと「必ず上がる」でしょう。
政府は、景気の動向を見ながら判断すると言いますが、そもそも景気動向とは非常に曖昧なものです。
個人的に気になっているのは「消費税の増税は規定路線になっていて、その分を当てにして概算要求が今後もどんどん膨らんでいくのでは?」という点です。
今の日本の借金(正確には高齢化による社会保障費の伸び)は、もはや消費税10%でもにっちもさっちもいかない状態にあるので、10%といわず消費税もまだまだ上がっていくでしょう。
日本も高齢化問題を抱えています。おそらく先進国がある程度の社会保障を維持するのに必要な水準、最終的には欧州諸国の20〜25%ぐらいに落ち着くのではないでしょうか。
 
ただ、日本は内需大国なので、本来であればもう少し低い15%程度で社会制度を維持できると個人的には考えています。
大盤振る舞いの各制度を作ってしまった以上、制度を変えることは難しいため20〜25%が最終的なラインになるでしょう。
 


みなさん、10月以降は、一気に財布のひもを締めて冬眠状態に入るのではないでしょうか。
それくらい大きなインパクトがあると思っています。
駆け込み購入は控えたほうが良いと考えます。
「駆け込み買いしなきゃ損!」と踊らされ、必要ではないものを購入してしまうことには注意してください。
 
こうポジティブに考えることが必要でしょう。
刹那的な家計への影響を嘆くよりは、その先を見据えて行動することも大切なように思えます。
税金が増えるのなら、その増税を自分の知恵で何とかすること。
増税前の買いだめなどよりよほど効果的だと思います。
増税分は株式市場で手当てして防衛するということをこれから少しは目論んでも良いかも知れませんよ。泣いても笑っても消費税は上がります。
でもわずか10%。その先を加えても15%。
株式市場では10%程度の値上がり益はいずれかの銘柄で日々実現されています。
支払うお金が10%増えるのなら、せめて株式投資でそれくらいは稼いでみるという意欲はいかがでしょう。
株式市場は必ずしも怪しげな危ないところではありません。
出来れば目を遠ざけたいようなところでもありません。
暗く危ないイメージを払拭して、明るい側面から株式市場をとらえてみたらどうでしょう。
消費増税を背景にして業績が良くなる銘柄もきっとあります。
以下にそういう銘柄を抽出してみました。
「消費税なんかに負けない」を合言葉にして株式市場で消費増税分を稼ぐという努力をしてみてはいかがでしょうか。

■消費税増税関連銘柄
 
銘柄 備考
【1928】積水ハウス 戸建住宅を中心に住宅事業を総合展開。新築請負、既存住宅活用、不動産開発の各分野を強化。
【9831】ヤマダ電機 家電量販店最大手。大型店展開で急成長。スマートハウス育成。大塚家具と提携。
【3291】飯田グループHD 戸建分譲住宅やマンションなど手掛ける低価格の戸建て分譲6社が経営統合。
【2440】 ぐるなび 飲食店情報サイトを運営。飲食店からの課金収入が収益源。中国にも展開。
【7532】パン・パシフィック・インターナショナルHD 総合ディスカウント「ドンキ」を全国展開。深夜営業に特色。ユニーを完全子会社化。
【3048】ビックカメラ 家電量販店大手。首都圏の駅前を中心に店舗展開。EC販売も。傘下にソフマップ、コジマ。
【3093】トレジャー・ファクトリー 首都圏でリサイクル店を展開。家電・家具・雑貨など品揃え多彩。専門店も展開。
【8282】ケーズHD 北関東地盤の家電量販大手。デンコードーなど買収し全国。現金値引きに特徴。
【3038】神戸物産 業務用食品スーパーを全国展開。個人客も多数。そう菜店運営、PB商品取扱も。
【2780】コメ兵 名古屋を本拠に中古品販売。ブランド品柱に新品も扱う。関東に積極展開
【2791】大黒天物産 岡山地盤の食品ディスカウントストア。24時間店舗を展開。SC向け複合大型店も。
【2782】セリア 100円ショップ大手。中部地方軸に全国展開。POSを積極活用。海外展開も。
【2735】ワッツ 100円ショップ中堅。直営小規模店で差別化。M&A、海外と積極展開。

 
人気のコラム アクセスランキング
【1位】
櫻井英明の株式辞典【ひ行】
【2位】
櫻井英明の株式辞典【は行】
【3位】
櫻井英明の株式辞典?【に行】

ビジネス 健康 生活
マネー 株主優待 ふるさと納税
株式基礎講座 確定申告 NISA


企業TOPとのインタビュー動画など盛りだくさん


きらりとひかる 上場企業のなでしこたち