7日の東京株式市場は、もみ合い展開か。
日経平均株価の予想レンジは、4万500円-4万1000円を想定。(6日終値4万794円86銭)
米国株は上昇。ダウ平均は81ドル高の44193ドルで取引を終えた。
現地6日の米国株式が反発した動きを受け、きのう6日の好地合いが続きそうだ。多くの企業が決算発表を迎えるなか、好業績銘柄への個別物色も継続するとみられる。
ただ、トランプ米大統領は現地6日、米国に輸入される半導体に100%の関税を課すと表明。半導体関連は神経質な動きをみせる場面も想定される。
為替相場は、ドル・円が1ドル=147円台の半ば(6日は147円55-57銭)と小動きの一方、ユーロ・円が1ユーロ=171円台の後半(同170円88-92銭)と円安方向にある。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、6日の大阪取引所清算値比45円高の4万855円だった。
【好材料銘柄】
■エムスリー <2413>
4-6月期(1Q)最終は5%増益で着地。
■JTP <2488>
4-6月期(1Q)経常は56%増益で着地。
■インターメスティック <262A>
7月既存店売上高は前年同月比24.0%増。
■Hmcomm <265A> [東証G]
生成AIによる対話型AIエージェント「Terry2」を正式リリース。
■TAC <4319>
MBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化を目指す。齋藤智記常務が代表を務めるJPECがTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOB価格は1株350円で6日終値を46.4%上回る水準。買い付け期間は8月7日から9月19日まで。
■ロート製薬 <4527>
今期経常を6%上方修正・2期ぶり最高益更新へ。
■資生堂 <4911>
上期最終は636倍増益・通期計画を超過。
■淀川製鋼所 <5451>
上期経常を12%上方修正、通期も増額、配当も実質11%増額。
■ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324>
非開示だった今期経常は9.9倍増益、未定だった配当は20円実施。
■メイコー <6787>
今期経常を16%上方修正・最高益予想を上乗せ。
■安永 <7271>
今期経常を8%上方修正。
【主な経済指標・スケジュール】
7(木)
【国内】
7月都心オフィス空室率(13:00)
6月景気動向指数(14:00)
30年国債入札
《決算発表》
トヨタ、ソフトバンクG、東京海上、オリックス、テルモ、菱地所、アサヒ、住友不、フジクラ、SUBARU、キリンHD、レーザーテク、ニトリHD、ダイフク、サントリーBF、いすゞ、トレンド、東急、しずおか、住友鉱、島津製、住友林、TBSHD、KOKUSAI、ふくおか、リコー、ホシザキ、SANKYO、三井化学、レゾナックHD、長谷工、神戸鋼、ホトニクス、コスモエネHD、参天薬、古河電、KADOKAWA、アマダ、サッポロHD、三菱ガス、エア・ウォーター、IIJ、ニコン、堀場製、コムシスHD、住友ゴム
【海外】
中国7月貿易収支
米6月消費者信用残高(8/8 4:00)
米30年国債入札
《欧決算発表》
シーメンス
《米決算発表》
イーライリリー、コノコ・フィリップス、ラルフ・ローレン、EPAMシステムズ、パーカー・ハニフィン、マーチン・マリエッタ・マテリアルズ、バイアトリス
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
6日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比81ドル38セント高の4万4193ドル12セントで終えた。
アップルは5%高と、相場の伸びをけん引した。ホワイトハウスで1000億ドル(約14兆7000億円)の追加投資を発表すると報じられ、トランプ米大統領との関係改善に期待が高まった。トランプ氏は、アップルがスマートフォンを米国外で生産すれば関税を課すと圧力をかけてきた。
6日に米トランプ大統領が投資計画を発表し、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)も同席する見通しだと6日に複数の米メディアが伝えた。同社は2月に今後4年間で5000億ドル以上を投資する計画を公表していた。
トランプ米大統領はアップルに「iPhone」の生産を国内に移管することを求めており、5月にはiPhoneに25%の関税をかけると表明していた。米国への投資を拡大することで、米政権の追加関税を回避できるとの期待からアップル株が買われた。
この日発表した決算で好調な売り上げを示したマクドナルドは3%高と相場上昇を主導。米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げに踏み切るとの観測も引き続き相場を下支えした。
一方、トランプ氏の高関税政策に対する懸念は根強く、上値は重かった。
マクドナルドも上昇した。6日発表の2025年4〜6月期決算が3四半期ぶりの増収となった。既存店売上高が市場予想以上に伸びた。ウォルト・ディズニーは4〜6月期の売上高が市場予想に届かなかったものの、テーマパーク事業などは堅調だった。インフレで米消費が落ち込むとの懸念が和らいだ面があり、消費関連銘柄が買われた。
ダウ平均ではウォルマートやアマゾン・ドット・コムも上げた。一方、5日夕に四半期決算を発表したアムジェンが大幅安となり、ディズニーも下げた。ユナイテッドヘルス・グループやメルク、キャタピラーも安い。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比252.874ポイント高の2万1169.424で終えた。テスラが高い。パランティア・テクノロジーズへの買いも続いた。
5日夕発表の決算で中国向け人工知能(AI)半導体の出荷再開時期を示さなかったアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅安だった。決算で見通しが市場予想に届かなかったサーバーなど電子機器製造のスーパー・マイクロ・コンピューターは急落した。
【シカゴ日本株先物概況】
6日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比325円高の4万0855円で終えた。この日は日米の株式相場が堅調に推移し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
40855 ( +45 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
40890 ( +80 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
6日の英FTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前日比21.58ポイント(0.23%)高の9164.31で終えた。終値としての最高値を連日で更新した。英イングランド銀行(中央銀行)が7日に結果を公表する金融政策委員会で利下げを決めるとの期待が、投資家心理を支えた。
米関税政策に対する警戒感はくすぶり、FTSE100種指数が上値を追う勢いは限られた。米政府は6日、ロシア産原油の購入を理由に、インドからの輸入品に25%の追加関税を課すと公表した。5日にはトランプ米大統領が、医薬品に対する関税を近く公表する考えを示していた。
原油先物相場が水準を切り上げる場面があり、英シェルなど石油株の買いにつながった。不動産投資信託(REIT)や金融に買いが優勢だった。一方で英アストラゼネカなど製薬に売りが優勢だった。
FTSEの構成銘柄では、保険会社ヒスコックスが9.44%高、産金大手フレスニロが8.88%高、酒造大手ディアジオが4.18%高と相場をけん引。他方、飲料大手コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズは9.20%安、飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーは6.88%安、資源大手グレンコアは5.41%安と売り込まれた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
6日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比78.29ポイント(0.32%)高の2万3924.36で終えた。決算など個別の材料を踏まえた売りと買いが交錯した。米関税政策への警戒感はくすぶり、DAXが前日比で下げに転じる場面があるなど上値の重い展開だった。
6日発表した2025年4〜6月期決算で受注が堅調に伸びた独シーメンス・エナジーに買いが集った。
個別では、不動産大手ボノビアが3.44%高、ドイツ銀行が2.48%高、高級車メーカーのポルシェが2.31%高と上昇。半面、25年4〜6月決算で前年同期比と比べ最終赤字額が膨らんだ製薬大手バイエルは9.74%安、化粧品大手バイヤスドルフは8.55%安、通販大手ザランドは8.43%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は小幅に反発し、前日比0.18%高で終えた。