近年、アクセルとブレーキの踏み間違いなど高齢者による交通事故が多く取り上げられ、問題となっています。
警察庁によると、2018年に死亡事故を起こした75歳以上のドライバーは460人で2年ぶりに増加、全体に占める割合は14.8%と過去最高だったそうです。
 
高齢者の事故がなぜ増えているのでしょうか?
原因の1つに
高齢化社会があります。
高齢者がこの10年間で700万人も増えたことで、高齢者が起こす事故の割合も増加してきているのです。
そのため、高齢者のドライバーが車を運転する際は、
自身の身体能力について細かく把握しておく必要があります。
 
内閣府が公表している「平成29年交通安全白書」によると、年齢や体力、過去の経験等によって大きな個人差が認められるとしつつ、一般的な高齢者の特徴として
 
・
視力等が弱まることで周囲の状況に関する情報を得にくくなり,
判断に適切さを欠くようになる
・
反射神経が鈍くなること等によって,
とっさの対応が遅れる
・
体力の全体的な衰え等から,運転操作が不的確になったり,
長時間にわたる運転継続が難しくなったりする
・
運転が自分本位になり,
交通環境を客観的に把握することが難しくなる
 
ことが挙げられており、これらの特性が、75歳以上の運転者が死亡事故を起こしやすい要因の一つになっているとしています。
 
また、高齢運転者による交通死亡事故の特徴として
・75歳以上の運転者の死亡事故件数は,75歳未満の運転者と比較して,免許人口10万人当たりの件数が2倍以上多く発生
・件数自体は10年間ほぼ横ばいで推移しているものの、死亡事故件数全体が減少する中、全体に対する構成比は上昇傾向にあり、平成28年は全体の13.5%を占める
以上のことがあるとしています。
 
 
最近でも、福岡市や東京・池袋で、高齢ドライバーによる死亡事故が相次ぎ発生しました。
高齢ドライバー対策を求める世論が高まったことからも、政府は制度面の検討を急ぐ必要があると判断しました。
そこで、
安全機能が付いた車種のみ運転できるようにする高齢ドライバー専用の新しい運転免許制度の創設を検討しているそうです。
これまでも限定免許の導入を検討してきたそうですが、安全機能の付いた車種を保有していない高齢者は運転を断念せざるを得ないとして見送ってきました。
しかし、高齢ドライバーの事故が多発するなか、安全機能の付いた車の普及も進んできたため、導入を本格化させることにしたようです。
政府は、今月下旬にまとめる成長戦略に新制度を盛り込む方針で、その後、警察庁や経済産業省、国土交通省などの関係省庁で協議し法改正などを進めます。
 
ハンドル等の操作不適による事故のうち、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる死亡事故は、75歳未満では死亡事故全体の0.7%に過ぎないのに対し、75歳以上では5.9%と高い割合となっています。
そのため、限定免許で運転できる車の条件は関係省庁で詳細を詰めるとしていますが、踏み間違い時の加速抑制機能や衝突などの危険を察知した際に
自動的にブレーキをかける機能を備えた車種などを想定しているそうです。
この新免許制度は
新型車の買い替え需要を促しそうです。
 
企業も自動運転技術など、積極的に開発を行っています。
自動車産業は日本経済を牽引する産業なので、政府は自動運転をさらに積極推進していくでしょう。
高齢ドライバーの一番の事故原因は、前述の通り運転ミスです。
しかし、全体でみると一番の事故原因となっているのは「漫然運転」です。
これは、ぼんやりと何か考え事をしながら、漫然と運転していた際に起こす事故を指します。
2018年の死亡事故の原因別で見ると、飲酒運転が10件、信号無視が113件、スピードの出しすぎは133件、運転ミスが原因は412件、これに対して漫然運転は518件にものぼっています。
高齢者に限らず、どんな人にも事故を起こしてしまう・遭遇してしまう可能性があります。
しっかりと運転に集中し、適度な休憩をとりながら安全運転を心掛けたいですね。
今後のマーケットにおいても注目テーマです。
 
■安全機能付き自動車 関連銘柄一覧
	
		
			| コード | 
			銘柄名 | 
			概要 | 
		
		
			| 7270 | 
			SUBARU | 
			安全運転支援システム「アイサイト」を開発 | 
		
		
			| 7203 | 
			トヨタ自動車 | 
			先進安全システム「トヨタセーフティセンス(夜間の歩行者を検知する自動ブレーキ)」を導入 | 
		
		
			| 6902 | 
			デンソー | 
			トヨタとアクセルとブレーキの踏み間違いなどによる事故を防ぐ後付け装置を開発 | 
		
		
			| 3906 | 
			ALBERT | 
			AIベンチャー、自動運転分野でトヨタと提携 | 
		
		
			| 3993 | 
			PKSHA Technology | 
			AIベンチャー、自動運転分野でトヨタと提携 | 
		
		
			| 2432 | 
			ディー・エヌ・エー | 
			信号機の状態をモバイルネットワーク経由で自動運転車に送信して、運転を制御する実証実験を行った | 
		
		
			| 3918 | 
			PCIホールディングス | 
			自動車向け組み込みソフトの開発 | 
		
		
			| 4440 | 
			ヴィッツ | 
			自動車制御用ソフトウェア | 
		
		
			| 7201 | 
			日産自動車 | 
			高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」 | 
		
		
			| 3352 | 
			バッファロー | 
			埼玉県内を中心にオートバックスのFC店を展開。 | 
		
		
			| 2666 | 
			オートウェーブ | 
			千葉地盤の自動車用品店。車検、板金、新車・中古販売も。 | 
		
		
			| 7297 | 
			カーメイト | 
			自動車用品メーカー大手。チャイルドシートやレジャー関連に強み。 | 
		
		
			| 3190 | 
			ホットマン | 
			東北中心にイエローハットやTSUTAYAなどをFC展開。 | 
		
	
 
		
	
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