この時期の株式市場では2018年のテーマが話題に登る。
さて、2018年の有力テーマとして「脱デフレ」が話題だ。
脱デフレとは、
モノの価値が継続的に下がる(デフレ)では、お金の価値が相対的に高くなってしまう。
デフレから脱却し『お金よりモノの価値が高まる』ことで、株式を含めた資産価値の上昇が期待されているのだ。
ある証券会社のレポートで「脱デフレ」が取り上げられていた。
『国内景気は17年9月に「いざなぎ景気(65年11月〜70年7月の57ヵ月)」を抜いて戦後2番目の景気拡大局面となった。
また、2017年10月に有効求人倍率が1.55倍と74年1月以来の水準にまで上昇するなど人手不足感が強まっている。
失業率は足元で3%割れが続くなど低水準にあり、人材確保のため、今後、給与の上昇圧力が強まろう。
賃金と物価は相関性があり、賃金の上昇は物価の上昇につながりやすい、
続けて、モノの価値が継続的に下がることでお金の価値が相対的に高くなるデフレから脱却することで、お金よりモノの価値が高まってくる。』
として『株式を含めた資産価値の上昇が期待されよう。資産の代表格ともいえる不動産価格の上昇も見込まれ、関連セクターに追い風となろう。また、国内金利に上昇圧力がかかり始めれば、利ざやの改善期待が高まりメガバンク等の銀行株も恩恵を受けよう。』
と分析されていた。
資産価格上昇等の恩恵が期待される主な銘柄として、
不動産関連では、マンション分譲やオフィスビルなど総合不動産大手の住友不動産(8830)や
銀行関連では、消費者金融と割賦信販アプラスが柱の新生銀行(8303)や国内最大の民間金融グループの三菱UFJ銀行(8306)が期待される。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
また、需要増を受け、設備投資→業績拡大→賃金上 昇→消費回復といった経済の好循環が期待される。
設備投資は、非製造業で人手不足が深刻化していることに加え、政府の税制支援等が本格化することも、
設備投資の国内回帰を促進する動きとして注目される。
オリックス(8591)は、総合リース国内首位。不動産、投資銀行・債権回収・ 施設運営などの事業投資、リテール金融も行っている。
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さらに、総務省が12月26日発表した11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は11カ月連続で上昇しており、消費関連での脱デフレが数字で現れてきている。それを象徴するような銘柄の決算が12月25日に発表された。
低価格をウリにするしまむら(8227)の17年3〜11月期は9%減益となり、高級品を取り扱う高島屋が17年3〜11月期前年同期比9%増となった。
株価も反応し小売株の明暗を分けた格好だ。高島屋は、9〜11月期で大型店で高級品を取り扱う外商の売上高が前年同期を8%強上回っているそうだ。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
インバウンド効果もあり松屋(8237)、三越伊勢丹HD(3099)などの百貨店関連は、消費関連として注視したい所だろう。
最後に、日本の証券取引をほぼ一手に束ねるJPX(8697)も注目の銘柄であろう。
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安倍政権は政権発足以来、デフレ脱却を政権の最優先課題としてきたが、アベノミクスの恩恵はまだ実感できないとの指摘は多い。
2019年10月には、消費税増税も予定しており、アベノミクス推進で脱デフレ加速となるか、注目のテーマとなりそうだ。