介護業界の人材不足解消の切り札
高齢化が進む日本の大きな課題は、介護サービスの需要の増加に人材の供給が追いついていないことだろう。
厚生労働省の推計によると、団塊の世代が75歳以上になる2025年には約38万人の介護職員が不足することが見込まれています。介護業界における人材不足は大きな問題になっており、その対応策の検討が急がれます。

首相は、「地方の中小、小規模事業者の人手不足が深刻化している」「移民政策とは異なる」と説明し、「一定の専門性・技能を持つ即戦力の外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築する」と訴えている。
日本の労働力人口は約6600万人。17年10月末時点の外国人労働者は約127万人と、労働力の約50人に1人は外国人が担う。15?64歳の生産年齢人口は40年度に18年度比で約1500万人減る見込み。首相の発言は将来の日本の労働力への危機感が背景になっている。

政府は介護をはじめ、建設や農業など人手不足が深刻な業種を対象に新たな在留資格を創設し、25年までに単純労働者を含む50万人超の受け入れを目指す方針だが、対策としては不十分、そこで、人材不足の打開策として、政府は介護ロボットの導入・開発に対し支援を行う方針を打ち出しています。さらにAI(人工知能)を介護に活用する動きも出ている。
「介護」にビジネスチャンスを見出そうとする企業が増えている。株式市場でも介護関連銘柄はおさえておきたいテーマになっている。
どのような企業あるか紹介していこう。

菊池製作所 <3444> は、試作製品や量産製品の製造、金型製作が主力。ガンマカメラの販売・受託計測も行う。注力中のロボット関連製品は装着型作業支援ロボや配膳サービスロボなど介護・医療分野に重点を置いている。
モーターを使用しない装着型作業支援ロボット「介護用マッスルスーツ」は、今年4月までの累計出荷台数が3500台を数えた。同製品は圧縮空気を用いた人工筋肉を採用したのが特徴で、介護現場では入浴介助のベッド・浴槽間の移乗作業などで用いられている。 CYBERDYNE <7779>の「HAL」。
同社では、脚力が弱くなった人の下肢機能向上の促進を目的に「HAL福祉用」(下肢タイプ)を展開しており、最新版の「HAL自立支援用下肢タイプPro」の販売活動を開始した。
HAL福祉用などの下肢タイプは、国内の福祉施設などで387台が稼働(18年6月末時点)。また、足腰などが弱った人の体幹・下肢機能の向上促進を目的とした「HAL腰タイプ自立支援用」も57台(同)が稼働している。 住友理工<5191>は、2014年10月、社名を「東海ゴム工業株式会社」から変更した住友理工株式会社。同社は独立行政法人理化学研究所(理研)とともに、要介護者の身体を抱え上げてベッドから車椅子へ移乗させるなどの介助作業を行う「ROBEAR」の共同開発を行っている。 フランスベッドホールディングス<7840>は、他社に先駆けて商品化した「自動寝返り支援ベッド」は、身体を動かすことが困難な人の寝返りを支援する自動運転の寝返りサポート機能により、家族や介護従事者を始めとする介助者の負担を軽減する。2017年5月に施設向けを発売し、2018年1月より介護保険対象商品として在宅向けレンタルが開始された。 エヌ・デーソフトウェア<3794>は、介護・福祉施設向けソフトの開発・販売。主力は介護福祉業務支援ソフトウェア「ほのぼの」シリーズを手掛ける。

介護・福祉向けの業務支援ソフト介護・福祉分野ソフトウェアでは業界トップクラス。
介護・福祉に特化したソフトウェアは、今後も発展が望める分野といえるだろう。 介護職員の負担を軽減できる、介護現場の救世主になり得る介護ロボット。
急ピッチで開発が進んではいるものの、普及まではまだ時間がかかりそうだ。
ますます高齢化する社会で介護の需要が高まることを考えると、国や自治体による補助金制度の充実をより一層強化し、一刻も早く実用化させる必要がある。
介護ロボットが介護問題を解決する日の到来が待たれるだろう。
株式市場もこれからの動きに期待が集まるだろう。
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