【か行】
■買い安心感【かいあんしんかん】
日々変動する市場に安心感などあるわけはないが、市場関係者が発するとありそうに錯覚する言葉。
場合によっては市場関係者が自分を鼓舞するために使うこともある。
この言葉が市場に出回ると、株価は一時的に下落することが多い。
■顔あわせ【かおあわせ】
一度下落した株価が再度前の高値の値段になること。
つらあわせと言うことが多かったが最近では上品に顔合わせという市場関係者も多い。
一度上昇した株価が下落し前の安値を同じ値段になることも顔合わせと言う。
■勝手雲【かってぐも】
たくさんあるテクニカル紙芝居の中で一目均衡の雲を変化させたもの。
通常は基準線が「26」、転換線が「9」、スパンが「26」で表現される。
これを勝手にそれぞれ「3」「10」「9」に変えて作った雲。
通常の雲とは風景が違ってくる。
■株価収益率(PER)【かぶかしゅうえきりつ(ぴーいーあーる)】
1株当たり利益の何倍まで買われているかを示す指標。
通説では、20倍程度が妥当とされる。
それ以下は概ね割安、それ以上は概ね割高とみなされる。
ただ、基準をどこに置くかで風景は一変する。
来期1株当たり利益が倍になる見通しの企業の場合は、大きくPERは下がることになる。
成長途上の場合には1株当たり利益は大きく増加することが多い。
■為替【かわせ】
離れた場所にいる2者の資金決済を現金ではなく金融機関を仲介して行うこと。
従って複数国家間の通貨を決済すること。先物の場合は現金決済と云うよりは投資的・投機的要素がメインとなる。
ただ為替の語源は「替える」ことを「為す」。
だから話題のすり替えが多い場所であるとも言える。
ドバイ・ギリシャ・スペイン・ポルトガル、挙句の果てにはハンガリーまで持ち出してユーロを苛めてきたことなどその典型。
でも外為の本尊は出来高から見ればロンドン。
そしてその手足となっていそいそと働いているのがNYという構図は変わらないようである。
■ガラ【がら】
株価の大暴落のこと。
ささいな下落では使われない言葉。
ガラガラと音を立てて株価が下落することからきたようにも思える。
本来は「瓦落」から転じたとされるが実はこれは当て字。
■買戻し【かいもどし】
一般的には売ってしまっていた物を再び買うこと。
株価などが上がった原因が良くわからないときに市場関係者に多用される便利な言葉。
「利益確定の売り」みたいな存在でもある。
株式市場では信用取引や先物取引で、売り約定をして未決済のままであるときに、現物を渡さずに、反対に買い戻して決済すること。
これは「買い埋め」という。
別の言葉では「手じまい」ということもある。
ややこしいのはある銘柄を買っていてそれを1度売り、同一の銘柄を再び買う事も買い戻しという。
■価格帯別累積売買代金【かかくたいべつるいせきばいばいだいきん】
過去の売買代金を累積したもの。
商いが多かった水準は抵抗帯と呼ばれ、少なかった水準は真空地帯といわれる。
しかし、時間軸の取り方によって姿は変るのだが、そのことはあまり指摘されない。
そして、それぞれの価格帯で買われた株式は保有され続けているというのが前提。
加えれば、売りの残についてはほとんど省みられない。
要は都合よく加工された指標。
■株価【かぶか】
単純に言えば株式の価格のこと。
市場参加者の「買い=需要」と「売り=供給」の関係で決定される。
そのウリカイの決定要因として業績や配当や事業展開などが検討されるが、ある意味これらは調味料。
最終的に売買の決定をするのは心理。
売りが多ければ下がり、買いが多ければ上がるという単純な構図。
しかしそれをカモフラージュするためにさまざまな指標が提供される。
■空売り【からうり】
単純には信用取引の売りのこと。
株券を持っていないので株券を借りてきて売る場合を空売りという。
株価が上がってくると、「そんなに上がり続けるはずはない」としてしばしば「空売り」とする投資家は多い。
「買いよりも売りの方が儲かる」という声も良く聞く。
それもその筈で、本来、信用売りの原点はつなぎ売り。
持っている株の下落リスクを限定するために売る制度から発生している。
確かに上がってきた銘柄を空売りするのは、多くの銘柄から上がる銘柄を見つけるよりは儲かりやすい。
しかし、「空売り」はリスクがとめどなく、空売りを主として最後まで市場で生き延びた投資家は稀というのが歴史。
かなりの企業に空売りで引導を渡した個人投資家は知る限りでは約1名現存しているが・・・。
■観測【かんそく】
市場の誰もが知っていることながら、確認できない時によく使われる言葉。
あるいは、いい加減な話を紹介するときにも利用される。
例えば朝方の外資系動向。
日々売り越しとか買い越しとか報道されるが、誰もその真偽を確かめたことはない。
そもそも、何千万株のオーダーを正確に把握することは不可能。
かつての「大手4社外人売買動向」も珍重されてはいたが、実際は鉛筆を舐めた数字であったと記憶する。
また「あくまで観測ですから」として市場関係者の逃げの言葉としても多用される。
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